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第五章 アクスウィル魔法学校編
第76話 アクスウィル魔法学校 其の三
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案内役の人と合流し、魔法学校まで案内される。いかにも仕事のできそうな壮年の男性で、常に背筋がピンと伸びている。
「うわぁ…………!」
正面から建物を見ただけで驚嘆の声が漏れてしまう。
アクスウィル魔法学校は驚くほど広かった。正面からでは、敷地の端が見えないほどだ。すなわち立ち並ぶ風格のある建物たちは、全てこの学校のものということになる。
しかも地図を見る限り敷地は正方形に近い形をしているから、この見えないほどの幅と同じほどの奥行きがあるのだろう。これだけ大きいのなら、アクスウィルが学校都市と呼ばれるのも頷ける。
最初に校長室に挨拶に行くために、師匠と一緒に連れられていくのだが、建物の中はまるで迷路のようだ。
もし、今来た道を辿れと言われてもできる自信がない。方向音痴の師匠はきっと常時案内なしでは動けないだろう。
たくさんの階段を上ると、古風な扉が現れる。豪華というわけではないが、緻密な彫刻が施してあり、特別な扉だと一目で分かる。きっとここが校長室なのだ。
「校長、ロンド様と弟子のコルネ様をお連れしました」
案内役の人がそう告げると、中から声がして扉が開く。促されるまま、師匠に続いて校長室に入る。
校長室は優勝トロフィーや何かの書状、他にも学校にゆかりのあるものが飾られていた。また、部屋に置いてあるものは落ち着いた色合いのものが多く、伝統ある学校の風格を感じさせる。
中にいた校長と思われる人物はにこやかで、子どもに好かれそうな男性だった。案内してもらった人よりも歳は少し上だろうか。
「ロンド様、今年もよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「そしてこちらが……」
「はい、弟子のコルネです」
紹介されて、軽く挨拶をする。きっと書状で師匠が俺のことを書いてたんだな──当たり前か、いきなり二人来られても困るだろう。
校長は柔和な笑みを崩さないのだが、その視線がどこか俺を品定めしているような気がする──のはきっと気のせいだ。
一通り挨拶を終えると、校長が切り出す。
「師匠はお元気でしょうか?」
「ええ、サラさんはお元気でしたよ。最後にお会いしたのはひと月ほど前になりますが」
この校長がサラさんのお弟子さんだったとは。王国魔法師団や高ランク冒険者の魔法使いはサラさんの弟子が多いとは聞いていたが、魔法学校の校長もそうだとは驚きだ。
確かに魔法の学校なのだから、校長も魔法を使える人物なのは妥当といえば妥当だ。ということは案内してくれた人も、すごい魔法使いなのかもしれない。
その事実に驚いていると、いつの間にか師匠と校長は二人で打ち合わせに入ってしまった。
話しているのは日程の確認や、授業内容についてらしいのだが、聞こえてくる会話から判断する限り、師匠のスケジュールはぎゅうぎゅうだ。
年に一回しか呼ばれないから、ここぞとばかりに授業をしてもらうということなのだろう。師匠には頑張ってほしい。
することもないので、校長室の調度品をぼーっと眺めていると、打ち合わせが終わったようだ。最後に校長が俺に言う。
「あ、コルネくんは学校で好きなように過ごしていいですよ。適当な教室で授業に混ざってもよし、訓練場で模擬戦をやるもよし、実技の授業で屋外に出るもよし──はい、これ入校証です」
えっ──てっきり学校の外で時間を潰さなきゃいけないのかと思ってたんですけど、入り浸っていいんですか!?
「うわぁ…………!」
正面から建物を見ただけで驚嘆の声が漏れてしまう。
アクスウィル魔法学校は驚くほど広かった。正面からでは、敷地の端が見えないほどだ。すなわち立ち並ぶ風格のある建物たちは、全てこの学校のものということになる。
しかも地図を見る限り敷地は正方形に近い形をしているから、この見えないほどの幅と同じほどの奥行きがあるのだろう。これだけ大きいのなら、アクスウィルが学校都市と呼ばれるのも頷ける。
最初に校長室に挨拶に行くために、師匠と一緒に連れられていくのだが、建物の中はまるで迷路のようだ。
もし、今来た道を辿れと言われてもできる自信がない。方向音痴の師匠はきっと常時案内なしでは動けないだろう。
たくさんの階段を上ると、古風な扉が現れる。豪華というわけではないが、緻密な彫刻が施してあり、特別な扉だと一目で分かる。きっとここが校長室なのだ。
「校長、ロンド様と弟子のコルネ様をお連れしました」
案内役の人がそう告げると、中から声がして扉が開く。促されるまま、師匠に続いて校長室に入る。
校長室は優勝トロフィーや何かの書状、他にも学校にゆかりのあるものが飾られていた。また、部屋に置いてあるものは落ち着いた色合いのものが多く、伝統ある学校の風格を感じさせる。
中にいた校長と思われる人物はにこやかで、子どもに好かれそうな男性だった。案内してもらった人よりも歳は少し上だろうか。
「ロンド様、今年もよろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「そしてこちらが……」
「はい、弟子のコルネです」
紹介されて、軽く挨拶をする。きっと書状で師匠が俺のことを書いてたんだな──当たり前か、いきなり二人来られても困るだろう。
校長は柔和な笑みを崩さないのだが、その視線がどこか俺を品定めしているような気がする──のはきっと気のせいだ。
一通り挨拶を終えると、校長が切り出す。
「師匠はお元気でしょうか?」
「ええ、サラさんはお元気でしたよ。最後にお会いしたのはひと月ほど前になりますが」
この校長がサラさんのお弟子さんだったとは。王国魔法師団や高ランク冒険者の魔法使いはサラさんの弟子が多いとは聞いていたが、魔法学校の校長もそうだとは驚きだ。
確かに魔法の学校なのだから、校長も魔法を使える人物なのは妥当といえば妥当だ。ということは案内してくれた人も、すごい魔法使いなのかもしれない。
その事実に驚いていると、いつの間にか師匠と校長は二人で打ち合わせに入ってしまった。
話しているのは日程の確認や、授業内容についてらしいのだが、聞こえてくる会話から判断する限り、師匠のスケジュールはぎゅうぎゅうだ。
年に一回しか呼ばれないから、ここぞとばかりに授業をしてもらうということなのだろう。師匠には頑張ってほしい。
することもないので、校長室の調度品をぼーっと眺めていると、打ち合わせが終わったようだ。最後に校長が俺に言う。
「あ、コルネくんは学校で好きなように過ごしていいですよ。適当な教室で授業に混ざってもよし、訓練場で模擬戦をやるもよし、実技の授業で屋外に出るもよし──はい、これ入校証です」
えっ──てっきり学校の外で時間を潰さなきゃいけないのかと思ってたんですけど、入り浸っていいんですか!?
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