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第13章 暗躍
第197話 大食い大会
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「どんな調子だ?」
ちょうどアティアスたちが町を巡回しているとき、ばったり会ったノードに話しかけた。
「今のところ異常はないよ。……俺は初めてだけど、すげーな。ここにこれだけ人が来るのか」
「そうだな。俺も去年初めて来たけど、驚いたよ」
ノードが感嘆するのもわかる。
テンセズよりは大きいとはいえ、ゼバーシュなどと比べると、人口の多い町ではない。
町の広さ自体は、畑が多いからかなりあるのだが。
「アティアスの方は?」
ノードと一緒にいたナターシャが返す。
気になるのか、彼女の視線は同行しているエレナ女王に向いていた。
「はは。エミーがいるからな。爆弾が降ってきても大丈夫だよ。……なあ?」
「ええ、ご心配なく。ナターシャさんはお祭りを楽しんでもらえればと」
「ありがとう、そうするわ。前から収穫祭には来てみたいって思ってたから。……ところで、アティアスは女王陛下とは顔合わせたことがあったのよね?」
ノードとナターシャにはエレナ女王のことは詳しく話していなかったが、もちろん王都での叙爵の際に、顔を合わせていることくらいは知っていた。
「ああ。去年王都に行ったときにな。……エレナ女王、こちらが私の姉のナターシャです」
「ナターシャでございます」
アティアスがエレナ女王に向かって、ナターシャを紹介すると、ナターシャも挨拶をしながら深く頭を下げた。
その様子を見ていたエレナ女王は、笑顔で応える。
「はじめまして、エレナよ。よろしくね」
「は、はい! よろしくお願いします」
「また今度ゆっくりお話ししましょうね。アティアスさんの子供の頃の話とか、聞かせてほしいわ」
「ええ。……とはいえ、アティアスはあまり城に居ませんでしたから、私から話できることはあまり……。ですが、夫のノードが詳しいので、代わりにこちらから……」
そう言ってナターシャはノードに振った。
「それは楽しみね。それじゃ、また」
「ありがとうございます」
ノード達と別れたアティアス達は、一通り町の様子を見て回ったあと、広場に戻ってきた。
祭りのイベントは概ねこの広場で行われる。
ちょうど今はクイズ大会が行われているようだった。
「……ん?」
ふいにエミリスが何かに気づいたようで、首を傾げて小さな声を出した。
「どうした?」
「あ、いえ。トーレスさんの魔力を感じたので、戻ってこられてるんだなって」
「そうか。ありがとう」
トーレスたちに引き続き調査を依頼していたのだが、それがひと段落したのか、それとも祭りのために一時的に戻ってきているのか。
それはわからなかったが、昨日のダリアン侯爵の話からすると、マッキンゼ領の調査は無駄かもしれないと思っていたから、戻ってきているのであれば好都合だ。
恐らくあとで状況の報告があるだろう。
「エレナ女王、このあとどうされますか?」
アティアスが聞くと、エレナ女王は少し首を傾げて考えてから、答えた。
「そうねぇ……。とりあえず、この辺りで座って、葡萄でも食べながら見学しようかと思うわ。大食い大会はまだ後なんでしょう?」
「ええ、大食い大会は午後ですから。それでは……」
アティアスが近くの兵士に指示すると、すぐに簡易的なテントと椅子が準備される。
そこに座って、広場でのイベントを見学することにした。
それを知った町の人たちから、葡萄そのものだけではなく、葡萄で作られた食べ物やワイン、ジュースなどが机いっぱいに届けられる。
それを皆で食べながら、収穫祭の進行を眺めていた。
◆
「えっと、勝っちゃっても良いんですよね?」
もう少しで大食い大会が始まるとのアナウンスがあり、エミリスは念のためアティアスに確認する。
「別に構わないぞ。優勝者は確かワイン赤白1箱ずつだったよな」
「ですね。楽しみですー」
1箱に12本入りだから、全部で24本ということになる。
もちろん、2位以下にもちゃんと景品は準備されていた。
