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偽王の最期
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轟々と風が吹きすさび、砂塵が舞う荒廃した町。
通りの向こうに姫騎士が現れる。
姫騎士は腕組していた両手をさっとおろす。臨戦態勢だ。
道の手前、ハーフエルフの娘を吊るした塔の下、見張りの役目も忘れて博打に興じているごろつき二人は、いまだ姫騎士が現れたことに気づかない。
それをみて姫騎士は出していた両手をまた組み直した。本気を出すにはまだ早かったようだ。
吟遊詩人が現れ銀色の警笛を吹いた。その音色は風の音を切り裂くように街じゅうに響きわたる。
顔をあげた見張りの二人がやっと姫騎士の姿を認めた。
「あっ!」
小さく声をあげて見張りの二人は路地へと駆け込む。
うつむいていたハーフエルフの娘が顔をあげた。
あとは存分にとばかりに、下げた手を振って吟遊詩人は退場する。これから始まる闘いに吟遊詩人の出番はないのだ。
路地からわらわらとキングたちが現れた。総勢十名。横一列に並び、姫騎士に向かって歩いてくる。
姫騎士もまた歩みを進める。
じわりじわりと両者は距離を詰めていく。
キングたちの背後に、頬被りをした老婆が現れた。彼女は孫娘を吊るしている縄をほどく。
「姫騎士さんが戦ってる間に逃げるんだよ」
「なにすんの。あたいは姫騎士さんに助けてもらいたかったのに……」
ハーフエルフの娘は戦いをゆくえを見ようとまだ縄で両手が縛られたままの姿で前に踏み出した。
「なに、ばかなことを……」
老婆が孫娘の肩を抱き、姫騎士のほうに行こうとするのを押さえる。
女たちが言葉をかわしている間にも、キングたちと姫騎士の距離は詰まっていった。
まずキングの部下たちが魔剣を抜いた。この町を包むように吹き荒れる空っ風の原因ともなっている風属性の魔道具だ。近接戦闘に特化している。
なおも、双方は歩みを止めない。
キングがワンドを手にした。宝珠が輝きはじめる。いつでも魔法が放てる状態だ。
「あんまりこっちに来るんじゃねえ!」
キングが威嚇して、ワンドを構える。
姫騎士はニヤリと笑って、組んでいた腕をほどいた。
キングが短縮呪文を詠唱し、炎の魔法が発動する。火球が生じて大きく育った。
姫騎士が振るう大剣の間合いには入っていない。このまま火球を放てれば姫騎士とてひとたまりもない。
しかし、灼熱の炎がワンドを離れる直前、姫騎士はナイフをキングに向けて素早く投げつけた。
ナイフはキングの腕に深々と突き刺さる。
痛みでワンドを支えきれず、魔法によって育った火球は上空に放たれてしまった。一瞬、通りは真昼よりも明るくなり、視界は真っ白になった。そして、続いて急激に熱された空気が膨張し、爆音が轟いた。一発、そして二発。
「チクショウ!」
キングは傷ついた腕を押さえながら言った。
白い闇のなか、姫騎士は大剣を抜いて駆け出し、キングを斬りつける。キングは腹から血を噴き出して倒れた。
キングが倒れると、彼をボスとして仰いでいた魔剣持ちの若者たちはもう烏合の衆であった。
風の魔剣に頼ることもなく、姫騎士に背を向け、てんでばらばらに逃げていこうとする。
「うわぁ! やめろ、うわっ……」
逃げる者たちの背中を次々と斬りつける姫騎士。その表情は鬼神のようであった。
「人は斬らぬ。ただし、魔道具を持ってるヤツは例外だ。その忌々しい魔剣を捨てちまいな。それで終わりだ」
姫騎士の言葉を聞いて、魔剣を放り投げ若者たちは走り去った。しかし、ひとり例外がいた。
「や、やめてくれぇ、殺さねえでくれ。こいつが、こいつが手から離れねえ……」
