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動乱編
静けさ
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王都の門が開かれたのは、朝日がまだ地平線を超える前だった。
冷たい風が石畳を吹き抜け、軍の馬蹄が静かな城下町を打つ音だけが響く。
第一王子アレクシス・エドワルド・ヴァルトハイトの初陣。
この決定は、王宮内で賛否を巻き起こした。
――次期国王たる者、実戦を知らねばならない。
――戦場に出ることで、将としての才を磨くべきだ。
――しかし、万が一があれば国の未来に関わる。
意見は割れたが、最終的に王子の出陣は決まった。王宮の中で、すでに彼の力を試そうとする者たちがいたのだ。
そして、その護衛としてサーディスも同行することになった。
王子が指揮を執るのは、有力貴族ヴォルネス公の軍。歴戦の騎士たちを抱える精鋭部隊で、表向きには王子を支える形となっている。
目的地は、南部辺境の村、ヴォルネス公の領地。報告によると、農民たちによる反乱が発生し、周囲の村を巻き込んで拡大しつつあるという。
王子は軍を率い、反乱鎮圧のために向かうことになった。
王子アレクシスは、反乱鎮圧のため、遠征の準備を整えた騎士団とともに出立するところだった。
鎧の上から王族の紋章を刻んだ外套を羽織り、腰には王権を象徴する聖なる剣。厳格な雰囲気をまといながら、彼は門へ向かっていた。
その時、背後から静かに名前を呼ばれる。
「アレクシス」
振り返ると、王妃がいた。侍女たちは控え、王妃シャルロットは一人でそこに立っていた。
「王族としての務めを果たしなさい」
凛とした声だった。甘さの一切ない、王妃としての威厳に満ちた言葉。
「……はい、母上」
王子は真剣な眼差しで応え、膝をついて恭しく一礼する。
王妃は、しばし王子の顔を見つめていたが、ふとその瞳に柔らかな光を宿した。
「それと、必ず無事に帰ってきなさい」
その言葉に、王子の表情がわずかに和らぐ。
「もちろんです」
王妃は微笑み、次にサーディスへと視線を向ける。
「サーディス、どうかお願いしますね」
サーディスは即座に膝をつき、深く頭を下げた。
「命に代えましても、王子をお守りいたします」
その誓いに、王妃はゆっくりと首を振った。
「それでは駄目よ」
サーディスは、わずかに目を見開く
。
「あなたの命を犠牲にしてしまうのなら、それは"護る"ことにはならない」
王妃は静かに続ける。
「アレクシスとともに、あなたも無事に帰ってきなさい。またお茶をするのを楽しみにしているわ」
サーディスの胸の奥が、じんわりと温かくなる。
自分が"生きて帰る"ことを望まれたのは、どれほどぶりのことだっただろう。
王妃の優しくも力強い言葉が、静かに心に染み込んでいく。
「……承知いたしました」
顔を上げたサーディスは、凛とした声でそう答えた。
王妃は満足げに頷き、王子とサーディスを見送る。
陽光の中、二人はそれぞれの誓いを胸に、遠征へと向かっていった。
「初陣か……」
馬を進めながら、王子アレクシスは小さく呟いた。
普段の軽妙な雰囲気とは違う。表情は引き締まり、目の奥には鋭い光が宿っていた。
だが、サーディスは気づいていた。
(緊張しているな)
当たり前だ。
王都で剣を振るったことはあれど、本当の戦場に立つのはこれが初めてなのだから。
彼は王族。いずれ王座に座る男。そして、この戦は、彼が王となる前の試金石とされている。
王宮の貴族たちも、軍の将校たちも、この戦いを通じて、王子の指揮官としての資質を見極めようとしている。
(彼にとって、これは"試される戦")
失敗すれば、次期国王としての立場すら揺らぎかねない。緊張するなという方が無理だろう。
ふと、王子が馬を少し寄せる。
「……サーディス」
「何でしょう」
「私が、この戦で何かを"誤った"時……お前ならどうする?」
サーディスは迷わず答えた。
「王子を生かします」
王子は驚いたように彼女を見た。
「……そういう意味で聞いたんじゃない」
「ですが、それが"私の答え"です」
サーディスは静かに言う。
