28 / 258
第2章 旅路
第26話 買物
しおりを挟む
「やっぱこっちの方が気楽でいいぜ」
ノードが飲みかけのビールを持ったまま、笑顔で言う。
昨晩のレストランとは打って変わり、賑やかな酒場に来た三人だった。元々慣れているアティアスはともかく、ノードはあまり堅苦しい場を好まなかった。とはいえ、必要ならば対応できる柔軟性も持ってはいるのだが。
「俺だってどっちか選べと言われたら、こっちを選ぶさ」
ゆっくり休んで、ようやく体調が戻ったアティアスも同意する。
昨晩はエミリスの練習のためという目的があったが、そうでなければ楽しく飲める方が良かった。
エミリスはビールを飲む二人を見ながら、オレンジジュースを飲んでいた。
「ノードさん、今日はどちらに行かれてたのですか?」
エミリスが聞くとノードは気さくに答えた。
「ああ、昔の友達がこの町で店を出したって聞いたんでね、挨拶さ」
アティアスとノードの人で旅をしている時は、ほとんど別行動をしなかったが、今はエミリスが代わりに付いているので安心して任せられる。
「お店持つなんてすごいですね。どんな店なんですか?」
「ん? 服屋だよ。……そうだな、女性物も扱ってるから、明日アティアスになんか買って貰えよ」
「なんでそこで俺なんだよ……」
アティアスが呟く。
「俺は自分の分は買ったからな。エミーもアティアスにプレゼントしてもらう方が嬉しいだろ?」
ノードが揶揄うと、彼女は物欲しそうな顔でアティアスを見つめる。
「じー……」
「……わかったよ。明日の朝にでも店へ行ってみようか」
エミリスの顔がぱーっと笑顔になる。まるで尻尾を振っている仔犬のようだ。
「アティアス様、ありがとうございますっ」
実際、彼女はあまり服を持っておらず、普段は地味で動きやすい服を好んで着ていた。ただ、それは自制しているからだということをアティアスはわかっていた。
昨日のレストランの時のように、ドレスを着せても似合う彼女だ。きっとその笑顔に似合う服があるだろう。
◆
翌日――
「うわー、大きい店ですね!」
ノードの友人が経営しているという店を見て、エミリスは素直に驚く。服屋としてはかなり大きい部類だろう。
普段着からフォーマルなもの、ドレスまで揃っていた。もちろん下着なども扱っている。
「これだけあったら選ぶのが大変だな……」
アティアスがため息をつく。
「大丈夫です! アティアス様が買ってくれるなら何でも嬉しいです」
無邪気に笑う。
今まで苦労してきたとは思えない彼女の純粋さに心を打たれる。
アティアスが家を出るまでの間、周りにいたのは大人子供問わず、打算的な人間ばかりだった。一緒に居て腐りなくない。それも旅に出た理由のひとつだった。
そんななかで、ずっと変わらず接してくれたノードには感謝していた。
「じゃ、選ぼうか」
「はい!」
まずはぐるっと一通りどんなものがあるか確認する。エミリスに似合いそうな服はこの辺りかなと目星をつけてから、ふと彼女をからかってみたくなった。
近くにあった、やたら布地の面積が少ない服を手に取って彼女に見せる。
「エミー、こんなのどうだ?」
「ええっ! それは……その……。……アティアス様が私に着て欲しいと仰るなら……構いませんが……」
殆ど下着も同然の服を目にして、エミリスは真っ赤になってもじもじしていた。予想通りの返答につい笑ってしまう。
「冗談だよ」
アティアスは服を戻してから、恥ずかしがる彼女の頭を撫でた。
「いじわるです……」
拗ねたように言うが、口元は緩んでいた。
◆
「ま、こんなところかな?」
目ぼしい服を何着か見繕い、試着をして似合うか確認する。
フリルの付いた淡いグリーンのシャツに、ブルーのジャンパースカートを合わせてみた。
ついでに頭にはピンクのリボンが付いたカチューシャを付ける。
「これなら普段着としても使えますね」
