海辺で拾った宇宙人

あさいゆめ

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 子作りは出来ないそうだ。
 遺伝子が違うのに、とちょっとバカにされた。
 オウは単細胞。
 何かの衝撃で核が壊されたら死んでしまうらしい。
 今日が休みで良かった。
 なんかいろいろ衝撃的すぎて。
 朝からニコニコして俺にまとわりついているオウを叱る気にもなれなくて。
 身体はだるいけど痛くはない。
 男同士の性行為は慣れないと痛いらしいが、そもそも挿入されたのはなんだったんだ?
 柔らかでツルツルしてぬるぬるのもんだった。
「オウ、昨日俺に何入れた?」
「これ?」
 指がつるんと、触手に変わった。
「あと、俺の口になんか出しただろ?」
「玉子。」
 やっぱり。
「害は無い。地球ではコラーゲン。俺、身体に部位は無い。トーマに入れたところが生殖器になる。」
 つまり子供は出来ないけど子作りした自覚はあるんだな。
「おまえ、俺が好きなん?」
「好き。」
「そんなん聞いてないんだけど?」
「今言った。」
「あのさ、昨日みたいのはもうしないでくれないかな?」
「気持ち良かったのに?」
「あーなんて言うか、地球人には刺激が強すぎるんだよ。」
「わかった。」
 ほんとかよ。
 だるいけど買い物に行く事にした。
 オウも一緒に。
「デートだね。」
「違う、散歩だ。」
 ペットは時々散歩に連れて行ってやらんとな。
 休日の町は人通りが多い。
「はぐれるなよ。」
 と、振り返ればもういなかった。
 参ったな。
 きた道を引き返す。
 人だかりができている。
 そこにいるんだろうな、きっと。
 身長低めにしとけばよかったな。180あるイケメンがうずくまってれば目立つわな。
 …カエル。
 なんだ?囲まれて怖いのか?
「オウ。」
「トーマっ!」
 半泣きだわ。
「捨てないでっ!」
 ちょっとやめて?
 まわりの反応がきついから。
「リードがいるな。」
「うん、ちゃんと繋いでおいて。」
 本気かよ。

 
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