「というか、今日もうだいぶ食べてるだろ? いけるのか?」
エミリスは見学の間にかなりの葡萄を食べていたし、昼食も先程食べたばかりだ。
それからあまり時間が経っていないのだから、普通ならすでに満腹のはずだ。
「ふふ、とーぜん大丈夫ですよ。ハンディです」
しかしエミリスは余裕の笑みを浮かべた。
◆
そして始まった大食い大会だったが、前評判通りに独走するエミリスが異常すぎて、一同は言葉を失った。
「……人間じゃないな」
彼女のことを知ってか知らずか、ポツリと見学者のひとりが声を漏らす。
今回の食材は葡萄を使ったケーキだったのだが、周りの参加者達が甘さでペースが落ちるなか、それをものともせずに食べ進めていた。
しかも、それを美味しそうに。
「さー、やはりエミリス選手が怒涛の快進撃だー。早くも4ホール目に突入しています!」
司会者もほぼ彼女につきっきりで、その勇姿を紹介していた。
余裕なのか、ふいにエミリスは手を止めて笑顔を見せる。
「このケーキ美味しいですねぇ。町の大通りのレイトさんの店のですよね? 是非買って帰ってくださいねー」
地元の店の紹介をするのも忘れない。
その後も観客に手を振りながら、制限時間までペースが落ちることはなかった。
◆
「……すごいわねぇ」
見学していたエレナ女王も流石に驚いたのか、景品のワイン2箱を軽々と持って戻ってきたエミリスに声をかけた。
1箱だけでも相当な重さがあるものだが、魔力で軽くできる彼女にとっては些細なことだった。
「ふふ。私が負ける訳ないじゃないですか。ケーキもお腹いっぱい食べたし、満足ですー」
自信満々に言いながらワイン箱を下ろすと、テーブルに置かれた葡萄に手が伸びる。
それを口いっぱいに頬張りながら、笑顔で笑った。
◆◆◆
【第13章 あとがき】
「……相変わらず、エミーのお腹はどうなってるんだ?」
アティアスは怪訝そうな顔で彼女のお腹を覗き込む。
どう見ても、食べた量に対して、お腹の容積が合わない気がしたのだが。
「さぁ……。自分でもよく分からないですけど……。ま、ワインも入手しましたし、しばらく飲み放題ですね♪」
「とはいえ、普段は1日1本までだぞ。まだ何があるかわからないから」
「それは仕方ないですね……」
アティアスが釘を刺すと、エミリスは残念そうな顔を見せる。
ふたりで1本までなら、彼女が前後不覚になるほどではないことはわかっていた。
まだ襲撃事件の全貌がわかっていない今、警備を疎かにするわけにもいかない。
「それはそうと、最近更新の頻度が低下してません? 作者のやる気がないんでしょうかね?」
「それは俺も思うけどな。ウィルセアはなにか聞いてるか?」
アティアスが尋ねると、横で聞いていたウィルセアが言いにくそうに答えた。
「……別の作品の準備をしてるからって噂がありますわ。ちょうどカクヨムコンの時期ですし」
「ほほー。それはちょっと聞き捨てならないですね。こっちより新作を優先させるとか……」
エミリスは腕を組んで眉を顰めた。
それを見たアティアスは、苦笑いして言った。
「まぁ……ある程度は仕方ないところもあるだろ」
「むー。読者さんが待ってくれているのに、ダメダメな作者ですねぇ……」
「かといって、無理して倒れたりすると、そこでエターナルだぞ?」
その話に、ウィルセアは困った顔をする。
「ええっ! それは困りますわね。そうなると私のハッピーエンドが見られないってことですよね?」
「……そもそもハッピーエンドが準備されてるかは分からんが」
「…………(がーん)!」
「まぁ……元気出せって」
うなだれるウィルセアをなだめつつ、アティアスは続ける。
「さぁ、次章はまだ明らかになっていない謎が解ける章になる……んじゃないかな?」
「……曖昧ですねぇ」
「はは、まだ書かれてないから仕方ないって。毎日更新とはいかないかもしれないけど、作者には頑張ってもらわないとな」
「――ですわね。そして私にもハッピーなラストを!」
早くも立ち直ったのか、ウィルセアがぐっと拳を握りしめる。
「だめですー。アティアス様はあげられませんからー」
その前でエミリスが腕でバツを作って見せると、呆れた顔でアティアスが笑う。