しゃがみこんでいる男が言った。両手であまりに強く魔剣を強く握っていたので、手がこわばって動かなくなっている。
「じゃあ、その両手を切り落とすとするか?」
そう言って近づく姫騎士だったが、大剣を鞘におさめ、男の強く握りすぎて真っ白くなった指を一本ずつ、自分の手で外していった。
魔剣は音を立てて石畳のうえに落ちた。
「立て。消え去れ。二度とこんなもんに関わるんじゃねえ」
姫騎士は男に言う。
「立てねえ。腰が抜けちまった……」
男が言う。
「なんとも世話がやける」
姫騎士は男の襟首をつかんで立たせてやった。
「ありがてぇ。二度と魔道具なんざ使うもんか。一生……」
男は姫騎士から目を離すことなく、後ずさった。背中を向ければ斬りつけられると思っているのだ。
大剣の間合いから離れてから、男は急に身体の向きを変え、一目散に走りはじめた。
男がときどき後を振り向くたびに、姫騎士は大剣を抜くふりをした。男はさらに速く走り、叫びをあげながら姫騎士の視界から消えていった。
ハーフエルフの娘と老婆が姫騎士に駆け寄ってくる。
姫騎士は足元の血溜まりに横たわるキングを見た。彼はまだ生きていた。
「あんた、親切だな」
キングは言った。場違いに思える言葉だった。
「頼みがある」
キングは続けた。
「なんだ」
姫騎士はキングの願いを聞きいれるようだ。
「オレはあれを持ってないとないと心細くていけねえ。とても来世まではたどり着けねえ」
キングは左手の先にあるワンドの方向に腕を伸ばしながら言った。
「あれをオレに持たせてくれ」
キングのことばに、姫騎士は無言でワンドを手に取った。
「大丈夫だ。もうオレに魔力は残っちゃいねえよ」
キングは言った。
姫騎士はキングの手にワンドを握らせる。
「すまねえ」
キングはワンドを握り、白い歯を見せて笑うと、姫騎士の顔をみつめた。
ワンドの先端に炎魔弾の赤い光が灯る。
「あぶない!!」
ハーフエルフの娘と老婆が揃って叫んだ。
「チクショウ! 何も見えなくなってきやがった。だめだ……」
ワンドを持っていた手が地に落ちる。赤い光も消えてしまった。
「ポーションや回復魔法を試してみるかい」
ハーフエルフの娘がキングに尋ねた。
「なんでぇ、最後はやけに優しいじゃねえか。でもよ、もうダメなんだ。生命力が残っちゃいねえ。みんな燃やしちまったんだよ……」
「じゃあ、最後に神様にお祈りをして……」
言いかける老婆に被せるようにキングは、
「いらねえよ。死後の安らぎなんざ、オレにはいらねえ」
と言った。
「姫騎士、まだ、そこにいるか?」
「いるぜ」
「オレはすぐに生まれ変わってまたあんたと勝負する。今度、勝つのはオレだ。首洗って待ってなよ。この世が地獄だって教えてやるぜ」
それだけ言うと、キングは動かなくなった。
「こいつ。際限なしの無鉄砲な性分を晒したまま死んでいきやがった」
その時、旋風が吹き、砂を天高く巻き上げた。その風といっしょにキングの魂も天に昇ったのかもしれなかった。
「さて、これでこの通りも少しは静かになるぜ」
言いながら、姫騎士は大剣を抜く。
「娘!」
言われて姫騎士に正面を向けたハーフエルフの娘に大剣が振り下ろされる。
「うわり…」
謎の声をあげたのは娘ではなく、その後にいる老婆のほうだった。
ハーフエルフの娘を縛っていた縄はきれいに斬られ、彼女は自由になった。
その後にいる老婆は切られた縄を手にし、どこまでも鋭い切口を確かめている。
「ありがとう。でも、きっともう会えないのね」
娘の問いに姫騎士は答えようとはしない。
大剣を仕舞うかしまわないかのうちに、
「あばよ!」
とだけ言うと、きびすを返し、歩き始めた。
