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32 アルの行方
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私だけではなく、ルーフ、パールにも呼びかけてもらったが、アルからの返事はない。
「どうしたんだろう?」
「繋がりが切れている感じがしないから、生きてはいるな。」
「どこかで寝ているんじゃない?」
「そうなのかな…。」
“アル…。”
改めて呼び掛けてみる。
“はい、は~い。”
すると、軽い返事が帰ってきた。
“アル!良かった。今どこにいるの?”
“馬車の中。”
“え?どこの?”
“今から帰るよ。”
“アル。ちょっと、”
そこで、話は途切れてしまった。
「全然、話が見えないんだけど…。」
少しすると、ロンドが呼びに来た。
「お客様がいらっしゃいました。」
「お客様?」
「アイザック殿下でございます。」
「………え?」
さっき、別れたばかりよね?
「どういう事?」
「サリーナ様、とりあえず準備をいたしましょう。」
「そ、そうよね。メル、お願い。」
「畏まりました。」
「私は先に挨拶に行ってくるわね。」
そういい、パールが先に部屋を出た。
準備を終えて、急いで応接室に行くと、そこにはアイザック様とアル、パールがいた。
「アル!?」
「ただいまぁ。」
「えーと、何でアイザック様と?」
「襲われた所を助けられたそうよ。」
アイザック様でも、アルでもなく、パールが答える。
「襲われた!?」
「襲われたというか、捕まえられそうになった。」
「大丈夫だったの?怪我はない?」
「ないよ。」
「良かった。連絡も取れないし、心配したのよ?」
「ちょうど、戦ってる所だったから返せなかった。」
「戦う?何で?」
「何でも、犯人を捕まえようとしたらしい。」
「え?えーと…アルを捕まえようとした犯人を捕まえようとした。で、あってる?」
「うん。相手に怪我させると、リーナが困ると思って、気を付けていたら苦戦しちゃった。」
「アル…。」
…なんて賢い子。
「そこに、王子様が通り掛かって、手伝ってもらった。」
「犯人は騎士団に引き渡し済みだから安心して。」
「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました。」
「いや、なんてことないよ。ただ、公爵に話す事ができたから、待たせてもらっても良い?あ、でも城に戻ったほうが早いかな?」
「お父様に連絡して、確認を取ります。…ロンド、お願い。」
「畏まりました。」
ロンドは応接室を出ていった。
「アイザック様、本当にありがとうございました。」
私は改めてお礼を言った。
「良いんだよ。それに、僕は騎士団を呼んだ以外、殆ど何もしてないからね。…アルは強いね。」
「え?そうなのですか?」
私はアイザック様からアルヘ視線を移す。
アルは、得意そうに胸を張っている。
「この子達の強さなど考えた事がありませんでした。」
「魔獣だから攻撃魔法も使えるはずだよ。」
アイザック様の言葉に驚いた。
争う為に3匹を使う事は、頭になかったからだ。
「…そうか。戦争時に契約されていたくらいですものね。」
「そうだね。」
私は3匹を見た。
「皆、自分の力の事は知っているの?」
「「「もちろん。」」」
「僕は、風魔法が使えるよ。」
「俺は、火魔法。」
「私は、闇魔法ね。」
「そうだったのね…。でも、どこで覚えたの。」
「「「さぁ?」」」
「え?分からないの?」
「本能というか。」
「身体が勝手に動く。」
「不思議な感覚よ。」
そんな話をしていると、ロンドが戻ってきた。
「サリーナ様。旦那様との連絡が取れました。」
「どうでした?」
「陛下を交えて、王城で話を聞かせてほしいとのことです。」
「アイザック様…。」
「分かった。すぐに帰るよ。…サリーナ、また明日。」
「はい。…あ、あの、アルも連れて行ってください。状況説明も本人がいた方が良いですよね?」
「そりゃあ、僕も途中からしか分からないし、本人から説明してくれると助かるけど。」
「アル。」
「は~い。行ってくるよ。」
「お願いね。」
「任せて!」
「アイザック様、よろしくお願いいたします。」
こうして、アルはアイザック様と王城へ行くことになった。
「どうしたんだろう?」
「繋がりが切れている感じがしないから、生きてはいるな。」
「どこかで寝ているんじゃない?」
「そうなのかな…。」
“アル…。”
改めて呼び掛けてみる。
“はい、は~い。”
すると、軽い返事が帰ってきた。
“アル!良かった。今どこにいるの?”
