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第十章 Aランク昇格編
第195話 冒険者会議
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「これにて会議は終了とさせていただきます。司会、進行は私、レナードが務めさせていただきました。皆様、改めまして本日はお集まりいただきありがとうございました」
今回の冒険者会議は特にこれといった議題もなく、すぐに幕を閉じた。参加者同士の久方ぶりの再会を喜ぶ声、椅子の脚が擦れる音でざわめいている会場で、ロンドはとある小柄な老人を見つけると話しかける。
「お久しぶりです、シモンさん」
「おお、ロンドか。久しぶりじゃな。わざわざ儂に話しかけるということは何か用があるんじゃろ。お前さんのためなら、冒険者ギルド本部長の職権もちょっとくらいは濫用できるぞい?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべてロンドを見上げる冒険者ギルド本部長のシモン。たしかにシモンとロンドの席は離れており、ロンドが偶然通りがかったので声をかけたとは考えにくい。何かしらの目的があると考える方が自然だ。
「ダメですよ、シモンさんほどの方が職権濫用なんて。僕はただBランクモンスターの最近の状況について教えていただきたいだけです」
「なるほどな、Aランク昇格というわけか。あのコルネというお前さんの唯一の弟子がなぁ。しかしBランクになったのは半年前じゃろ? ちと早すぎるんじゃないかの?」
シモンはロンドの一言を聞いて多くのことを推測し、問いを投げかける。コルネが目立つ存在であるとはいえ、ごまんといる冒険者のうちのたった一人の冒険者のランクが上がった時期を覚えていることは、歳を重ねても衰えぬ頭脳の証左だ。
「いえ、やってみなければ分かりませんから。魔法剣というスタイルは対応力が非常に高い──Aランクの昇格条件にはおあつらえ向きでしょう。加えて、コルネくんは他のパーティに比べて移動が格段に速いです。ネックとなる移動も迅速に行えますし、案外サクッと上がってしまうかもしれませんよ?」
少しからかったつもりだったシモンは一息で思わぬ量の返答をしてきたロンドに戸惑う。「そういえばロンドは弟子大好きじゃったな……」と小さく呟いた後、ため息をついてから喋りだす。
「たしかに討伐クエストを受けすぎてストップがかかったことがあるあたり、並の冒険者ではないんじゃろう。すぐに駆け付けることができて、幅広いモンスターに対応できる──Aランクに求められる素質にはぴったりじゃ。ひょっとすると……ひょっとすると、あり得るかもな」
そこまで言うと、シモンは離れて会話を聴いていた秘書らしき人物に何やら伝える。それを聞いて秘書は頷き、どこかへ行ってしまった。
「いつも三人でしとる食事会、今日もあるんじゃろ? それが終わった後、本部に少し寄っていけ。最新の分布図を渡してやるから」
今回の冒険者会議は特にこれといった議題もなく、すぐに幕を閉じた。参加者同士の久方ぶりの再会を喜ぶ声、椅子の脚が擦れる音でざわめいている会場で、ロンドはとある小柄な老人を見つけると話しかける。
「お久しぶりです、シモンさん」
「おお、ロンドか。久しぶりじゃな。わざわざ儂に話しかけるということは何か用があるんじゃろ。お前さんのためなら、冒険者ギルド本部長の職権もちょっとくらいは濫用できるぞい?」
ニヤリと悪い笑みを浮かべてロンドを見上げる冒険者ギルド本部長のシモン。たしかにシモンとロンドの席は離れており、ロンドが偶然通りがかったので声をかけたとは考えにくい。何かしらの目的があると考える方が自然だ。
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追記:2025/09/20
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