小さくなっていく姫騎士の後ろ姿。
しかし、二人は姫騎士を留めるために声をかけることはできなかった。
通りの向こうに姫騎士が現れる。
姫騎士は腕組していた両手をさっとおろす。臨戦態勢だ。
道の手前、ハーフエルフの娘を吊るした塔の下、見張りの役目も忘れて博打に興じているごろつき二人は、いまだ姫騎士が現れたことに気づかない。
それをみて姫騎士は出していた両手をまた組み直した。本気を出すにはまだ早かったようだ。
吟遊詩人が現れ銀色の警笛を吹いた。その音色は風の音を切り裂くように街じゅうに響きわたる。
顔をあげた見張りの二人がやっと姫騎士の姿を認めた。
「あっ!」
小さく声をあげて見張りの二人は路地へと駆け込む。
うつむいていたハーフエルフの娘が顔をあげた。
あとは存分にとばかりに、下げた手を振って吟遊詩人は退場する。これから始まる闘いに吟遊詩人の出番はないのだ。
路地からわらわらとキングたちが現れた。総勢十名。横一列に並び、姫騎士に向かって歩いてくる。
姫騎士もまた歩みを進める。
じわりじわりと両者は距離を詰めていく。
キングたちの背後に、頬被りをした老婆が現れた。彼女は孫娘を吊るしている縄をほどく。
「姫騎士さんが戦ってる間に逃げるんだよ」
「なにすんの。あたいは姫騎士さんに助けてもらいたかったのに……」
ハーフエルフの娘は戦いをゆくえを見ようとまだ縄で両手が縛られたままの姿で前に踏み出した。
「なに、ばかなことを……」
老婆が孫娘の肩を抱き、姫騎士のほうに行こうとするのを押さえる。
女たちが言葉をかわしている間にも、キングたちと姫騎士の距離は詰まっていった。
まずキングの部下たちが魔剣を抜いた。この町を包むように吹き荒れる空っ風の原因ともなっている風属性の魔道具だ。近接戦闘に特化している。
なおも、双方は歩みを止めない。
キングがワンドを手にした。宝珠が輝きはじめる。いつでも魔法が放てる状態だ。
「あんまりこっちに来るんじゃねえ!」
キングが威嚇して、ワンドを構える。
姫騎士はニヤリと笑って、組んでいた腕をほどいた。
キングが短縮呪文を詠唱し、炎の魔法が発動する。火球が生じて大きく育った。
姫騎士が振るう大剣の間合いには入っていない。このまま火球を放てれば姫騎士とてひとたまりもない。
しかし、灼熱の炎がワンドを離れる直前、姫騎士はナイフをキングに向けて素早く投げつけた。
ナイフはキングの腕に深々と突き刺さる。
痛みでワンドを支えきれず、魔法によって育った火球は上空に放たれてしまった。一瞬、通りは真昼よりも明るくなり、視界は真っ白になった。そして、続いて急激に熱された空気が膨張し、爆音が轟いた。一発、そして二発。
「チクショウ!」
キングは傷ついた腕を押さえながら言った。
白い闇のなか、姫騎士は大剣を抜いて駆け出し、キングを斬りつける。キングは腹から血を噴き出して倒れた。
キングが倒れると、彼をボスとして仰いでいた魔剣持ちの若者たちはもう烏合の衆であった。
風の魔剣に頼ることもなく、姫騎士に背を向け、てんでばらばらに逃げていこうとする。
「うわぁ! やめろ、うわっ……」
逃げる者たちの背中を次々と斬りつける姫騎士。その表情は鬼神のようであった。
「人は斬らぬ。ただし、魔道具を持ってるヤツは例外だ。その忌々しい魔剣を捨てちまいな。それで終わりだ」
姫騎士の言葉を聞いて、魔剣を放り投げ若者たちは走り去った。しかし、ひとり例外がいた。
「や、やめてくれぇ、殺さねえでくれ。こいつが、こいつが手から離れねえ……」
しゃがみこんでいる男が言った。両手であまりに強く魔剣を強く握っていたので、手がこわばって動かなくなっている。
