罪人達のバルハラ

唯一 やまい

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どこにでもある話

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 「なぁ、マシロ考え直さないか俺とお前の仲だろ?いろいろとあるんだよ俺にもさ」
 
 「うるさい、うるさい、お前はもういらない!」

 「マーくんやめてよ、ねぇマーくんあたし達のセンセーだよ」


 潮風が肩を撫でるあと数歩下がれば崖下の海へと真っ逆さまだ、そして目の前には銃口をこちらに向ける元部下が見えるどちらにしろここが俺の死に場所らしい


「先生は先生はこんな人じゃなかったのに、無慈悲に冷酷に人に情をむけるやつじゃなかった……それなのにどうしてぇ!!」

 「マシロお前顔凄い歪んでるぞ、せっかくの美人がいや、お前男だったか」

 「センセーも何で挑発するの?センセー疲れてるだけだよねだから」

 心配そうに俺たちを見ながらもう一人の部下だったハルがマシロをなだめている

 「ハル悪いなマシロの言う通りなんだよ、俺はもう仕事はできない……ナイフでさえ握ると手が震えるんだ」

 「わかった?先生はもう駄目なんだ、だからせめてこれ以上惨めになる前に部下で教え子である僕が」

 「なるほど、でも話が違ったな」

  マシロの言葉を遮り気付かれないように少しずつ後ろに下がる

 「話って?」

 「あぁ、ハル達は知らないかバルハラの話


 「バルハラねぇ英雄たちが招かれる楽園か……先生?僕達には縁遠いものでしょうそれは」

 「俺もそう思うよ……だけどなっ」

  地面を蹴って後ろに飛ぶ、怖くはないなぜなら俺は招かれてるらしいからだ

 「っ!!ここまで堕落してたなんて失望したよ先生」

 「ぐっ」

 落下する俺に向かい銃弾を撃ち込まれる、何発か体に当たるがまぁいい

  (バルハラにいくなら傷があるほうがまだ英雄らしいだろし……なんて俺もやっと)

 「いやぁー!!」 

 ハルの叫び声を聞きながら俺は気を失った、我ながら馬鹿な妄想だと思いながら



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