異世界で悪役令嬢として生きる事になったけど、前世の記憶を持ったまま、自分らしく過ごして良いらしい

千晶もーこ

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ジェイクSide5

休憩に入り騎士団に行くと、親父とオパール候爵が出掛けるところだった。

「親父?」
「ジェイク、良いところへ。実はな…」

ライアン殿下とリアが婚約?
リアの婚約者は俺だろう?
美人で可愛いリアは、俺の婚約者だ。

眉間にシワが寄っていく。

「まだ噂の範囲だ。俺らも何もわからない。とりあえず、陛下と謁見してくる。」
「…俺も行く。」
「いや、お前は戻れ。」
「しかし…」
「お前がいてもどうにもならん。話は、耳に入れておこうと思っただけだ。」

クソッ!

「分かった。しかし、後できちんと教えてくれ。」
「もちろんだ。」
「ジェイク、チスに言伝を頼んでもいいか?」
「この話ですよね?」
「あぁ、調べる事もあるから、準備をしておく様にも言っておいてくれ。」
「分かりました。」

確かに、今俺ができることはない。
オパール候爵にも言伝を頼まれたし、一度戻ろう。

俺はレオン殿下の元へ戻った。

「ん?休憩終わりか?早かったな。」
「いえ、スターチスに候爵から言伝を預かりまして。」
「スターチスには今、書類を届けてもらっているのだが、そろそろ帰ってくると思うぞ。」
「そうですか。」

それにしても、噂のことはおいておくにしても、ライアン殿下の発言は許せない。

また、怒りが湧いてきた。拳を握りしめる。
それが顔に出たのだろう。レオン殿下が声をかけてきた。

「おい、般若のような顔になっているが?」
「…すみません。」
「何があった?」
「スターチスが来てから話します。」
「そうか。」

そして、会話もなく、スターチスが来るのを待った。

「戻りました。」
「スターチス!待ってたぞ!さぁ、ジェイク話せ。」
「???ジェイクさん、何かあったんですか?」

俺は親父から聞いた話をスターチスにも話し、オパール候爵の言伝を伝えた。
スターチスの顔は、見る見る険しくなっていく。
レオン殿下は頭を抱えている。

「あいつは…。」
「殿下、許可を頂きたいことが…。」
「何を言うつもりか大体想像がつく。許可は出せない。」
「チッ!」
「ジェイク、お前は案外冷静だな。」
「そう見えますか?」
「そうだな。」
「……そうでもないでしょう。」

そう言い、スターチスが俺の握られた拳を開く。

「!!!」

俺の手の平は、血に滲んでいた。

「よく分かったな。」
「部屋に入ったときに、微かですが血の匂いがしたので、何だろうとは思っていたのです。」
「一番不安なのはリアだろうに…。俺は今、何もできない。不甲斐ない。」
「うーん……。あの子は感覚で動くところがあるので、そこまで考え込まないと思いますよ。というか、何かあったら走って発散すると思うので、きっと大丈夫です。」

スターチスの言葉に、少し落ち着いた。

「次の休みにリアに会いに行ってくる。」
「休みと言わず、明日でもいいぞ。」
「そうですね。婚約者として面会申請すれば、会うことが出来ますし、噂もすぐに変わるでしょう。そうと決まれば、父上から婚約者であると一筆書いてもらいましょう。」

婚約者である証明さえできれば、学園の生徒と面会が許される。

「頼む。」
「では、オパール候爵の書面が届いたら休みをやるから行ってこい。」
「はい。ありがとうございます。」

俺はその日のうちに、婚約者であると一筆もらい、次の日にはリアに会いに行くことができた。そしてその時に、親父たちの話し合いの内容も、リアに伝えるよう言われた。 






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