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第十章 Aランク昇格編
第201話 マンドラゴラ
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挑戦二日目──すなわり旅の始まりの日。ヘルガさんが持たせてくれたお弁当を手に、朝から師匠とレクタムまで走る。
師匠が再び大量の書類を書いてくれたので、最初の何日かは師匠がついてくれることになっている。もちろん討伐は一人だが、安心感があるためありがたい。もし数日やって無理そうだったら一緒に帰ろうということでもあるのだが、できることなら半年間一緒に準備してくれた師匠にそんな醜態は晒したくない。
ここ半年の鍛錬でかなり走るのは速くなっているはずなのだが、やはり師匠は平気な顔で並走している。飛ばしたおかげで、さほど時間がかからずにレクタムに到着する。みんなでルミーヴィアまで行ったときには半日かかったのが嘘みたいだ。
街の中心部から外れたところにある冒険者ギルドに入り、貼りだされた討伐クエストを見ていくとお目当てのクエストはやはりある。年中出ていると噂には聞いていたが、本当にあってホッとした。
「条件はBランク以上、マンドラゴラの収穫──間違いない」
ここで討伐したいのはマンドラゴラだ。マンドラゴラはモンスターに分類はされているが、見た目は植物に近く粉末状にして薬に使われることが多い。野菜のように栽培はできず、獲れる量が限られているのでとても貴重だ。
根っこの部分は円筒状でオレンジ色をしており、普段食べられている野菜とよく似ている。その上には丸っこい葉っぱが何枚もついているのだが、厄介なことにこれとよく似た草がマンドラゴラの生息する森には多く生えているのだ。そのため、一つずつ引っこ抜いて確かめていく必要がある。
そのうえマンドラゴラは引き抜かれると叫び声をあげ、逃げようとする。この叫び声を聞くと死に至ると言われているため、森に入るときはマンドラゴラ目的ではなくとも全員耳栓をするのがきまりとなっている。
マンドラゴラは葉っぱまで含めても膝下ほどの体長しかないにも関わらず非常にすばしっこく、一度取り逃がしてしまうとどこかの木のうろや茂みの中に隠れてしまい、探せなくなってしまうらしい。
つまり、討伐はなかなか見つからないマンドラゴラを探してから、捕まえることでようやく達成されるという面倒なモンスターである。
面倒ではあるが、マンドラゴラ自体が特別強いわけではない。にもかかわらずBランク以上とされているのは乱獲を防ぐためなのだとか。
「行ってらっしゃい、コルネくん。僕はここで待ってるから」
そう言ってギルドにある椅子に座って俺を見送る師匠。ギルドにいてもやることがないだろうから、てっきり街にでも行って時間を潰してくるのかと思っていたが、クエストを終えて戻ってきたときにすぐに合流できるようにという師匠の配慮か。
これは師匠を長く待たせるわけにはいかないな。どうにかさくっとマンドラゴラを二体ゲットして帰ろう。
冒険者ギルドで貸し出されているシャベルを借りて俺はマンドラゴラがいる森へと向かった。
師匠が再び大量の書類を書いてくれたので、最初の何日かは師匠がついてくれることになっている。もちろん討伐は一人だが、安心感があるためありがたい。もし数日やって無理そうだったら一緒に帰ろうということでもあるのだが、できることなら半年間一緒に準備してくれた師匠にそんな醜態は晒したくない。
ここ半年の鍛錬でかなり走るのは速くなっているはずなのだが、やはり師匠は平気な顔で並走している。飛ばしたおかげで、さほど時間がかからずにレクタムに到着する。みんなでルミーヴィアまで行ったときには半日かかったのが嘘みたいだ。
街の中心部から外れたところにある冒険者ギルドに入り、貼りだされた討伐クエストを見ていくとお目当てのクエストはやはりある。年中出ていると噂には聞いていたが、本当にあってホッとした。
「条件はBランク以上、マンドラゴラの収穫──間違いない」
ここで討伐したいのはマンドラゴラだ。マンドラゴラはモンスターに分類はされているが、見た目は植物に近く粉末状にして薬に使われることが多い。野菜のように栽培はできず、獲れる量が限られているのでとても貴重だ。
根っこの部分は円筒状でオレンジ色をしており、普段食べられている野菜とよく似ている。その上には丸っこい葉っぱが何枚もついているのだが、厄介なことにこれとよく似た草がマンドラゴラの生息する森には多く生えているのだ。そのため、一つずつ引っこ抜いて確かめていく必要がある。
そのうえマンドラゴラは引き抜かれると叫び声をあげ、逃げようとする。この叫び声を聞くと死に至ると言われているため、森に入るときはマンドラゴラ目的ではなくとも全員耳栓をするのがきまりとなっている。
マンドラゴラは葉っぱまで含めても膝下ほどの体長しかないにも関わらず非常にすばしっこく、一度取り逃がしてしまうとどこかの木のうろや茂みの中に隠れてしまい、探せなくなってしまうらしい。
つまり、討伐はなかなか見つからないマンドラゴラを探してから、捕まえることでようやく達成されるという面倒なモンスターである。
面倒ではあるが、マンドラゴラ自体が特別強いわけではない。にもかかわらずBランク以上とされているのは乱獲を防ぐためなのだとか。
「行ってらっしゃい、コルネくん。僕はここで待ってるから」
そう言ってギルドにある椅子に座って俺を見送る師匠。ギルドにいてもやることがないだろうから、てっきり街にでも行って時間を潰してくるのかと思っていたが、クエストを終えて戻ってきたときにすぐに合流できるようにという師匠の配慮か。
これは師匠を長く待たせるわけにはいかないな。どうにかさくっとマンドラゴラを二体ゲットして帰ろう。
冒険者ギルドで貸し出されているシャベルを借りて俺はマンドラゴラがいる森へと向かった。
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