「俺は物じゃないって。まぁ、そのへんはどうなるかわからないけど、続けて読み進めてもらうしかないな。それじゃ、また」
「ごきげんよう~」
ちょうどアティアスたちが町を巡回しているとき、ばったり会ったノードに話しかけた。
「今のところ異常はないよ。……俺は初めてだけど、すげーな。ここにこれだけ人が来るのか」
「そうだな。俺も去年初めて来たけど、驚いたよ」
ノードが感嘆するのもわかる。
テンセズよりは大きいとはいえ、ゼバーシュなどと比べると、人口の多い町ではない。
町の広さ自体は、畑が多いからかなりあるのだが。
「アティアスの方は?」
ノードと一緒にいたナターシャが返す。
気になるのか、彼女の視線は同行しているエレナ女王に向いていた。
「はは。エミーがいるからな。爆弾が降ってきても大丈夫だよ。……なあ?」
「ええ、ご心配なく。ナターシャさんはお祭りを楽しんでもらえればと」
「ありがとう、そうするわ。前から収穫祭には来てみたいって思ってたから。……ところで、アティアスは女王陛下とは顔合わせたことがあったのよね?」
ノードとナターシャにはエレナ女王のことは詳しく話していなかったが、もちろん王都での叙爵の際に、顔を合わせていることくらいは知っていた。
「ああ。去年王都に行ったときにな。……エレナ女王、こちらが私の姉のナターシャです」
「ナターシャでございます」
アティアスがエレナ女王に向かって、ナターシャを紹介すると、ナターシャも挨拶をしながら深く頭を下げた。
その様子を見ていたエレナ女王は、笑顔で応える。
「はじめまして、エレナよ。よろしくね」
「は、はい! よろしくお願いします」
「また今度ゆっくりお話ししましょうね。アティアスさんの子供の頃の話とか、聞かせてほしいわ」
「ええ。……とはいえ、アティアスはあまり城に居ませんでしたから、私から話できることはあまり……。ですが、夫のノードが詳しいので、代わりにこちらから……」
そう言ってナターシャはノードに振った。
「それは楽しみね。それじゃ、また」
「ありがとうございます」
ノード達と別れたアティアス達は、一通り町の様子を見て回ったあと、広場に戻ってきた。
祭りのイベントは概ねこの広場で行われる。
ちょうど今はクイズ大会が行われているようだった。
「……ん?」
ふいにエミリスが何かに気づいたようで、首を傾げて小さな声を出した。
「どうした?」
「あ、いえ。トーレスさんの魔力を感じたので、戻ってこられてるんだなって」
「そうか。ありがとう」
トーレスたちに引き続き調査を依頼していたのだが、それがひと段落したのか、それとも祭りのために一時的に戻ってきているのか。
それはわからなかったが、昨日のダリアン侯爵の話からすると、マッキンゼ領の調査は無駄かもしれないと思っていたから、戻ってきているのであれば好都合だ。
恐らくあとで状況の報告があるだろう。
「エレナ女王、このあとどうされますか?」
アティアスが聞くと、エレナ女王は少し首を傾げて考えてから、答えた。
「そうねぇ……。とりあえず、この辺りで座って、葡萄でも食べながら見学しようかと思うわ。大食い大会はまだ後なんでしょう?」
「ええ、大食い大会は午後ですから。それでは……」
アティアスが近くの兵士に指示すると、すぐに簡易的なテントと椅子が準備される。
そこに座って、広場でのイベントを見学することにした。
それを知った町の人たちから、葡萄そのものだけではなく、葡萄で作られた食べ物やワイン、ジュースなどが机いっぱいに届けられる。
それを皆で食べながら、収穫祭の進行を眺めていた。
◆
「えっと、勝っちゃっても良いんですよね?」
もう少しで大食い大会が始まるとのアナウンスがあり、エミリスは念のためアティアスに確認する。
「別に構わないぞ。優勝者は確かワイン赤白1箱ずつだったよな」
「ですね。楽しみですー」
1箱に12本入りだから、全部で24本ということになる。
もちろん、2位以下にもちゃんと景品は準備されていた。
「というか、今日もうだいぶ食べてるだろ? いけるのか?」
エミリスは見学の間にかなりの葡萄を食べていたし、昼食も先程食べたばかりだ。
