異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

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16 学園入学

3年後……

私は13歳になり、脚力と護身術に磨きをかけた。それから、日常の道具を利用した戦い方や、体術も教えてもらった。

「プルメリア様、もうそろそろ学園に着きます。」
「そうね。新しい生活はどうなるかしら。お兄様もクレマもいるし、楽しみだわ。」

私は今度、学園に入学する。

出発前には、お父様からオパール家についての説明があった。
国の情報を扱っており、命を狙われることも多いということだ。そのため、護衛騎士の他、影と呼ばれる忍者の様な人たちもいるのだと。影は情報収集も仕事のうちだそうだ。
そして、私が、護身術などを習うことを反対しなかったのも、本当に身を守る必要があったからだと言う。

学園では侍女や侍従は3人までと決められており、お父様と相談の結果我が家では家族持ちではない新しく入ったライラが付いてきてくれた。ライラはロバートとジューンの娘で、侍女教育を受けた17歳だ。
さらに、影の護衛がふたり付いてくれている。影は名前を公にしない為、私がつけた仮名のノアとネーロと呼んでいる。ふたりのことも、学園へ護衛として報告済みだ。

この3年、周りの環境で変わったことがある。
まず、カルアが結婚し、その後メイも結婚した。ふたりは辞めずに産休を挟みながらも、まだ我が家で働いてくれている。
そして、クレマとは家を行き来する仲になっている。お茶会の後、家に招待してくれたのが始まりだ。クレマは乗馬が好きなため、身体を動かすのを否とはしなかったのだ。

コンコンコン

馬車が止まりドアが叩かれる。

「着いたようですね。よろしいですか?」
「ええ、行きましょう。」

“あの馬車、オパール候爵家の……”
“変わり者令嬢か…”
“野蛮な猿の様なやつだろう”

ドアの隙間から噂話が聞こえてくる。

分かっていたことだけど、聞こえないように言うとか離れて言うとかしないのかしら…

しかし私が降り、前を見ると一瞬沈黙が起きる。
思わず周りを見ると、目を丸くしている人や口をあんぐり開けている人がみえる。

?????どうしたのかしら…

不思議に思っていると、その人たちの間から見慣れた人がこちらへ近づいてきた。

「お兄様!」
「リア、久しぶりだね。元気だったかい?」
「はい。お兄様も元気でしたか?」
「ああ、元気だよ。さぁ、行こうか。」

お兄様は、学園の最高学年だ。1年のみだが、一緒に通えると思うと嬉しく感じる。
私はお兄様に案内や説明を受けながら、寮に向かった。その間もうわさ話は聞こえてくる。

「辛くなったら言うんだよ。」
「大丈夫ですよ。こうなるだろうと予想はしていましたし。」
「そうか。リアは強いな。」
「ここには、お兄様やクレア、それに私を支えてくれるみんながいますもの。」
「うん、そうだな。色々言うやつには言わせておけばいい。」
「はい。」
「ちなみに、一つ上にライアン殿下がいるが、関わらなくていいからな。」
「分かりました。」
「近づくなよ。」
「近づきませんよ。」

校舎と寮は食堂を間にして、女子棟と男子棟に分かれている。そして、侍女·侍従は主の続き部屋で寝泊まりし、護衛などは隣接する棟に部屋を持つ。部屋での警護もあるので、申請されている者のみ出入り可能となる。生徒同士の行き来は認められていない。

「私はここまでだ。後で食堂で会おう。」
「はい、後ほど。」

ノアと、ネーロは敷地内を偵察しに行っている。私はライラと部屋に行き、ひと息ついた。

トントントン

「誰かしら。ライラ、開けて頂戴。」
「かしこまりました。」

カチャ

ドアを開けるとそこにはクレマと、その侍女マルタがいた。

「プルメリア、元気だった?」
「ええ、元気よ。どうぞ、中に入って座って。」

クレマは中に入り椅子に座る。部屋は広く、ダイニングテーブルも置かれているのだ。ちょっとしたお茶会ができてしまう。

「私のほうが先についたのね。あなたも着いたと聞いて、会いたくて飛んできちゃった。」
「ありがとう。私も会いたかったわ。」

それから、クレマと昼食の時間まで話が尽きなかった。








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