ペットたちと一緒に異世界へ転生!?魔法を覚えて、皆とのんびり過ごしたい。

千晶もーこ

文字の大きさ
25 / 142

24 手紙魔法陣·改正版

しおりを挟む
私達は、お父様の部屋に寄り、一緒にガゼボへ行った。ロンドも一緒だ。

軽食を食べ、お茶を飲んでいるとロンドから先程のお礼を言われた。

「本日はありがとうございました。準備も滞りなく行うことができました。」
「それなら良かった。もしかしたら、リオン兄様の使いと二重になってしまうかと思っていたの。」
「学校から家への連絡方法は無いに等しいからな…。使いを出すのも難しい。」
「そうなのですか?手紙の魔法陣を使うとか。」
「使用するには許可が必要で、それに時間がかかるから、生徒はめったに使わないんだ。」
「個人で持ち込めないのですか?」
「嵩張るから、持ち運びがしにくい。」
「小さくしたり、薄くしたりは?」
「魔法陣が細かくなって作るのが難しいのと、手紙も小さくしなくてはならないから、需要がなく作られていない。」
「小さくとも、必要事項だけ書けば問題ないのでは?」
「…」
「前置きなどは、家族なら必要ありませんよね?『客を連れて帰る。』くらいなら…。」
「…」
「準備をする側としたら、その一言は無いよりあった方が助かるのでは?」
「ロンド。どうだ?」
「確かにその通りです。」
「…作れる職人を探してみよう。」
「畏まりました。」
「お父様。魔法陣を書く専用のものなどあるのですか?」
「手書きできるものなら、素材はなんでも良いが?」

ふーん、手書き…。コピーとかないんだ。魔法で出来そうなものだけど。
もしかして…

「お父様。話は変わりますが、魔法を使うときに大切なものとは何ですか?」
「イメージだな。」

やっぱり…。
これって、私ならできるパターンじゃ…。
まさか…でも試したい。

「お父様。私、試したいことがあるんですけど…。」
「ん?」

ロンドが手紙魔法陣と手のひらサイズの小さめハンカチ5枚を持ってきてくれた。A4サイズ程の厚い板に魔法陣が書かれている。

「お父様。これは王城の物としかやり取りできないのですよね?どうしてですか?」
「魔法でロックがかけられている。」
「なるほど…。」

縮小コピーして、手紙が行き来するイメージ…。

まずは魔法陣のコピー。
サリーナは、手紙魔法陣の上に左手をかざし、右手をハンカチの上にかざす。
ハンカチに縮小した魔法陣が浮かんだ。

「「「!」」」

ジャック、ロンド、メルの目が丸くなる。

「お父様。魔法陣の確認をお願いします。」
「あ、ああ。」

お父様は、ハンカチを手に取り確認していく。

「全く同じだ…。」
「そしたら、他のハンカチにもしてみます。」

同じ事を4回行い、合計5枚の魔法陣ハンカチが完成した。

「ここから、ロックをかけるのですよね。」

5つを繋げて、パスワードを設定。

「できた。…かな?」
「手紙をお持ちします。」

ロンドがまた家へ戻って、今度は便箋と封筒を持ってきた。
そのままでは魔法陣をはみ出そうだ。便箋を4等分に切り、お父様が文字を書いてハンカチの上においた。

「何も起らないな。」
「このハンカチを使う為には、パスワードが必要です。パスワードは、ジパダサ。私達家族の頭の文字にしました。」
「パスワード?」
「頭の中で唱えるか、口に出すかしてみてください。」
「…」

何も起こらない。

「頭の中だけでは駄目なようだ。今度は口に出してみよう。……ジパダサ。」

すると、ジャックの目の前のハンカチから、右のハンカチに手紙が移動した。

「「「!」」」
「ハンカチは私達家族とロンドが持つで良いでしょうか?」
「ああ。そうだな。」
「そんな恐れ多い…。」
「でも、今回の様にロンドに連絡する事も多いと思うのです。私にはルーフやアル、パールがいて伝えてくれるけど、兄様達には必要よね。それに家族間で連絡が取れると便利。そして、宛先ですが、1つずつ名前を刻んでみます。」

サリーナが、ハンカチに名前を念じていくと、驚く事にハンカチの隅にそれぞれの名前が浮かんだ。

「お父様。送りたい相手の名前とパスワードを言ってみてください。」
「…分かった。サリーナ、ジパダサ。」

今度は、ジャックのハンカチからサリーナのハンカチへ手紙が移動した。

「ロンド、ジパダサ。」

サリーナのハンカチから、ロンドのハンカチへ移動する。

できた。…けど、なにか引っかかる。

「あ!」
「リーナ、どうした?」
「ハンカチ…。畳んで持っていたら手紙が届かないかもしれません…。」
「ああ、そうか。私も気づかなくてすまない。折ったら、魔法陣も不安定になるかもしれないな。」
「しかし、この大きさのハンカチでしたらポケットに広げたままでも入りますよ。」
「そうだな。ポケットへ入れて試してみよう。」

試した結果、問題なく送ることができた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

余命半年のはずが?異世界生活始めます

ゆぃ♫
ファンタジー
静波杏花、本日病院で健康診断の結果を聞きに行き半年の余命と判明… 不運が重なり、途方に暮れていると… 確認はしていますが、拙い文章で誤字脱字もありますが読んでいただけると嬉しいです。

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます

時岡継美
ファンタジー
 初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。  侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。  しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?  他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。  誤字脱字報告ありがとうございます!

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~

いとうヒンジ
ファンタジー
 ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。  理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。  パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。  友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。  その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。  カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。  キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。  最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646

勇者パーティーを追い出された大魔法導士、辺境の地でスローライフを満喫します ~特Aランクの最強魔法使い~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
クロード・ディスタンスは最強の魔法使い。しかしある日勇者パーティーを追放されてしまう。 勇者パーティーの一員として魔王退治をしてくると大口叩いて故郷を出てきた手前帰ることも出来ない俺は自分のことを誰も知らない辺境の地でひっそりと生きていくことを決めたのだった。

【第2章完結】王位を捨てた元王子、冒険者として新たな人生を歩む

凪木桜
ファンタジー
かつて王国の次期国王候補と期待されながらも、自ら王位を捨てた元王子レオン。彼は自由を求め、名もなき冒険者として歩み始める。しかし、貴族社会で培った知識と騎士団で鍛えた剣技は、新たな世界で否応なく彼を際立たせる。ギルドでの成長、仲間との出会い、そして迫り来る王国の影——。過去と向き合いながらも、自らの道を切り開くレオンの冒険譚が今、幕を開ける!

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

処理中です...