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24 手紙魔法陣·改正版
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私達は、お父様の部屋に寄り、一緒にガゼボへ行った。ロンドも一緒だ。
軽食を食べ、お茶を飲んでいるとロンドから先程のお礼を言われた。
「本日はありがとうございました。準備も滞りなく行うことができました。」
「それなら良かった。もしかしたら、リオン兄様の使いと二重になってしまうかと思っていたの。」
「学校から家への連絡方法は無いに等しいからな…。使いを出すのも難しい。」
「そうなのですか?手紙の魔法陣を使うとか。」
「使用するには許可が必要で、それに時間がかかるから、生徒はめったに使わないんだ。」
「個人で持ち込めないのですか?」
「嵩張るから、持ち運びがしにくい。」
「小さくしたり、薄くしたりは?」
「魔法陣が細かくなって作るのが難しいのと、手紙も小さくしなくてはならないから、需要がなく作られていない。」
「小さくとも、必要事項だけ書けば問題ないのでは?」
「…」
「前置きなどは、家族なら必要ありませんよね?『客を連れて帰る。』くらいなら…。」
「…」
「準備をする側としたら、その一言は無いよりあった方が助かるのでは?」
「ロンド。どうだ?」
「確かにその通りです。」
「…作れる職人を探してみよう。」
「畏まりました。」
「お父様。魔法陣を書く専用のものなどあるのですか?」
「手書きできるものなら、素材はなんでも良いが?」
ふーん、手書き…。コピーとかないんだ。魔法で出来そうなものだけど。
もしかして…
「お父様。話は変わりますが、魔法を使うときに大切なものとは何ですか?」
「イメージだな。」
やっぱり…。
これって、私ならできるパターンじゃ…。
まさか…でも試したい。
「お父様。私、試したいことがあるんですけど…。」
「ん?」
ロンドが手紙魔法陣と手のひらサイズの小さめハンカチ5枚を持ってきてくれた。A4サイズ程の厚い板に魔法陣が書かれている。
「お父様。これは王城の物としかやり取りできないのですよね?どうしてですか?」
「魔法でロックがかけられている。」
「なるほど…。」
縮小コピーして、手紙が行き来するイメージ…。
まずは魔法陣のコピー。
サリーナは、手紙魔法陣の上に左手をかざし、右手をハンカチの上にかざす。
ハンカチに縮小した魔法陣が浮かんだ。
「「「!」」」
ジャック、ロンド、メルの目が丸くなる。
「お父様。魔法陣の確認をお願いします。」
「あ、ああ。」
お父様は、ハンカチを手に取り確認していく。
「全く同じだ…。」
「そしたら、他のハンカチにもしてみます。」
同じ事を4回行い、合計5枚の魔法陣ハンカチが完成した。
「ここから、ロックをかけるのですよね。」
5つを繋げて、パスワードを設定。
「できた。…かな?」
「手紙をお持ちします。」
ロンドがまた家へ戻って、今度は便箋と封筒を持ってきた。
そのままでは魔法陣をはみ出そうだ。便箋を4等分に切り、お父様が文字を書いてハンカチの上においた。
「何も起らないな。」
「このハンカチを使う為には、パスワードが必要です。パスワードは、ジパダサ。私達家族の頭の文字にしました。」
「パスワード?」
「頭の中で唱えるか、口に出すかしてみてください。」
「…」
何も起こらない。
「頭の中だけでは駄目なようだ。今度は口に出してみよう。……ジパダサ。」
すると、ジャックの目の前のハンカチから、右のハンカチに手紙が移動した。
「「「!」」」
「ハンカチは私達家族とロンドが持つで良いでしょうか?」
「ああ。そうだな。」
「そんな恐れ多い…。」
「でも、今回の様にロンドに連絡する事も多いと思うのです。私にはルーフやアル、パールがいて伝えてくれるけど、兄様達には必要よね。それに家族間で連絡が取れると便利。そして、宛先ですが、1つずつ名前を刻んでみます。」
サリーナが、ハンカチに名前を念じていくと、驚く事にハンカチの隅にそれぞれの名前が浮かんだ。
「お父様。送りたい相手の名前とパスワードを言ってみてください。」
「…分かった。サリーナ、ジパダサ。」
今度は、ジャックのハンカチからサリーナのハンカチへ手紙が移動した。
「ロンド、ジパダサ。」
サリーナのハンカチから、ロンドのハンカチへ移動する。
できた。…けど、なにか引っかかる。
「あ!」
「リーナ、どうした?」
「ハンカチ…。畳んで持っていたら手紙が届かないかもしれません…。」
「ああ、そうか。私も気づかなくてすまない。折ったら、魔法陣も不安定になるかもしれないな。」
「しかし、この大きさのハンカチでしたらポケットに広げたままでも入りますよ。」
