記憶を無くしている俺が、この世界に蔓延る輩を一人残らず粛清するまで(第一章、魔王を粛清するまで完結)

ぎたー

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第一章、魔王を粛清するまで 

第3話・新たなる敵は赤色の

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 ゾンビ1号と仲間になりたがったものがいた、その名はゾンビ2号。by俺





 ここはレンガ作りで汚い不衛生な場所だ。その場所で俺ことゾンビ1号と相手さんゾンビ2号は一緒に彷徨っている。ずーっと同じような景色にうんざりだ。

 ここはどういう目的の場所なのだろうか。
 アニメやゲームのダンジョン的な場所にも見えるけど、人が一人もいない。ダンジョンなら冒険者がきてモンスターを駆逐してやるー!なんて展開が普通だろ?誰もいないダンジョンなんて意味がない、分からない事だらけだ。

 あれから2号は常についてくる。モンスターがいれば一緒に倒し、声を掛ければ声を出す(全く会話になっていないが)、それはもう仲間と言って差し支えないと言いたいのだが会話はできないんだよな。


 俺「2号聞いてくれよぉ、今日さぁ、スライムを殴り倒した時に手が汚れちゃったよ~」

 2号「え~、1号と同じでキモ~イ、近寄らないでほしぃ~☆」

 俺「そんなこと言うなよ~(号泣)」


 とかさ!そういう会話をしてみたいのよ!
 2号が女子っぽく話しをしているのは俺の妄想であり願望です。なぜに2号が女子という妄想をしているかというと、俺から見た2号は容姿や服から見ても男女の判別がつかず男ゾンビなのか女ゾンビなのか分からない。
 ならば、綺麗なお姉さんがゾンビになってしまったかもしれないと考えてしまうのが男というもんだろ、分かるだろ?



 どれぐらい時間が経っただろうか、現状を振り返ってみる。
 ゾンビ2号は本当に働きものだ。俺がモンスターに攻撃しようとすると、私も一緒に倒すの!と言わんばかりに必ず追撃しに来てくれる、優秀かつ可愛い。
 俺に関してはLv9まで上がっており、少しだけ強くなったのかもしれない。強くなったと実感できたのは、5割ぐらいでスライムやネズミを1撃で倒せるようになったからだ。ただ、1撃で倒してしまうと2号が俺に優しくパンチしてくる、キャッキャウフフをしたいのだろう、可愛い。
 とまあ、このようなゾンビコントを繰り広げつつ、楽しくLv上げをしております。
 
 ただこの楽しいLv上げを労働になぞらえると、俺と2号どちらも睡眠不要で食欲もないために24時間労働無休で働いております。労働者の中では神とも言える存在になりました、ありがとうございます。



 労働し続けた先に、明るい未来があると信じて歩んでいた俺と2号は反射的に立ち止まる。そこには見たことのない、いや正確には色違いのモンスターがいた。赤い色をしたネズミだ。
 通常のネズミは皆さんもご存じのとおり灰色で、遭遇したのは上位種よろしく赤色。色以外は灰色のねずみと同じ。

 うーん、どうしたもんか。
 赤色がどの程度の強さなのか分からないんだよな、俺と2号で戦うので必然的に2対1という有利な状況ではあるんだけど、2号にも意見を聞いてみるか。

 俺「あ”あ”あ”あぁぁ」(赤色ネズミ倒しにいってみる?)

 2号「あ”あ”ああ」

 ふむふむ。
 俺が2号のうめき声を推測するに、上目遣いをしながら可愛い声で「赤色ネズミが襲ってきても1号が守ってくれるんでしょ?☆」と言ってくれている気がする。俺も「もちろんさ!」と答えるためにキリッとした目で2号をよく見る。

 ・・・ただの腐ったゾンビだ。
 2号は俺にパンチしてくる、なぜに。



 よし、現実を見て悲しくなったところで赤色ネズミを倒すことに。
 俺から先陣を切る!と意気込んで赤色ネズミへ慎重に近づいていく、2号も後ろからついてくる。

 赤色ネズミは俺達を確認すると、目を光らせてこちらに向かって走ってくる。
 俺は走り出した赤色ネズミに動揺した、今までのモンスターとは違いこちらを確認しただけで動き出したからだ。俺は気持ちをすぐに切り替え、引きずっているほうの足でタイミングを合わせて蹴りをぶち込んでやる。
 幸いにも蹴りはHITし、赤色ネズミはズルっと後退した。2号は俺の脇をすり抜け、後退した赤色ネズミに追撃の蹴りを入れる、俺も間髪いれずに赤色ネズミを追撃したいのだが2号と違って足を引きずっているために間に合わない。それでも急ぐことでなんとか2号の前に出られたが、赤色ネズミは体勢を立て直して俺の引きずってないほうの左足を噛んできた。

 俺「あ”あ”あ”ぁ」(ギャー!)

 今まで一度も噛まれたことないのに!と錯乱するが痛みは全く感じない。
 ゾンビのためか痛覚がない模様、これなら戦闘も安心だね!と言いたいところだが、噛まれたためにバランスを崩して尻もちをついてしまう。
 赤色ネズミは足の肉を嚙みちぎると、俺の顔面に向かってジャンプしてくる。

 口を開け鋭い歯を見せる。
 や、やばい、喰われる!!!


 そこへ2号が颯爽と現れ、ジャンプしている赤色ネズミを横から蹴り飛ばした。赤色ネズミはものすごい勢いで壁に叩きつけられて動かなくなった。

 「キャー!2号カッコイイ!」と女性なら言っているだろう、イケメンすぎる。俺からの好感度はうなぎ上りよ。

 俺と2号は共にLvアップの黒い靄がまとわりついた。色々とグッジョブ!
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