“馬車の中。”
“え?どこの?”
“今から帰るよ。”
“アル。ちょっと、”
そこで、話は途切れてしまった。
「全然、話が見えないんだけど…。」
少しすると、ロンドが呼びに来た。
「お客様がいらっしゃいました。」
「お客様?」
「アイザック殿下でございます。」
「………え?」
さっき、別れたばかりよね?
「どういう事?」
「サリーナ様、とりあえず準備をいたしましょう。」
「そ、そうよね。メル、お願い。」
「畏まりました。」
「私は先に挨拶に行ってくるわね。」
そういい、パールが先に部屋を出た。
準備を終えて、急いで応接室に行くと、そこにはアイザック様とアル、パールがいた。
「アル!?」
「ただいまぁ。」
「えーと、何でアイザック様と?」
「襲われた所を助けられたそうよ。」
アイザック様でも、アルでもなく、パールが答える。
「襲われた!?」
「襲われたというか、捕まえられそうになった。」
「大丈夫だったの?怪我はない?」
「ないよ。」
「良かった。連絡も取れないし、心配したのよ?」
「ちょうど、戦ってる所だったから返せなかった。」
「戦う?何で?」
「何でも、犯人を捕まえようとしたらしい。」
「え?えーと…アルを捕まえようとした犯人を捕まえようとした。で、あってる?」
「うん。相手に怪我させると、リーナが困ると思って、気を付けていたら苦戦しちゃった。」
「アル…。」
…なんて賢い子。
「そこに、王子様が通り掛かって、手伝ってもらった。」
「犯人は騎士団に引き渡し済みだから安心して。」
「ありがとうございます。ご迷惑をおかけしました。」
「いや、なんてことないよ。ただ、公爵に話す事ができたから、待たせてもらっても良い?あ、でも城に戻ったほうが早いかな?」
「お父様に連絡して、確認を取ります。…ロンド、お願い。」
「畏まりました。」
ロンドは応接室を出ていった。
「アイザック様、本当にありがとうございました。」
私は改めてお礼を言った。
「良いんだよ。それに、僕は騎士団を呼んだ以外、殆ど何もしてないからね。…アルは強いね。」
「え?そうなのですか?」
私はアイザック様からアルヘ視線を移す。
アルは、得意そうに胸を張っている。
「この子達の強さなど考えた事がありませんでした。」
「魔獣だから攻撃魔法も使えるはずだよ。」
アイザック様の言葉に驚いた。
争う為に3匹を使う事は、頭になかったからだ。
「…そうか。戦争時に契約されていたくらいですものね。」
「そうだね。」
私は3匹を見た。
「皆、自分の力の事は知っているの?」
「「「もちろん。」」」
「僕は、風魔法が使えるよ。」
「俺は、火魔法。」
「私は、闇魔法ね。」
「そうだったのね…。でも、どこで覚えたの。」
「「「さぁ?」」」
「え?分からないの?」
「本能というか。」
「身体が勝手に動く。」
「不思議な感覚よ。」
そんな話をしていると、ロンドが戻ってきた。
「サリーナ様。旦那様との連絡が取れました。」
「どうでした?」
「陛下を交えて、王城で話を聞かせてほしいとのことです。」
「アイザック様…。」
「分かった。すぐに帰るよ。…サリーナ、また明日。」
「はい。…あ、あの、アルも連れて行ってください。状況説明も本人がいた方が良いですよね?」
「そりゃあ、僕も途中からしか分からないし、本人から説明してくれると助かるけど。」
「アル。」
「は~い。行ってくるよ。」
「お願いね。」
「任せて!」
「アイザック様、よろしくお願いいたします。」
こうして、アルはアイザック様と王城へ行くことになった。
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