「そうだな。ポケットへ入れて試してみよう。」
試した結果、問題なく送ることができた。
軽食を食べ、お茶を飲んでいるとロンドから先程のお礼を言われた。
「本日はありがとうございました。準備も滞りなく行うことができました。」
「それなら良かった。もしかしたら、リオン兄様の使いと二重になってしまうかと思っていたの。」
「学校から家への連絡方法は無いに等しいからな…。使いを出すのも難しい。」
「そうなのですか?手紙の魔法陣を使うとか。」
「使用するには許可が必要で、それに時間がかかるから、生徒はめったに使わないんだ。」
「個人で持ち込めないのですか?」
「嵩張るから、持ち運びがしにくい。」
「小さくしたり、薄くしたりは?」
「魔法陣が細かくなって作るのが難しいのと、手紙も小さくしなくてはならないから、需要がなく作られていない。」
「小さくとも、必要事項だけ書けば問題ないのでは?」
「…」
「前置きなどは、家族なら必要ありませんよね?『客を連れて帰る。』くらいなら…。」
「…」
「準備をする側としたら、その一言は無いよりあった方が助かるのでは?」
「ロンド。どうだ?」
「確かにその通りです。」
「…作れる職人を探してみよう。」
「畏まりました。」
「お父様。魔法陣を書く専用のものなどあるのですか?」
「手書きできるものなら、素材はなんでも良いが?」
ふーん、手書き…。コピーとかないんだ。魔法で出来そうなものだけど。
もしかして…
「お父様。話は変わりますが、魔法を使うときに大切なものとは何ですか?」
「イメージだな。」
やっぱり…。
これって、私ならできるパターンじゃ…。
まさか…でも試したい。
「お父様。私、試したいことがあるんですけど…。」
「ん?」
ロンドが手紙魔法陣と手のひらサイズの小さめハンカチ5枚を持ってきてくれた。A4サイズ程の厚い板に魔法陣が書かれている。
「お父様。これは王城の物としかやり取りできないのですよね?どうしてですか?」
「魔法でロックがかけられている。」
「なるほど…。」
縮小コピーして、手紙が行き来するイメージ…。
まずは魔法陣のコピー。
サリーナは、手紙魔法陣の上に左手をかざし、右手をハンカチの上にかざす。
ハンカチに縮小した魔法陣が浮かんだ。
「「「!」」」
ジャック、ロンド、メルの目が丸くなる。
「お父様。魔法陣の確認をお願いします。」
「あ、ああ。」
お父様は、ハンカチを手に取り確認していく。
「全く同じだ…。」
「そしたら、他のハンカチにもしてみます。」
同じ事を4回行い、合計5枚の魔法陣ハンカチが完成した。
「ここから、ロックをかけるのですよね。」
5つを繋げて、パスワードを設定。
「できた。…かな?」
「手紙をお持ちします。」
ロンドがまた家へ戻って、今度は便箋と封筒を持ってきた。
そのままでは魔法陣をはみ出そうだ。便箋を4等分に切り、お父様が文字を書いてハンカチの上においた。
「何も起らないな。」
「このハンカチを使う為には、パスワードが必要です。パスワードは、ジパダサ。私達家族の頭の文字にしました。」
「パスワード?」
「頭の中で唱えるか、口に出すかしてみてください。」
「…」
何も起こらない。
「頭の中だけでは駄目なようだ。今度は口に出してみよう。……ジパダサ。」
すると、ジャックの目の前のハンカチから、右のハンカチに手紙が移動した。
「「「!」」」
「ハンカチは私達家族とロンドが持つで良いでしょうか?」
「ああ。そうだな。」
「そんな恐れ多い…。」
「でも、今回の様にロンドに連絡する事も多いと思うのです。私にはルーフやアル、パールがいて伝えてくれるけど、兄様達には必要よね。それに家族間で連絡が取れると便利。そして、宛先ですが、1つずつ名前を刻んでみます。」
サリーナが、ハンカチに名前を念じていくと、驚く事にハンカチの隅にそれぞれの名前が浮かんだ。
「お父様。送りたい相手の名前とパスワードを言ってみてください。」
「…分かった。サリーナ、ジパダサ。」
今度は、ジャックのハンカチからサリーナのハンカチへ手紙が移動した。
「ロンド、ジパダサ。」
サリーナのハンカチから、ロンドのハンカチへ移動する。
できた。…けど、なにか引っかかる。
「あ!」
「リーナ、どうした?」
「ハンカチ…。畳んで持っていたら手紙が届かないかもしれません…。」
「ああ、そうか。私も気づかなくてすまない。折ったら、魔法陣も不安定になるかもしれないな。」
「しかし、この大きさのハンカチでしたらポケットに広げたままでも入りますよ。」
「そうだな。ポケットへ入れて試してみよう。」
試した結果、問題なく送ることができた。
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