海辺で拾った宇宙人

あさいゆめ

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   津田視点

 飲み会帰り、やっぱり送ってって良かった。
 先輩はタクシーの中でも寝てしまった。
 タクシーから降りても、半分寝てるようで俺の肩に腕を回しもたれかかり歩いていた。
 顔が近い。
 少し薄い唇が半開きでいやらしい。
 ちょっとした出来心だった。
 軽く触れてもこの状態ならばれないんじゃないかと。
 そっと唇を合わせてみると、
「ん…うんっ。」
 両手を首にまわし、足を絡めるようにして抱きつかれた。
 舌?先輩の舌が俺の口の中に入ってきた。
 エロい。
 口の中を探るように舐めまわす。
 腰をぴったりと寄せて股間を俺の腿に擦り付けている。
 エロすぎる!
 なんなんだ?誘ってるのか?
 そんな事されたら俺の股間だって熱くなってくるじゃないか。
 こちらからも舌を入れてみると。
「あれ?津田?」
 え?
「なんか…すまん。」
「いえ…その…ごちっす。」
 なんだ、彼氏と間違えたようだ。
 先輩はすっかり覚めてしまったようで、
「送ってくれたのか?悪かったな。
 タクシー帰さなきゃよかったな。
 どうする?泊まってくか?」
 まだ電車はある時間だけど、
「よければ。」
 彼氏を束縛する割にはガードが甘いんだよな。
 実は先輩はもてる。
 女子社員にも一部の男性社員(主に俺)にも。
 今日の飲み会だって俺が送らないとお持ち帰りされそうだった。けど、さすがに彼氏いますから、なんて本人の許可なく言えないっすからね。
 部屋のドアを開ければ待ちかまえていたようにいるし。
「ただいま。」
「今日、遅かった。」
「ああ、急に飲みに行くことになったから。」
 連絡してなかったのか。
「ツダとやった?」
 えっ?
「やってない。」
 うん、あれは事故だ。
「ならしかたがない。」
 え?納得?
 
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