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最終章
第303話 再会 其の三
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「もうこんな時間か」
お互いが経験したことを話していたら、気付けば窓から入る光は茜を通り越して灯の色になっていた。三年分の内容なのだから当然といえば当然か。
「じゃあまた──エミルはオランド家の騎士団だったらすぐに会えるかもしれないけど。ルディとアリカも村に行くことがあったら挨拶に行くよ」
「どこの騎士団か決まったら、また手紙書くよ。じゃ、宿屋あっちだから」
三年ぶりに会ったというのに、また会えるさと言わんばかりの軽い挨拶でエミルたちは歩きだす。ラムハの街は暗くなっても賑やかなままで、その喧騒に呑みこまれていく三人の後ろ姿はどこかスッキリしたように見えた。
* * *
「──というわけなんです」
軽く変装をしてコルネくんよりも先に冒険者ギルドに入った僕は、ギルドマスターに事情を話す。
「なるほど……Sランク冒険者のコルネ様でも不意打ちだと危ないかもしれないですね。今日する予定の仕事はほぼ終わってますし、お好きにどうぞ」
「ありがとうございます」
よかった。とりあえず隠れるのは受付のカウンターにするとして──あとはコルネくんが来るのを待つだけだ。隠れるのならもう変装は解いていいだろうか。もし襲われそうになったら素早くカウンターを乗り越えて──と思考を巡らせていると、ギルドマスターがぼそりと何やら呟く。
「さすがに少し過保護な気はしますが……カウンターに隠れるロンド様──想像しただけで面白いですね」
小声だったのでよく聞こえなかったが、訊き返しても何でもないと言うので大したことではないのだろう。
もそもそと変装を解き、早速受付のカウンターへと隠れる。これでコルネくんがいつ来ても大丈夫だ。
「はぁ……」
冒険者ギルドに張り込んでいた結果、コルネくんに手紙を出したのは正真正銘元パーティメンバーのエミルくんだということが分かり、特に危ないことは何も起こらなかった。それ自体は喜ばしいことなんだけど──
「コルネくんが帰る前に帰らなくちゃ……」
カウンターからはみ出さないように長時間隠れていたので体が固まってしまっている。途中途中で体を動かしてはいたのだが、それでも防ぎきれなかったようだ。
肩を回したり首の筋を伸ばしたりしながら、ギルドマスターに開けてもらった裏口からギルドを出たのだった。
お互いが経験したことを話していたら、気付けば窓から入る光は茜を通り越して灯の色になっていた。三年分の内容なのだから当然といえば当然か。
「じゃあまた──エミルはオランド家の騎士団だったらすぐに会えるかもしれないけど。ルディとアリカも村に行くことがあったら挨拶に行くよ」
「どこの騎士団か決まったら、また手紙書くよ。じゃ、宿屋あっちだから」
三年ぶりに会ったというのに、また会えるさと言わんばかりの軽い挨拶でエミルたちは歩きだす。ラムハの街は暗くなっても賑やかなままで、その喧騒に呑みこまれていく三人の後ろ姿はどこかスッキリしたように見えた。
* * *
「──というわけなんです」
軽く変装をしてコルネくんよりも先に冒険者ギルドに入った僕は、ギルドマスターに事情を話す。
「なるほど……Sランク冒険者のコルネ様でも不意打ちだと危ないかもしれないですね。今日する予定の仕事はほぼ終わってますし、お好きにどうぞ」
「ありがとうございます」
よかった。とりあえず隠れるのは受付のカウンターにするとして──あとはコルネくんが来るのを待つだけだ。隠れるのならもう変装は解いていいだろうか。もし襲われそうになったら素早くカウンターを乗り越えて──と思考を巡らせていると、ギルドマスターがぼそりと何やら呟く。
「さすがに少し過保護な気はしますが……カウンターに隠れるロンド様──想像しただけで面白いですね」
小声だったのでよく聞こえなかったが、訊き返しても何でもないと言うので大したことではないのだろう。
もそもそと変装を解き、早速受付のカウンターへと隠れる。これでコルネくんがいつ来ても大丈夫だ。
「はぁ……」
冒険者ギルドに張り込んでいた結果、コルネくんに手紙を出したのは正真正銘元パーティメンバーのエミルくんだということが分かり、特に危ないことは何も起こらなかった。それ自体は喜ばしいことなんだけど──
「コルネくんが帰る前に帰らなくちゃ……」
カウンターからはみ出さないように長時間隠れていたので体が固まってしまっている。途中途中で体を動かしてはいたのだが、それでも防ぎきれなかったようだ。
肩を回したり首の筋を伸ばしたりしながら、ギルドマスターに開けてもらった裏口からギルドを出たのだった。
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