彼女は鏡で自分の姿を見ながらくるくる回っている。また、初めて会った頃は髪が肩に付かないくらいだったが、今はその頃より少し伸びていて柔らかく広がっていた。
「そうだな。……よく似合ってる。可愛いぞ」
「ありがとうございますっ」
会計を済ませて宿に戻る。
買ってもらった服を胸に抱いて「大切にしますね」と終始ご機嫌だった。
アティアスもそんな彼女を見ていると買ってよかったと思えた。
◆
「出発は明日にしよう」
宿の食堂で昼食を摂りながら、アティアスは2人に言った。
午後から出発することも考えていたが、どうも夕方から一雨来そうな雰囲気があったため、雨が止んでから出発することにした。
「はい。わかりました」
「了解。んじゃ、後で馬の預かりを延長してくるわ」
ノードはそう言って食事を終えると、雨が降り出す前に手続きのため出て行った。
残る2人はいったんアティアスの部屋に戻る。
エミリスはせっかくなのでと、午前中に買ってもらった服を身に付けていた。旅の途中でも着られない……ことはないが、何かあると困るからだ。
部屋の姿見でも、自分の着た服を見て嬉しそうにしていた。
そんな彼女に声をかける。
「エミー、ちょっと」
「はい、アティアス様」
アティアスは椅子に座ったまま呼ぶ。彼女は彼の正面にとことこ歩いてくると、立ったまま少し膝を折り身体を屈めて目線を合わせる。
「なんでしょうか?」
首を傾げる彼女にすっと手を伸ばし、頭を撫でる。
一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに目を細め、もっと撫でてとばかりに頭を寄せてくる。
ひとしきり彼女の髪のきめ細やかさを堪能し、アティアスが立ち上がると、彼女も目線を上げる。
「俺が最初会ったときに言った言葉を覚えてるか?」
「えっと……」
色々ありすぎてどれのことかと思案した。答えられないまま時間が過ぎる。
アティアスはふっと笑い口を開く。
「君は俺の従者じゃない、って言ったと思う。そうだろう?」
「はい……よく覚えています」
「……だから、もう『様』なんて要らないから、これからはアティアスと呼んでくれればいい」
そう言われたエミリスだったが、少し複雑な表情を見せて答える。
「ありがとうございます……。でも……私にとってアティアス様はアティアス様ですから……そう呼ばせてください。……外では必要に応じて使い分けますから」
「そうか……」
そんな彼女をそっと抱きしめると、彼女もアティアスの背中に手を回し胸に顔を埋める。
「ん……」
彼女の温もりと鼓動の早さが伝わってくる。
「エミー」
「……はい。アティアス様」
名前を呼ばれ、上目遣いで彼を見上げると、アティアスはそんな彼女の額に軽く口づけした。
エミリスの顔は既に赤く染まっている。
「ひとつ、言っておきたいことがある」
「……はい、お聞きします」
急に真剣な顔で彼に話しかけられ、彼女も少し緊張感を見せる。
「ゼバーシュに着いたらどうしようかってまだ悩んでたけど、……決めた。エミーには俺の家で一緒にいて欲しい。構わないか?」
「はいっ! こんな私でよろしければ、よろこんでっ!」
笑顔が弾ける。
そして彼女はアティアスの背中に手を回し、もう一度思い切り彼を抱きしめた。
ノードが飲みかけのビールを持ったまま、笑顔で言う。
昨晩のレストランとは打って変わり、賑やかな酒場に来た三人だった。元々慣れているアティアスはともかく、ノードはあまり堅苦しい場を好まなかった。とはいえ、必要ならば対応できる柔軟性も持ってはいるのだが。
「俺だってどっちか選べと言われたら、こっちを選ぶさ」
ゆっくり休んで、ようやく体調が戻ったアティアスも同意する。
昨晩はエミリスの練習のためという目的があったが、そうでなければ楽しく飲める方が良かった。
エミリスはビールを飲む二人を見ながら、オレンジジュースを飲んでいた。
「ノードさん、今日はどちらに行かれてたのですか?」
