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第六章 レオンの剣術道場編
第89話 近況報告
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冒険者会議の後、レオン、サラ、ロンドの三人は食事を摂りながら、恒例となっている近況報告をしていた。
「わしは前の会議から特に何もなかったのう。年寄りにはあっという間じゃ」
「私もこれといったことはなかったねぇ」
美味しそうな料理をぱくつきながら、ロンドの「最近どうですか」という質問にレオンとサラが答える。
年寄りを自称している割には、レオンの目の前のお皿はロンドに負けないほど料理がふんだんに盛られている。
あ、と思い出したようにサラが切り出す。
「そういえば、ロンドは最近アクスウィルに行ったそうじゃないか。今年はコルネくんも一緒だったとか」
「そうですけど、どこでそれを──魔法学校にはサラさんの弟子もいますもんね……」
実際、魔法学校の校長がそうであるように、教師陣にはサラの道場出身者が多くいる。魔法学校でのロンドとコルネの様子は、サラには筒抜けなのである。
「校長もいい刺激になったと喜んでいたと聞いているよ。コルネくんも楽しんでいたようで何よりさね」
「は、はぁ──それはよかったです」
話が一段落ついたと思い、サラとロンドが料理を口に運びはじめると、レオンがぼそっと呟く。
「わしはまだコルネくんに会ってないのに……」
店内に大声で喋っている人もいない中、その呟きは二人の耳に入る。
「そうでした……都合のいい日にラムハまでお越しいただければ──」
「二日以上の休みは難しいんじゃ……わしの道場からラムハまでだと日帰りは無理じゃろうし……」
頭を抱えるレオン。その姿はSランク冒険者とは思えぬほどに萎れていた。
レオンは後続の育成に力を入れており、王国騎士団に稽古をつけにいく他、剣士を育成している学校でも稽古をつけることが多い。もちろんこれに加え、自分の道場でも稽古をつけている。
そのため、レオンはこの三人の中でも一番多忙なのだ。
「それなら、コルネくんがレオンのところに行ったらいいんじゃないかねぇ」
「でも僕はラムハから離れられませんし──」
「コルネくんだけ向かわせればいいのさ」
サラの提案に、ロンドは苦い顔をし、レオンの顔はぱあっと輝く。
「大丈夫、コルネくんの歳ならレオンのところまで来るなんて余裕さね。以前は冒険者をしていたそうだから、なおさら心配しなくても大丈夫さね」
サラが宥めると、ロンドは納得したようだった。
「コルネくんが来る……いろいろ用意せねば。あれも──あとこれも──」
一方のレオンは空に向かって、指折り必要なものを数え始めていた。
「わしは前の会議から特に何もなかったのう。年寄りにはあっという間じゃ」
「私もこれといったことはなかったねぇ」
美味しそうな料理をぱくつきながら、ロンドの「最近どうですか」という質問にレオンとサラが答える。
年寄りを自称している割には、レオンの目の前のお皿はロンドに負けないほど料理がふんだんに盛られている。
あ、と思い出したようにサラが切り出す。
「そういえば、ロンドは最近アクスウィルに行ったそうじゃないか。今年はコルネくんも一緒だったとか」
「そうですけど、どこでそれを──魔法学校にはサラさんの弟子もいますもんね……」
実際、魔法学校の校長がそうであるように、教師陣にはサラの道場出身者が多くいる。魔法学校でのロンドとコルネの様子は、サラには筒抜けなのである。
「校長もいい刺激になったと喜んでいたと聞いているよ。コルネくんも楽しんでいたようで何よりさね」
「は、はぁ──それはよかったです」
話が一段落ついたと思い、サラとロンドが料理を口に運びはじめると、レオンがぼそっと呟く。
「わしはまだコルネくんに会ってないのに……」
店内に大声で喋っている人もいない中、その呟きは二人の耳に入る。
「そうでした……都合のいい日にラムハまでお越しいただければ──」
「二日以上の休みは難しいんじゃ……わしの道場からラムハまでだと日帰りは無理じゃろうし……」
頭を抱えるレオン。その姿はSランク冒険者とは思えぬほどに萎れていた。
レオンは後続の育成に力を入れており、王国騎士団に稽古をつけにいく他、剣士を育成している学校でも稽古をつけることが多い。もちろんこれに加え、自分の道場でも稽古をつけている。
そのため、レオンはこの三人の中でも一番多忙なのだ。
「それなら、コルネくんがレオンのところに行ったらいいんじゃないかねぇ」
「でも僕はラムハから離れられませんし──」
「コルネくんだけ向かわせればいいのさ」
サラの提案に、ロンドは苦い顔をし、レオンの顔はぱあっと輝く。
「大丈夫、コルネくんの歳ならレオンのところまで来るなんて余裕さね。以前は冒険者をしていたそうだから、なおさら心配しなくても大丈夫さね」
サラが宥めると、ロンドは納得したようだった。
「コルネくんが来る……いろいろ用意せねば。あれも──あとこれも──」
一方のレオンは空に向かって、指折り必要なものを数え始めていた。
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