それからあまり時間が経っていないのだから、普通ならすでに満腹のはずだ。
「ふふ、とーぜん大丈夫ですよ。ハンディです」
しかしエミリスは余裕の笑みを浮かべた。
◆
そして始まった大食い大会だったが、前評判通りに独走するエミリスが異常すぎて、一同は言葉を失った。
「……人間じゃないな」
彼女のことを知ってか知らずか、ポツリと見学者のひとりが声を漏らす。
今回の食材は葡萄を使ったケーキだったのだが、周りの参加者達が甘さでペースが落ちるなか、それをものともせずに食べ進めていた。
しかも、それを美味しそうに。
「さー、やはりエミリス選手が怒涛の快進撃だー。早くも4ホール目に突入しています!」
司会者もほぼ彼女につきっきりで、その勇姿を紹介していた。
余裕なのか、ふいにエミリスは手を止めて笑顔を見せる。
「このケーキ美味しいですねぇ。町の大通りのレイトさんの店のですよね? 是非買って帰ってくださいねー」
地元の店の紹介をするのも忘れない。
その後も観客に手を振りながら、制限時間までペースが落ちることはなかった。
◆
「……すごいわねぇ」
見学していたエレナ女王も流石に驚いたのか、景品のワイン2箱を軽々と持って戻ってきたエミリスに声をかけた。
1箱だけでも相当な重さがあるものだが、魔力で軽くできる彼女にとっては些細なことだった。
「ふふ。私が負ける訳ないじゃないですか。ケーキもお腹いっぱい食べたし、満足ですー」
自信満々に言いながらワイン箱を下ろすと、テーブルに置かれた葡萄に手が伸びる。
それを口いっぱいに頬張りながら、笑顔で笑った。
◆◆◆
【第13章 あとがき】
「……相変わらず、エミーのお腹はどうなってるんだ?」
アティアスは怪訝そうな顔で彼女のお腹を覗き込む。
どう見ても、食べた量に対して、お腹の容積が合わない気がしたのだが。
「さぁ……。自分でもよく分からないですけど……。ま、ワインも入手しましたし、しばらく飲み放題ですね♪」
「とはいえ、普段は1日1本までだぞ。まだ何があるかわからないから」
「それは仕方ないですね……」
アティアスが釘を刺すと、エミリスは残念そうな顔を見せる。
ふたりで1本までなら、彼女が前後不覚になるほどではないことはわかっていた。
まだ襲撃事件の全貌がわかっていない今、警備を疎かにするわけにもいかない。
「それはそうと、最近更新の頻度が低下してません? 作者のやる気がないんでしょうかね?」
「それは俺も思うけどな。ウィルセアはなにか聞いてるか?」
アティアスが尋ねると、横で聞いていたウィルセアが言いにくそうに答えた。
「……別の作品の準備をしてるからって噂がありますわ。ちょうどカクヨムコンの時期ですし」
「ほほー。それはちょっと聞き捨てならないですね。こっちより新作を優先させるとか……」
エミリスは腕を組んで眉を顰めた。
それを見たアティアスは、苦笑いして言った。
「まぁ……ある程度は仕方ないところもあるだろ」
「むー。読者さんが待ってくれているのに、ダメダメな作者ですねぇ……」
「かといって、無理して倒れたりすると、そこでエターナルだぞ?」
その話に、ウィルセアは困った顔をする。
「ええっ! それは困りますわね。そうなると私のハッピーエンドが見られないってことですよね?」
「……そもそもハッピーエンドが準備されてるかは分からんが」
「…………(がーん)!」
「まぁ……元気出せって」
うなだれるウィルセアをなだめつつ、アティアスは続ける。
「さぁ、次章はまだ明らかになっていない謎が解ける章になる……んじゃないかな?」
「……曖昧ですねぇ」
「はは、まだ書かれてないから仕方ないって。毎日更新とはいかないかもしれないけど、作者には頑張ってもらわないとな」
「――ですわね。そして私にもハッピーなラストを!」
早くも立ち直ったのか、ウィルセアがぐっと拳を握りしめる。
「だめですー。アティアス様はあげられませんからー」
その前でエミリスが腕でバツを作って見せると、呆れた顔でアティアスが笑う。
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