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モーニングオレンジサン
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起きると、時計はかろうじてまだ午前中を示している。髪は驚くほどにぼさぼさになっている。
カーテンのほんのわずかな隙間から陽の光が差し込んで、その角度からすでに太陽が高い位置まで登っていることに気づく。
何の邪魔もなくぐっすりと安眠することのできた身体は、ここぞとばかりに深く寝入っていつもよりもかなり遅めの起床である。
頭の芯が冴え渡っている感覚はほんとうに久しぶりのことだ。
昨日はあの忌々しい悪魔や、魔族はとんと姿を見せなかった。やはり勇者の力はすごい。
あと数分で午後が始まってしまう。
朝ごはんは諦めることにして、ブランチを取ることに決めれば、驚くほどあっさりとベッドから離れることが出来た。
近頃は起きてからもだらだらとベッドの上で過ごしてしまう時間が長かったのだが、驚きだ。
身体中に染み渡るようなすがすがしさに、今日ならばどんな面倒ごとでもたちまち解決出来そうな万能感がある。
マックスの家があるだろう方角に感謝の念を送る。
これで私の睡眠は保証された。
それと同時にこの家に魔のものが近づけなくなったということは私の家族の安全も保証されたということだ。
マックスには感謝しても感謝し切れない。
となれば次はマックスとの約束の子犬との交流会を設定するべきだろう。
まだお腹の大きい母犬は新しい人間を警戒するだろうからそれとなくマックスのことを認識していく方がいいだろう。
それとも子犬が生まれてから引き合わせたほうがいいか……?
子犬を引き合わせるつもりではいたが、段取りを全く決めていなかった。
私はあまり犬の生態に詳しくない。
それに生まれてくる子犬の父母犬は私の飼っている犬という訳でもない。飼い主にどうするべきか聞くのがいいかもしれない。
歩いて20分ほどの家から通いで庭師をしてくれているジョージのところへ足を伸ばす。今日は青空がどこからでも見えるほど天気が良いため、庭で仕事に精を出してくれているはずだ。
庭はいつ見ても手入れが行き届いており、ジョージの腕の良さは折り紙つきだ。
今の庭も瑞々しい緑が美しいひとときを凝縮させ、光かがやくような眩しいものとなっている。
ついこの間まで青く小さい花が咲き誇っていた場所には、違う種類の濃いピンク色の花が咲いている。
花は雨の日多さや、気温によってすぐ見頃を終えてしまう。
カーテンのほんのわずかな隙間から陽の光が差し込んで、その角度からすでに太陽が高い位置まで登っていることに気づく。
何の邪魔もなくぐっすりと安眠することのできた身体は、ここぞとばかりに深く寝入っていつもよりもかなり遅めの起床である。
頭の芯が冴え渡っている感覚はほんとうに久しぶりのことだ。
昨日はあの忌々しい悪魔や、魔族はとんと姿を見せなかった。やはり勇者の力はすごい。
あと数分で午後が始まってしまう。
朝ごはんは諦めることにして、ブランチを取ることに決めれば、驚くほどあっさりとベッドから離れることが出来た。
近頃は起きてからもだらだらとベッドの上で過ごしてしまう時間が長かったのだが、驚きだ。
身体中に染み渡るようなすがすがしさに、今日ならばどんな面倒ごとでもたちまち解決出来そうな万能感がある。
マックスの家があるだろう方角に感謝の念を送る。
これで私の睡眠は保証された。
それと同時にこの家に魔のものが近づけなくなったということは私の家族の安全も保証されたということだ。
マックスには感謝しても感謝し切れない。
となれば次はマックスとの約束の子犬との交流会を設定するべきだろう。
まだお腹の大きい母犬は新しい人間を警戒するだろうからそれとなくマックスのことを認識していく方がいいだろう。
それとも子犬が生まれてから引き合わせたほうがいいか……?
子犬を引き合わせるつもりではいたが、段取りを全く決めていなかった。
私はあまり犬の生態に詳しくない。
それに生まれてくる子犬の父母犬は私の飼っている犬という訳でもない。飼い主にどうするべきか聞くのがいいかもしれない。
歩いて20分ほどの家から通いで庭師をしてくれているジョージのところへ足を伸ばす。今日は青空がどこからでも見えるほど天気が良いため、庭で仕事に精を出してくれているはずだ。
庭はいつ見ても手入れが行き届いており、ジョージの腕の良さは折り紙つきだ。
今の庭も瑞々しい緑が美しいひとときを凝縮させ、光かがやくような眩しいものとなっている。
ついこの間まで青く小さい花が咲き誇っていた場所には、違う種類の濃いピンク色の花が咲いている。
花は雨の日多さや、気温によってすぐ見頃を終えてしまう。
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