「じゃあ、その両手を切り落とすとするか?」
そう言って近づく姫騎士だったが、大剣を鞘におさめ、男の強く握りすぎて真っ白くなった指を一本ずつ、自分の手で外していった。
魔剣は音を立てて石畳のうえに落ちた。
「立て。消え去れ。二度とこんなもんに関わるんじゃねえ」
姫騎士は男に言う。
「立てねえ。腰が抜けちまった……」
男が言う。
「なんとも世話がやける」
姫騎士は男の襟首をつかんで立たせてやった。
「ありがてぇ。二度と魔道具なんざ使うもんか。一生……」
男は姫騎士から目を離すことなく、後ずさった。背中を向ければ斬りつけられると思っているのだ。
大剣の間合いから離れてから、男は急に身体の向きを変え、一目散に走りはじめた。
男がときどき後を振り向くたびに、姫騎士は大剣を抜くふりをした。男はさらに速く走り、叫びをあげながら姫騎士の視界から消えていった。
ハーフエルフの娘と老婆が姫騎士に駆け寄ってくる。
姫騎士は足元の血溜まりに横たわるキングを見た。彼はまだ生きていた。
「あんた、親切だな」
キングは言った。場違いに思える言葉だった。
「頼みがある」
キングは続けた。
「なんだ」
姫騎士はキングの願いを聞きいれるようだ。
「オレはあれを持ってないとないと心細くていけねえ。とても来世まではたどり着けねえ」
キングは左手の先にあるワンドの方向に腕を伸ばしながら言った。
「あれをオレに持たせてくれ」
キングのことばに、姫騎士は無言でワンドを手に取った。
「大丈夫だ。もうオレに魔力は残っちゃいねえよ」
キングは言った。
姫騎士はキングの手にワンドを握らせる。
「すまねえ」
キングはワンドを握り、白い歯を見せて笑うと、姫騎士の顔をみつめた。
ワンドの先端に炎魔弾の赤い光が灯る。
「あぶない!!」
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「チクショウ! 何も見えなくなってきやがった。だめだ……」
ワンドを持っていた手が地に落ちる。赤い光も消えてしまった。
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「なんでぇ、最後はやけに優しいじゃねえか。でもよ、もうダメなんだ。生命力が残っちゃいねえ。みんな燃やしちまったんだよ……」
「じゃあ、最後に神様にお祈りをして……」
言いかける老婆に被せるようにキングは、
「いらねえよ。死後の安らぎなんざ、オレにはいらねえ」
と言った。
「姫騎士、まだ、そこにいるか?」
「いるぜ」
「オレはすぐに生まれ変わってまたあんたと勝負する。今度、勝つのはオレだ。首洗って待ってなよ。この世が地獄だって教えてやるぜ」
それだけ言うと、キングは動かなくなった。
「こいつ。際限なしの無鉄砲な性分を晒したまま死んでいきやがった」
その時、旋風が吹き、砂を天高く巻き上げた。その風といっしょにキングの魂も天に昇ったのかもしれなかった。
「さて、これでこの通りも少しは静かになるぜ」
言いながら、姫騎士は大剣を抜く。
「娘!」
言われて姫騎士に正面を向けたハーフエルフの娘に大剣が振り下ろされる。
「うわり…」
謎の声をあげたのは娘ではなく、その後にいる老婆のほうだった。
ハーフエルフの娘を縛っていた縄はきれいに斬られ、彼女は自由になった。
その後にいる老婆は切られた縄を手にし、どこまでも鋭い切口を確かめている。
「ありがとう。でも、きっともう会えないのね」
娘の問いに姫騎士は答えようとはしない。
大剣を仕舞うかしまわないかのうちに、
「あばよ!」
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