「この戦で王子がどんな指揮を取ろうとも、私の役目は変わりません。"絶対に、あなたを生かす"――それだけです」
「……そうか」
王子は微かに笑う。
「君らしいな」
それ以上は何も言わず、前を向く。
軍は進み続け、ヴォルネス公の領地に入った。王子アレクシスは馬を止め、軍勢の前に立つ。
彼を囲む兵士たちは皆、静かに王子の指示を待っていた。
空は曇天に覆われ、冷たい風が草原を駆け抜ける。森の奥には反乱軍が潜んでいるはずだった。
ヴォルネス公の騎士たち――重厚な鎧をまとい、戦場に慣れた者たち。彼らの表情は冷静で、戦の前にしても動揺はなかった。
王子は深く息を吸い、緊張を押し殺すように口を開いた。
「……皆、聞け!」
その一言が、沈黙を破る。軍勢の視線が、彼一人に注がれた。王子は堂々と声を響かせる。
「我らの目的は"反乱鎮圧"だ」
「だが、これは王の名のもとに行う正当な戦いである」
鋭い眼差しを前線の兵たちへと向ける。
「無意味な殺戮は許さぬ」
その言葉に、一部の騎士が僅かに眉をひそめた。だが、誰一人として声を上げることはなかった。
「反乱軍が降伏するならば、可能な限り命を奪わず、話し合いの場を設ける」
「だが――戦う意思を示した者には、容赦をするな!」
鋭く響く声に、兵士たちは拳を握りしめ、剣を構えた。その場にいたすべての者が、戦が間近に迫っていることを感じ取った。
ヴォルネス公の部隊は、王都の兵たちとは違う。彼らは"領主の剣"として、これまで幾度もの戦場をくぐり抜けてきた歴戦の兵。血の臭いに慣れ、戦場での勝利にのみ価値を見出している者も多い。
そんな彼らにとって、王子の言葉はどう響いたのか。
一部の者たちは頷き、王子の指示を受け入れるように剣の柄を握りしめる。
だが、ヴォルネス公に仕える者たちの中には、どこか"腑に落ちない"といった表情を浮かべる者もいた。
(……王子の意向を、彼らは素直に受け入れるのか?)
サーディスは王子の横に控えながら、冷静に周囲を観察していた。
ヴォルネス公の軍勢は確かに優れた騎士たちだ。
だが、彼らが本当に王子の指揮に従うのか――それは別の話だった。
王子は、馬を進めた。静寂の中、軍勢が動き出す。
空には黒い雲が立ち込め、風が草木を揺らしていた。
まるで、これから始まる"嵐"を予感させるように――。
冷たい風が石畳を吹き抜け、軍の馬蹄が静かな城下町を打つ音だけが響く。
第一王子アレクシス・エドワルド・ヴァルトハイトの初陣。
この決定は、王宮内で賛否を巻き起こした。
――次期国王たる者、実戦を知らねばならない。
――戦場に出ることで、将としての才を磨くべきだ。
――しかし、万が一があれば国の未来に関わる。
意見は割れたが、最終的に王子の出陣は決まった。王宮の中で、すでに彼の力を試そうとする者たちがいたのだ。
そして、その護衛としてサーディスも同行することになった。
王子が指揮を執るのは、有力貴族ヴォルネス公の軍。歴戦の騎士たちを抱える精鋭部隊で、表向きには王子を支える形となっている。
目的地は、南部辺境の村、ヴォルネス公の領地。報告によると、農民たちによる反乱が発生し、周囲の村を巻き込んで拡大しつつあるという。
王子は軍を率い、反乱鎮圧のために向かうことになった。
王子アレクシスは、反乱鎮圧のため、遠征の準備を整えた騎士団とともに出立するところだった。
鎧の上から王族の紋章を刻んだ外套を羽織り、腰には王権を象徴する聖なる剣。厳格な雰囲気をまといながら、彼は門へ向かっていた。
その時、背後から静かに名前を呼ばれる。
「アレクシス」
振り返ると、王妃がいた。侍女たちは控え、王妃シャルロットは一人でそこに立っていた。
「王族としての務めを果たしなさい」
凛とした声だった。甘さの一切ない、王妃としての威厳に満ちた言葉。
「……はい、母上」
王子は真剣な眼差しで応え、膝をついて恭しく一礼する。
王妃は、しばし王子の顔を見つめていたが、ふとその瞳に柔らかな光を宿した。
「それと、必ず無事に帰ってきなさい」
その言葉に、王子の表情がわずかに和らぐ。
「もちろんです」
王妃は微笑み、次にサーディスへと視線を向ける。
「サーディス、どうかお願いしますね」
サーディスは即座に膝をつき、深く頭を下げた。
「命に代えましても、王子をお守りいたします」
その誓いに、王妃はゆっくりと首を振った。
「それでは駄目よ」
サーディスは、わずかに目を見開く
。
「あなたの命を犠牲にしてしまうのなら、それは"護る"ことにはならない」
王妃は静かに続ける。
「アレクシスとともに、あなたも無事に帰ってきなさい。またお茶をするのを楽しみにしているわ」
サーディスの胸の奥が、じんわりと温かくなる。
自分が"生きて帰る"ことを望まれたのは、どれほどぶりのことだっただろう。
王妃の優しくも力強い言葉が、静かに心に染み込んでいく。
「……承知いたしました」
顔を上げたサーディスは、凛とした声でそう答えた。
王妃は満足げに頷き、王子とサーディスを見送る。
陽光の中、二人はそれぞれの誓いを胸に、遠征へと向かっていった。
「初陣か……」
馬を進めながら、王子アレクシスは小さく呟いた。
普段の軽妙な雰囲気とは違う。表情は引き締まり、目の奥には鋭い光が宿っていた。
だが、サーディスは気づいていた。
(緊張しているな)
当たり前だ。
王都で剣を振るったことはあれど、本当の戦場に立つのはこれが初めてなのだから。
彼は王族。いずれ王座に座る男。そして、この戦は、彼が王となる前の試金石とされている。
王宮の貴族たちも、軍の将校たちも、この戦いを通じて、王子の指揮官としての資質を見極めようとしている。
(彼にとって、これは"試される戦")
失敗すれば、次期国王としての立場すら揺らぎかねない。緊張するなという方が無理だろう。
ふと、王子が馬を少し寄せる。
「……サーディス」
「何でしょう」
「私が、この戦で何かを"誤った"時……お前ならどうする?」
サーディスは迷わず答えた。
「王子を生かします」
王子は驚いたように彼女を見た。
「……そういう意味で聞いたんじゃない」
「ですが、それが"私の答え"です」
サーディスは静かに言う。
「この戦で王子がどんな指揮を取ろうとも、私の役目は変わりません。"絶対に、あなたを生かす"――それだけです」
「……そうか」
王子は微かに笑う。
「君らしいな」
それ以上は何も言わず、前を向く。
軍は進み続け、ヴォルネス公の領地に入った。王子アレクシスは馬を止め、軍勢の前に立つ。
彼を囲む兵士たちは皆、静かに王子の指示を待っていた。
空は曇天に覆われ、冷たい風が草原を駆け抜ける。森の奥には反乱軍が潜んでいるはずだった。
ヴォルネス公の騎士たち――重厚な鎧をまとい、戦場に慣れた者たち。彼らの表情は冷静で、戦の前にしても動揺はなかった。
王子は深く息を吸い、緊張を押し殺すように口を開いた。
「……皆、聞け!」
その一言が、沈黙を破る。軍勢の視線が、彼一人に注がれた。王子は堂々と声を響かせる。
「我らの目的は"反乱鎮圧"だ」
「だが、これは王の名のもとに行う正当な戦いである」
鋭い眼差しを前線の兵たちへと向ける。
「無意味な殺戮は許さぬ」
その言葉に、一部の騎士が僅かに眉をひそめた。だが、誰一人として声を上げることはなかった。
「反乱軍が降伏するならば、可能な限り命を奪わず、話し合いの場を設ける」
「だが――戦う意思を示した者には、容赦をするな!」
鋭く響く声に、兵士たちは拳を握りしめ、剣を構えた。その場にいたすべての者が、戦が間近に迫っていることを感じ取った。
ヴォルネス公の部隊は、王都の兵たちとは違う。彼らは"領主の剣"として、これまで幾度もの戦場をくぐり抜けてきた歴戦の兵。血の臭いに慣れ、戦場での勝利にのみ価値を見出している者も多い。
そんな彼らにとって、王子の言葉はどう響いたのか。
一部の者たちは頷き、王子の指示を受け入れるように剣の柄を握りしめる。
だが、ヴォルネス公に仕える者たちの中には、どこか"腑に落ちない"といった表情を浮かべる者もいた。
(……王子の意向を、彼らは素直に受け入れるのか?)
サーディスは王子の横に控えながら、冷静に周囲を観察していた。
ヴォルネス公の軍勢は確かに優れた騎士たちだ。
だが、彼らが本当に王子の指揮に従うのか――それは別の話だった。
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