Beyond Labels 〜ラベルを超えて〜

古波蔵くう

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第7章:輝の告白と新たなる道

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 特別支援学校、高等学校卒業式当日。私と悠斗は今日、ここの桜丘特別支援学校及び桜丘高等学校を卒業しそれぞれの君に行く。特別支援学校卒業生は、大学には行けず就職する道しか無いみたいだ。悠斗は桜丘大学の教育学部に無事合格し進学することが決まっている。そして、この日、私は悠斗に本当の気持ちを伝える。『好き』ってことを。私は、悠斗と再開した高等学校と特別支援学校を繋ぐ橋で待っていた。悠斗なら絶対来てくれる。そして、手紙ではなく自分の口で伝える。無形の告白を。
「星崎……待ったか?」
悠斗が来てくれた。
「ううん、待ってないよ……」
私はウソを言った。流石に2時間は待った。
「大学に進学するんだよね……」
私は悠斗に言った。
「ああ、すぐ近くだし……」
悠斗は黒い目で私を見つけている。私は悠斗に無言で一歩ずつ近付く。硬直して口が中々開かない。
《開け! 開くんだ! 私の口!》
心に反して体が拒否している。心では口を開けろと命令しているのに、脳がそれを拒否している。
《開け! 開け! 開け!》
気が付くと私は、悠斗の伊達眼鏡を取って後ろに投げ捨てた。悠斗の両肩を押し『背を縮めろ!』と体で命令している。悠斗は何も言わず、私の命令に従う。悠斗は膝をつく。膝をつくと、丁度私と同じ高さになる。そして、私は悠斗の耳元まで口を近付けた。すると、やっと脳が『口を開け!』と指示を送る。
「悠斗のことが好き……私と付き合って下さい……」
と。小声で囁いた。口下手な私はこれが精一杯の告白だった。本当は目の前で言いたかったけど、前頭葉の制御が弱かった。悠斗は応答がなく数分の時が経った。すると、悠斗からすすり泣き声が聞こえた。声をあげて泣きたくないのか、口を硬く結んで開けようとしない。私は悠斗を強く且つ優しく抱きしめた。この時間は、私と悠斗の2人だけの時が止まった。
 10数分後。悠斗が泣き始めてから何分経ったのだろうか。悠斗は泣き止み、口を開く。
「済まない……」
最初の第一声が『済まない』という謝りの言葉だった。
「覚えているか? 中学1年生の頃?」
悠斗が話し始める。私は頷く。
「あん時、俺は輝に伊達眼鏡取られた時……『透けない……』って呟いたんだ」
悠斗は初めて私と出会った日のことを話し始める。
「俺、小学5年生の時に変なサイトを閲覧したせいで女子のみ服が透けて見える変な能力を手に入れてしまった……望んだわけでもないのに」
悠斗は敢えて言ってないが変なサイトが何か大体分かった。
「しかし、ほしざ……いや、輝だけは服が透けなかった……なぜだと思う?」
悠斗は答えを自ら答えようとしない。
「私が発達障害者だから?」
私が答えると
「それも一理あるかもしれない……でも、こうとも考えられるんじゃないか? 運命の人だから」
悠斗はいい方向への答えを導く。
「そうかもね……」
私も納得した。私は発達障害を持って生まれた。ハードモードの人生だった。けど、こうしてハッピーエンドを迎えることができた。これからは、幸せな日々を過ごしていく。
ー完ー
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