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第9章 ドワーフの村
第127話 傷痕
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「どうします?」
「うーん、悩むなぁ」
一旦、ドワーフの居る工房から宿に帰って、2人で今後のことを相談する。
ドワーフの村があるのは、この王都から東に2日ほど歩いたところから広がる、大きな森の中らしい。
「森まで行くのは、飛んで行けば早いと思うんですけど」
「問題は森の中だよな」
「魔法が使えないって、本当なんですかね? そのへんの魔法陣くらいなら、私無視できますけど……」
エミリスの言う通り、普通の魔導士が魔法を使えないからといって、彼女を封じることができるのだろうか。
今まで、そんな強力な魔法陣は見たことがなかった。
「とりあえず、一度森に入ってみて、どんな感じか様子を見るか? 魔法が使えるならそのまま行く。危険そうなら一度帰ってギルドで何人か剣士を雇うとか」
「そうですね。薄暗いうちに低く飛べば見つかることもないでしょうし」
「なら、明日早朝に行ってみるか」
「わかりました」
彼女は頷く。
「ギルドの依頼が高額なのも、そのあたりが理由なのかな?」
「でしょうかね? でもそれにしても高すぎません? 剣士集めて行けるくらいなら、そこまでしなくても……」
「確かにな。気にはなるけど……」
首を傾げる彼女に、アティアスも同意する。
しかし、行って自分の目で確認しないことには、考えてもその理由がわかるはずもない。
まずはそれを確認することが先決だと、明日向かうことにした。
◆
「あの森かな?」
まばらに木が立っている草原の地面スレスレを飛びながら、アティアスは彼女に確認する。
遠くに、鬱蒼と繁る森が見えてきていた。木の高さは驚くほど高い。
「でしょうかね?」
徐々に速度を緩めながら、彼女が答える。
薄暗いうちに出発して1時間ほど。周りはだいぶ明るくなってきていた。
王都から森に向かう方向にしっかりとした街道はなく、獣道同然の道しかなかった。当然、誰も歩いていたりはしない。
歩くほどの速さに落としながら森が目前に迫ったときだった。
彼女が呟く。
「あ、急に違和感が出てきました。……一回降りていいですか?」
「ああ、構わないぞ」
2人は草原から森に続くように見える、細い獣道の上にゆっくりと降り立つ。
「アティアス様、魔法使えます?」
「どうだろう? ……灯りよ!」
彼女に聞かれて、アティアスは簡単な灯りを灯す魔法を使う。
しかし、何も起こらない。
「あぁ、ダメみたいだな。……ただ、魔法陣と違って、構成が編めないというよりは、魔法の発動ができないような感じだ」
「そうなんですね。じゃ、私も。……炎よ」
彼女が呟くが、こちらも魔法は発動しなかった。
「うーん、これは嫌な感じです。なんなんでしょうねぇ……」
エミリスは腕を組んで考え込む。
この森で魔法が使えないというのは、聞いていた通りのようだ。
ふいに、何かを思いついたように彼女が言う。
「あ、でも魔力自体は大丈夫みたいなので、飛んだりはできそうですよ?」
そう言って、もう一度彼女はふわりと地面から浮かんで見せた。
確かにこの場所で魔法が使えないのにもかかわらず、ここまで飛んでこれたのだ。
「となると、最悪飛んで逃げることはできるか」
「ですね。あと、威力は大したことないですけど、魔力そのものでの攻撃はできそうです」
それは時折彼女が使う、魔力の弾を打ち出したりする攻撃のことだ。
大したことないといっても、今の彼女の魔力ならば、それだけで並の魔導士の魔法の威力くらいあるだろう。
「なるほど。それならなんとかなるかもしれないな。様子見ながら進んでみるか?」
「ええ。ただ、森に入っていって、制限が厳しくなるようでしたら一度出ましょう」
「そうしよう」
彼女の提案に頷いて、2人は森に向かって歩き始める。
幸い、森の木が大木ばかりで日光があまり地面に届かないせいか、下草はあまり生えておらず、獣道といえどもかなり歩きやすい。
「魔力が使えるってことは、周囲の監視も可能なのか?」
「ええ、可能です。……あと、魔法を弾くことはできませんけど、ある程度の防御壁も維持できてます」
「それなら安心だな。何か近づいてきたら教えてくれ」
「承知しました」
彼女は真剣な顔で頷く。
この調子ならドワーフの村まですんなり辿り着けそうだ。
――それは甘い考えだったと、2人は後ほど知る。
◆
「……なんか同じ場所回ってないか?」
「え? そうですかね?」
もう森に入って3時間も歩いているが、同じような森が続いていて、進んでいるのか、道が合っているのかもわからない。
ドワーフの森に着くまで、歩いて1時間程度と聞いていたのにも関わらず、だ。
「迷ったか?」
「みたいですね……」
一応、地図のようなものを書いてはもらっていたが、どこかで間違えたのか。それとも最初から間違えていたのかもしれない。
「とりあえず森の上から見てみます?」
彼女が上を見上げて呟く。