エミリスが聞くとノードは気さくに答えた。
「ああ、昔の友達がこの町で店を出したって聞いたんでね、挨拶さ」
アティアスとノードの人で旅をしている時は、ほとんど別行動をしなかったが、今はエミリスが代わりに付いているので安心して任せられる。
「お店持つなんてすごいですね。どんな店なんですか?」
「ん? 服屋だよ。……そうだな、女性物も扱ってるから、明日アティアスになんか買って貰えよ」
「なんでそこで俺なんだよ……」
アティアスが呟く。
「俺は自分の分は買ったからな。エミーもアティアスにプレゼントしてもらう方が嬉しいだろ?」
ノードが揶揄うと、彼女は物欲しそうな顔でアティアスを見つめる。
「じー……」
「……わかったよ。明日の朝にでも店へ行ってみようか」
エミリスの顔がぱーっと笑顔になる。まるで尻尾を振っている仔犬のようだ。
「アティアス様、ありがとうございますっ」
実際、彼女はあまり服を持っておらず、普段は地味で動きやすい服を好んで着ていた。ただ、それは自制しているからだということをアティアスはわかっていた。
昨日のレストランの時のように、ドレスを着せても似合う彼女だ。きっとその笑顔に似合う服があるだろう。
◆
翌日――
「うわー、大きい店ですね!」
ノードの友人が経営しているという店を見て、エミリスは素直に驚く。服屋としてはかなり大きい部類だろう。
普段着からフォーマルなもの、ドレスまで揃っていた。もちろん下着なども扱っている。
「これだけあったら選ぶのが大変だな……」
アティアスがため息をつく。
「大丈夫です! アティアス様が買ってくれるなら何でも嬉しいです」
無邪気に笑う。
今まで苦労してきたとは思えない彼女の純粋さに心を打たれる。
アティアスが家を出るまでの間、周りにいたのは大人子供問わず、打算的な人間ばかりだった。一緒に居て腐りなくない。それも旅に出た理由のひとつだった。
そんななかで、ずっと変わらず接してくれたノードには感謝していた。
「じゃ、選ぼうか」
「はい!」
まずはぐるっと一通りどんなものがあるか確認する。エミリスに似合いそうな服はこの辺りかなと目星をつけてから、ふと彼女をからかってみたくなった。
近くにあった、やたら布地の面積が少ない服を手に取って彼女に見せる。
「エミー、こんなのどうだ?」
「ええっ! それは……その……。……アティアス様が私に着て欲しいと仰るなら……構いませんが……」
殆ど下着も同然の服を目にして、エミリスは真っ赤になってもじもじしていた。予想通りの返答につい笑ってしまう。
「冗談だよ」
アティアスは服を戻してから、恥ずかしがる彼女の頭を撫でた。
「いじわるです……」
拗ねたように言うが、口元は緩んでいた。
◆
「ま、こんなところかな?」
目ぼしい服を何着か見繕い、試着をして似合うか確認する。
フリルの付いた淡いグリーンのシャツに、ブルーのジャンパースカートを合わせてみた。
ついでに頭にはピンクのリボンが付いたカチューシャを付ける。
「これなら普段着としても使えますね」
彼女は鏡で自分の姿を見ながらくるくる回っている。また、初めて会った頃は髪が肩に付かないくらいだったが、今はその頃より少し伸びていて柔らかく広がっていた。
「そうだな。……よく似合ってる。可愛いぞ」
「ありがとうございますっ」
会計を済ませて宿に戻る。
買ってもらった服を胸に抱いて「大切にしますね」と終始ご機嫌だった。
アティアスもそんな彼女を見ていると買ってよかったと思えた。
◆
「出発は明日にしよう」
宿の食堂で昼食を摂りながら、アティアスは2人に言った。
午後から出発することも考えていたが、どうも夕方から一雨来そうな雰囲気があったため、雨が止んでから出発することにした。
「はい。わかりました」
「了解。んじゃ、後で馬の預かりを延長してくるわ」
ノードはそう言って食事を終えると、雨が降り出す前に手続きのため出て行った。
