〜Years Of Love〜

古波蔵くう

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Episode.3

その後【光行side】

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 俺らは、高校に進学した。俺は卒アルを眺めていた。俺には、自分自身では気づかないほど友達がいたみたいだ。寄せ書きページが2ページ程度じゃ埋まらなかった。そのページの1部にはゆっきーのメッセージもある。左上の部分に
『私の事、忘れないで ゆっきー』
と。書いてある。俺はゆっきーの卒アルの寄せ書きページに
『俺の事を忘れるな みっつー』
と。書いた。俺は高校に入学してからも一分一秒、友希を忘れたことはない。友希だって、俺の事を忘れていない。断言して言える。そして、今日は一般の人が入れる文化祭。俺らのクラスはダンスだ。俺らが踊る曲には、衣装に学ランが必要だった。俺が学ランを着ると
「みっつー、学ランの第2ボタンどうした?」
と。友達が問いかけてくる。
「中学の時の彼女にあげた……もう会えないけど」
俺らは衣装を着て、体育館の舞台で待機した。
 体育館舞台裏。幕が上がり、曲が始まった。そして、前奏が終わり振り付け通り振り返る。すると、観客席に……友希が居た。俺は吃驚した。だが『ここで出し物を私情で台無しにするわけにはいかない!』
と。思い、ダンスを続けた。しかし、視線は友希にしか止まっていなかった。今すぐにでも、友希に声をかけてあげたいが。
 出し物終了後。俺は舞台を降りて、友希の名を呼ぶ。
「松本友希!」
と。高校のクラスメイトや、次の出し物をする生徒……担任は動きが静止していた。
「みっつー?」
友希が振り返る。俺は衣装の一部を外した。
「そうだよ……」
と。すると、友希は涙を流して俺に抱き付く。
「会いたかった……会いたかった……会いたかった……」
友希は何度も『会いたかった』を連呼していた。俺と別々になって会いたくてしょうがなかったんだ。
「俺も会いたかった……そして、もう会えたんだから、泣くな」
俺は友希に止めるよう言うが、俺だって自然と涙が溢れている。友希は大号泣で泣き止まなかった。俺は友希を抱いたまま、舞台裏に入る。
「担任、先に戻っていてください……生徒の皆さん、お騒がせしてすいません」
俺はその後、友希が泣き止むまで舞台裏にいた。
ー完ー
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