隙間から上空に出れば、今どのあたりにいるのか把握できるだろうとの考えた。
「そうだな。このまま歩いても辿り着く気がしない」
彼の言葉に頷いて、エミリスは彼を抱えて軽く飛び上がる。
……はずだった。
「……あ、あれ?」
確かに浮かんではいるのだが、頭の位置くらいまで浮かんだところでそれ以上、飛び上がれない。
見えない天井が上にある、そんな感じがした。
しばらく頑張ってみるが、無理だということがわかって、仕方なく地面に降り立つ。
「うぅ……なんででしょう……。こんなの初めてです」
「困ったな。……こんなことなら目印でも付けてきたら良かったな」
しかし、後悔してももう遅かった。
「とりあえず1日分くらいは食料もあるし、それまでに村を見つけるか、森から出るか、なんとかするしかないな」
「そうですね……。これ、もし出られなかったらどうなるんでしょうか……?」
「……獣の餌になるんじゃないか?」
「えぇ……。それは勘弁です……」
「俺だって嫌だ。そうならないようになんとかしないと」
◆
「……で、結局そのまま夜か」
「がっかりすぎます……」
あれからずっと歩き続けたが、結局森の中を歩いただけで、日が暮れて周囲は真っ暗になってしまった。
月の光も入らない森の中は本当に真っ暗で、何も見えない。
常人よりも圧倒的に夜目が効くエミリスでも、ここまで全く光のない状態では何も見えないらしい。
「せめてマッチでも持って来てたらよかったな」
「……もう遅いです」
いつもは魔法で簡単に火が付けられることもあって、すっかり失念していた。
火を起こすことができれば、灯りにもなったのにと後悔しても遅い。
2人は離れないように寄り添って木にもたれかかる。
ふと、彼女が震えているのがわかる。
「エミー、大丈夫か?」
「え、ええ……。大丈夫です……けど。暗いのはどうも苦手で……」
「そうなのか。……ほら」
震える彼女を、後ろから包み込むように抱きしめる。
それにしてもこれまで見たことがないようなほど、ガタガタと震えていた。
「本当に大丈夫なのか? 寒いわけじゃないよな?」
「はい……。あの、アティアス様には言ってませんでしたが……私、真っ暗なのは怖いんです……」
独り言のように彼女が話し始めた。
「ずっと前のことですけど……真っ暗な地下室に閉じ込められたことがあるんです。……お仕事で失敗したお仕置きで。……何も見えないし、もう2度と出られないような気がして。……本当に怖くてずっと泣いてました。……たぶん1日くらいだと思うんですけど、それがものすごく長く感じて。……それから本当に真っ暗なのは怖くて。少しでも明かりがあれば大丈夫なんですけど」
アティアスは黙って聞いていたが、彼女の頭を抱き寄せて、そっと髪を梳いた。
「ん……」
彼女は一瞬ピクッとしたが、そのまま身体を彼に預ける。
「ほら、落ち着くまで撫でてやるから……」
「ありがとう……ございます」
エミリスは彼に礼を言い、目を閉じて伝わる手の感触に身を委ねた。
「うーん、悩むなぁ」
一旦、ドワーフの居る工房から宿に帰って、2人で今後のことを相談する。
ドワーフの村があるのは、この王都から東に2日ほど歩いたところから広がる、大きな森の中らしい。
「森まで行くのは、飛んで行けば早いと思うんですけど」
「問題は森の中だよな」
「魔法が使えないって、本当なんですかね? そのへんの魔法陣くらいなら、私無視できますけど……」
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彼女は頷く。
「ギルドの依頼が高額なのも、そのあたりが理由なのかな?」
「でしょうかね? でもそれにしても高すぎません? 剣士集めて行けるくらいなら、そこまでしなくても……」
「確かにな。気にはなるけど……」
首を傾げる彼女に、アティアスも同意する。
しかし、行って自分の目で確認しないことには、考えてもその理由がわかるはずもない。
まずはそれを確認することが先決だと、明日向かうことにした。
◆
「あの森かな?」
まばらに木が立っている草原の地面スレスレを飛びながら、アティアスは彼女に確認する。
遠くに、鬱蒼と繁る森が見えてきていた。木の高さは驚くほど高い。
「でしょうかね?」
徐々に速度を緩めながら、彼女が答える。
薄暗いうちに出発して1時間ほど。周りはだいぶ明るくなってきていた。
王都から森に向かう方向にしっかりとした街道はなく、獣道同然の道しかなかった。当然、誰も歩いていたりはしない。
歩くほどの速さに落としながら森が目前に迫ったときだった。
彼女が呟く。
「あ、急に違和感が出てきました。……一回降りていいですか?」
「ああ、構わないぞ」
2人は草原から森に続くように見える、細い獣道の上にゆっくりと降り立つ。
「アティアス様、魔法使えます?」
「どうだろう? ……灯りよ!」
彼女に聞かれて、アティアスは簡単な灯りを灯す魔法を使う。
しかし、何も起こらない。
「あぁ、ダメみたいだな。……ただ、魔法陣と違って、構成が編めないというよりは、魔法の発動ができないような感じだ」
「そうなんですね。じゃ、私も。……炎よ」