残る2人はいったんアティアスの部屋に戻る。
エミリスはせっかくなのでと、午前中に買ってもらった服を身に付けていた。旅の途中でも着られない……ことはないが、何かあると困るからだ。
部屋の姿見でも、自分の着た服を見て嬉しそうにしていた。
そんな彼女に声をかける。
「エミー、ちょっと」
「はい、アティアス様」
アティアスは椅子に座ったまま呼ぶ。彼女は彼の正面にとことこ歩いてくると、立ったまま少し膝を折り身体を屈めて目線を合わせる。
「なんでしょうか?」
首を傾げる彼女にすっと手を伸ばし、頭を撫でる。
一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに目を細め、もっと撫でてとばかりに頭を寄せてくる。
ひとしきり彼女の髪のきめ細やかさを堪能し、アティアスが立ち上がると、彼女も目線を上げる。
「俺が最初会ったときに言った言葉を覚えてるか?」
「えっと……」
色々ありすぎてどれのことかと思案した。答えられないまま時間が過ぎる。
アティアスはふっと笑い口を開く。
「君は俺の従者じゃない、って言ったと思う。そうだろう?」
「はい……よく覚えています」
「……だから、もう『様』なんて要らないから、これからはアティアスと呼んでくれればいい」
そう言われたエミリスだったが、少し複雑な表情を見せて答える。
「ありがとうございます……。でも……私にとってアティアス様はアティアス様ですから……そう呼ばせてください。……外では必要に応じて使い分けますから」
「そうか……」
そんな彼女をそっと抱きしめると、彼女もアティアスの背中に手を回し胸に顔を埋める。
「ん……」
彼女の温もりと鼓動の早さが伝わってくる。
「エミー」
「……はい。アティアス様」
名前を呼ばれ、上目遣いで彼を見上げると、アティアスはそんな彼女の額に軽く口づけした。
エミリスの顔は既に赤く染まっている。
「ひとつ、言っておきたいことがある」
「……はい、お聞きします」
急に真剣な顔で彼に話しかけられ、彼女も少し緊張感を見せる。
「ゼバーシュに着いたらどうしようかってまだ悩んでたけど、……決めた。エミーには俺の家で一緒にいて欲しい。構わないか?」
「はいっ! こんな私でよろしければ、よろこんでっ!」
笑顔が弾ける。
そして彼女はアティアスの背中に手を回し、もう一度思い切り彼を抱きしめた。
20
あなたにおすすめの小説
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さくら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
キャンピングカーで走ってるだけで異世界が平和になるそうです~万物生成系チートスキルを添えて~
サメのおでこ
ファンタジー
手違いだったのだ。もしくは事故。
ヒトと魔族が今日もドンパチやっている世界。行方不明の勇者を捜す使命を帯びて……訂正、押しつけられて召喚された俺は、スキル≪物質変換≫の使い手だ。
木を鉄に、紙を鋼に、雪をオムライスに――あらゆる物質を望むがままに変換してのけるこのスキルは、しかし何故か召喚師から「役立たずのド三流」と罵られる。その挙げ句、人界の果てへと魔法で追放される有り様。
そんな俺は、≪物質変換≫でもって生き延びるための武器を生み出そうとして――キャンピングカーを創ってしまう。
もう一度言う。
手違いだったのだ。もしくは事故。
出来てしまったキャンピングカーで、渋々出発する俺。だが、実はこの平和なクルマには俺自身も知らない途方もない力が隠されていた!
そんな俺とキャンピングカーに、ある願いを託す人々が現れて――
※本作は他サイトでも掲載しています
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる