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最終章
第282話 それから 其の二
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突然大きな声で叫んだ俺にぎょっとして師匠が俺の持っている書状を覗きこむ。ここだと分かるように書いてある部分を指差すと、隣の師匠が目を見開く。
「Sランク──Sランクって書いてある! コルネくんがSランクになるってこと!?」
「何かの間違いですよ、きっと。第一、俺はAランクに上がってまだ間もないですし……」
「いやいや書状を出すときに確認してるはずだから間違いなわけないって」
俺はAランクに上がってからまだ半年しか経っていないし、何ならBランクに上がったのだって二年前だ。明らかに経験も足りないし、何よりも強さが足りない。師匠と比べれば俺は剣技も魔力操作もまだまだだ。
「間違いではありませんよ、少し早いですがSランク昇格おめでとうございます──コルネ様」
「あ、ありがとうございます」
本当に本当なのかと師匠と喋っている俺を見かねたのか、使いとして来た穏やかそうな初老の男性が俺の昇格を祝ってくれる。「コルネ様」と呼ばれたのなんて初めてだ。
落ち着いて、書状を最後まで読んでいく。Sランク昇格以外に褒賞は莫大な金貨。そして贈呈式を行うので、王宮まで来るようにと書いてあった。式の日付は明後日とあったので驚いたが、国民を安心させるためにも早く行いたいという思惑もあるのだろう。
それにしても王宮か……ティオール森林でケルベロスを倒した後に連れていかれたが、それ以来だな。まさかモンスターを倒した褒賞の贈呈式で行くことになるとは。連行されたときには思いもしなかった。
「書状にある通り、王宮にて贈呈式があるのでお二方とも必ずご出席ください。また二日後に迎えの者が参りますので」
俺たちが書状を最後まで読んだのを確認すると、そう残して使いの人は帰っていった。
「──やったね! コルネくん、Sランク昇格おめでとう!」
ドアが閉まるのを確認してから、師匠が満面の笑みで抱きしめてくれる。
「聞いてましたよ、コルネくん。おめでとうございます、今夜はとびっきりのご馳走を用意しますからね」
廊下の陰からスッと出てきたヘルガさんの手にはすでに買い物かごが握られている。それを見た師匠はうずうずして足踏みを始める。
「僕もこうしてはいられない。Sランク昇格なんて一生に一度しかないし、これ以上ないくらい盛大に祝わなくちゃ」
それだけ言って二人とも街へ飛びだしていった。
そっか……Sランク──Sランクかぁ。嬉しいのは嬉しいが、レオンさん、サラさん、師匠──この三人に俺は並べている気は全くしない。
この国で四人目のSランク冒険者になっていいのか──正直嬉しい気持ちよりも不安が勝ってしまうが、それを考えるのは明日にして今日くらいは素直に喜ぼう。
「Sランク──Sランクって書いてある! コルネくんがSランクになるってこと!?」
「何かの間違いですよ、きっと。第一、俺はAランクに上がってまだ間もないですし……」
「いやいや書状を出すときに確認してるはずだから間違いなわけないって」
俺はAランクに上がってからまだ半年しか経っていないし、何ならBランクに上がったのだって二年前だ。明らかに経験も足りないし、何よりも強さが足りない。師匠と比べれば俺は剣技も魔力操作もまだまだだ。
「間違いではありませんよ、少し早いですがSランク昇格おめでとうございます──コルネ様」
「あ、ありがとうございます」
本当に本当なのかと師匠と喋っている俺を見かねたのか、使いとして来た穏やかそうな初老の男性が俺の昇格を祝ってくれる。「コルネ様」と呼ばれたのなんて初めてだ。
落ち着いて、書状を最後まで読んでいく。Sランク昇格以外に褒賞は莫大な金貨。そして贈呈式を行うので、王宮まで来るようにと書いてあった。式の日付は明後日とあったので驚いたが、国民を安心させるためにも早く行いたいという思惑もあるのだろう。
それにしても王宮か……ティオール森林でケルベロスを倒した後に連れていかれたが、それ以来だな。まさかモンスターを倒した褒賞の贈呈式で行くことになるとは。連行されたときには思いもしなかった。
「書状にある通り、王宮にて贈呈式があるのでお二方とも必ずご出席ください。また二日後に迎えの者が参りますので」
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「──やったね! コルネくん、Sランク昇格おめでとう!」
ドアが閉まるのを確認してから、師匠が満面の笑みで抱きしめてくれる。
「聞いてましたよ、コルネくん。おめでとうございます、今夜はとびっきりのご馳走を用意しますからね」
廊下の陰からスッと出てきたヘルガさんの手にはすでに買い物かごが握られている。それを見た師匠はうずうずして足踏みを始める。
「僕もこうしてはいられない。Sランク昇格なんて一生に一度しかないし、これ以上ないくらい盛大に祝わなくちゃ」
それだけ言って二人とも街へ飛びだしていった。
そっか……Sランク──Sランクかぁ。嬉しいのは嬉しいが、レオンさん、サラさん、師匠──この三人に俺は並べている気は全くしない。
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