彼女が呟くが、こちらも魔法は発動しなかった。
「うーん、これは嫌な感じです。なんなんでしょうねぇ……」
エミリスは腕を組んで考え込む。
この森で魔法が使えないというのは、聞いていた通りのようだ。
ふいに、何かを思いついたように彼女が言う。
「あ、でも魔力自体は大丈夫みたいなので、飛んだりはできそうですよ?」
そう言って、もう一度彼女はふわりと地面から浮かんで見せた。
確かにこの場所で魔法が使えないのにもかかわらず、ここまで飛んでこれたのだ。
「となると、最悪飛んで逃げることはできるか」
「ですね。あと、威力は大したことないですけど、魔力そのものでの攻撃はできそうです」
それは時折彼女が使う、魔力の弾を打ち出したりする攻撃のことだ。
大したことないといっても、今の彼女の魔力ならば、それだけで並の魔導士の魔法の威力くらいあるだろう。
「なるほど。それならなんとかなるかもしれないな。様子見ながら進んでみるか?」
「ええ。ただ、森に入っていって、制限が厳しくなるようでしたら一度出ましょう」
「そうしよう」
彼女の提案に頷いて、2人は森に向かって歩き始める。
幸い、森の木が大木ばかりで日光があまり地面に届かないせいか、下草はあまり生えておらず、獣道といえどもかなり歩きやすい。
「魔力が使えるってことは、周囲の監視も可能なのか?」
「ええ、可能です。……あと、魔法を弾くことはできませんけど、ある程度の防御壁も維持できてます」
「それなら安心だな。何か近づいてきたら教えてくれ」
「承知しました」
彼女は真剣な顔で頷く。
この調子ならドワーフの村まですんなり辿り着けそうだ。
――それは甘い考えだったと、2人は後ほど知る。
◆
「……なんか同じ場所回ってないか?」
「え? そうですかね?」
もう森に入って3時間も歩いているが、同じような森が続いていて、進んでいるのか、道が合っているのかもわからない。
ドワーフの森に着くまで、歩いて1時間程度と聞いていたのにも関わらず、だ。
「迷ったか?」
「みたいですね……」
一応、地図のようなものを書いてはもらっていたが、どこかで間違えたのか。それとも最初から間違えていたのかもしれない。
「とりあえず森の上から見てみます?」
彼女が上を見上げて呟く。
隙間から上空に出れば、今どのあたりにいるのか把握できるだろうとの考えた。
「そうだな。このまま歩いても辿り着く気がしない」
彼の言葉に頷いて、エミリスは彼を抱えて軽く飛び上がる。
……はずだった。
「……あ、あれ?」
確かに浮かんではいるのだが、頭の位置くらいまで浮かんだところでそれ以上、飛び上がれない。
見えない天井が上にある、そんな感じがした。
しばらく頑張ってみるが、無理だということがわかって、仕方なく地面に降り立つ。
「うぅ……なんででしょう……。こんなの初めてです」
「困ったな。……こんなことなら目印でも付けてきたら良かったな」
しかし、後悔してももう遅かった。
「とりあえず1日分くらいは食料もあるし、それまでに村を見つけるか、森から出るか、なんとかするしかないな」
「そうですね……。これ、もし出られなかったらどうなるんでしょうか……?」
「……獣の餌になるんじゃないか?」
「えぇ……。それは勘弁です……」
「俺だって嫌だ。そうならないようになんとかしないと」
◆
「……で、結局そのまま夜か」
「がっかりすぎます……」
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常人よりも圧倒的に夜目が効くエミリスでも、ここまで全く光のない状態では何も見えないらしい。
「せめてマッチでも持って来てたらよかったな」
「……もう遅いです」
いつもは魔法で簡単に火が付けられることもあって、すっかり失念していた。
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2人は離れないように寄り添って木にもたれかかる。
ふと、彼女が震えているのがわかる。
「エミー、大丈夫か?」
「え、ええ……。大丈夫です……けど。暗いのはどうも苦手で……」
「そうなのか。……ほら」
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それにしてもこれまで見たことがないようなほど、ガタガタと震えていた。
「本当に大丈夫なのか? 寒いわけじゃないよな?」
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独り言のように彼女が話し始めた。
「ずっと前のことですけど……真っ暗な地下室に閉じ込められたことがあるんです。……お仕事で失敗したお仕置きで。……何も見えないし、もう2度と出られないような気がして。……本当に怖くてずっと泣いてました。……たぶん1日くらいだと思うんですけど、それがものすごく長く感じて。……それから本当に真っ暗なのは怖くて。少しでも明かりがあれば大丈夫なんですけど」
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