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第五十九話 地底湖攻略 その二
しおりを挟む鍾乳洞の底にある横穴を潜り抜け、その先に進む。
「ほっ、と」
少し進むと、階段状になっている段差が見えてきた。そこを一足飛びに飛び越える。そのまま段差の下に着地すると、素早く周囲に視線を向ける。
ここまで来れば、もう地底湖は目と鼻の先だ。
「きゃっ!?」
俺が周囲を警戒していると、真上から悲鳴が聞こえてきた。
「あっ……?」
俺が顔を上げようとした、その瞬間だった。
「ぐぇっ!?」
真上から降ってきた柔らかい感触が、俺の顔面に当たった。俺はそのまま落下の衝撃によって、地面の上に倒れ込む。
「うっ……づぅぅうぅぅ……」
なん……だ……何が……。
俺は涙を堪えながら目の前を見た。けれど、目の前にあったのは白い光景だった。
何だ……これ?
俺は目の前の白いモノに向かって、手を伸ばした。
「んひゃあぁぁぁあぁぁぁっ!!?」
俺が目の前の白い布きれをわし掴みにすると、真上から宗方さんの黄色い悲鳴が上がった。
「ちょっ、くくく、黒羽君っ!!? そこっ、らめっ……」
「へっ……何……ぐぶへぁっ!」
宗方さんが慌てた様子でもぞもぞと動き、彼女の太腿が俺の鼻っ面を強打した。
「づぅぅぅううぅぅ……」
俺は鼻先を押さえつけながら、目の前を睨んだ。すると、そこには顔を真っ赤に染め上げて、ぺたんと股間を地面につけて、スカートのお尻の部分を押さえつけている宗方さんがいた。
「……み、見た……?」
「見たって……何が?」
「み、見てないのなら……べ、別に良いわ」
宗方さんは目じりに浮かんでいた珠のような涙を拭うと、立ち上がろうとする。けれど、宗方さんは脚腰の力が抜けてしまっていて、上手く立てないみたいだ。
「ほら、手を貸してやるから」
俺は宗方さんに向かって手を伸ばそうとした。その瞬間だった、
――――ッ。
「づっ……」
強烈な吸血衝動が俺を襲った。
鼻先に残る宗方さんの匂いの残滓に反応するかのように、吸血衝動が今にも爆発してしまいそうになる。
「…………」
それを俺は何とか気合いで呑み込んだ。
あぁ……クソ。本当に……コイツは、キツい……な。
俺は何とか平静を保ちながら宗方さんに向かって手を伸ばした。すると、宗方さんは少し逡巡してから、ゆっくりと俺の手を掴んだ。
宗方さんが俺の手を掴んだことを確認すると、引っ張って立ち上がらせる。
「おい……大丈夫か?」
「う、うん……足を滑らせてしまって。その……あ、ありがとう」
まだ、鼻先には宗方さんの処女特有の匂いが、こびりついている。
取れたてのメープルシロップのような、あるいは芳醇な桃のような柔らかくて甘く、甘く、甘い匂いだ。
少しでも気を抜いてしまえば、このまま、宗方さんを押し倒して、彼女を強姦してしまいそうになる。
そんな俺の気持ちをよそに、宗方さんは顔を朱色に染め、もじもじと太腿を擦り合わせながら、チラチラとこちらの方を見つめている。
「着地……ですわっ!」
「ほっ……と」
「黒羽様、宗方様、すみません。お待たせいたしました」
俺と宗方さんが得も言えない甘ったるい雰囲気になっていると、真上から天宝院と柿崎さん、芒野の三人が飛び降りてきた。
「……行く、ぞ」
俺達は、さらに横穴を進んでいき……やがて目の前の視界が一気にひらけた。
「ふぇ……?」
「凄い……」
目の前に広がっていた光景を見て、宗方さん達はほぼ同時に感嘆の声を上げた。
俺の目の前には巨大な地底湖が広がっている。
「宗方さん、ここは松明は必要ない」
俺はそう言うと頭上を指さした。地底湖の天井はぽっかりと巨大な穴が空いており、その隙間からは青々とした空が覗いている。
「凄ぃ……ね、ねえ……これって地底湖ってやつだよね……」
芒野は目の前に広がる地底湖の方に近づいていき、両手で地底湖の水を掬い取る。芒野は掬い取った水を飲もうとするが、俺はそれを止めさせる。
「やめておけ。飲んだから腹をこわすかもしれん」
「ふぇ……?」
俺が聞いた話では、水源を飲み水にするためにはある条件があり、それは「流れ」があることらしい。
流れがないことによる水質汚染で有名なのはダムの水質汚染だろう。
上流から流れてきた虫や動物の死骸などの有機物のゴミがダムの底に溜まりヘドロとなって、水質を汚染する。
「ふぅーん……でも、地底湖の水はほとんどのところで飲み水にできるぐらいに綺麗だって聞いたことがあるのだけれど」
「それはきちんと人の手で管理された地底湖の話だろ? こんな辺鄙なところにある流れの無い水を飲むのは危険だ」
宗方さんの言う通りに、地底湖の水はそのほとんどが地下から染み出した水が溜まったものである。
通常であれば、良質な腐葉土や砂礫によって染み出てくる過程でろ過されるため地底湖の水は飲料に適しているとされている。
ただ、それは数十年単位で調査されて、きちんと水質を管理されている地底湖の場合の話だ。
水が染み出る途中に金属を含む鉱石類などがあれば、鉱石から染み出した毒素が水に溶け込んでいる危険性もある。
結論としては、よく分からない場所の水は飲まない。
「安全か危険かで言えば……恐らくは安全。ただ、100%安全だとは断言できない」
自然界を流れる生水に100%の保証なんてできない。一見、澄み切った水に見えても、どんな寄生虫や細菌が潜んでいるか分からないからな。
「それに……ここの水を飲まない方が良い理由はもう一つある」
俺は近くの石を拾い上げる。
「ふむ……」
少し大きめの石は結構な重さがある。俺は腕を振り上げると、全力で石を投擲した。放り投げられた石は綺麗な放物線を描きながら、地底湖の真ん中付近に着水する。
「すっごぉーーい……あんな砲丸投げの球みたいな大きさの石を……あれ、百メートル以上飛んでいったんじゃない?」
「かもな……っっ!? 来たぞっ!」
俺が叫ぶと皆の視線が地底湖の方に集まる。俺達が見つめる先で、地底湖の水面に小さな気泡が浮かんできて、やがて地底湖の水面に巨大な水柱が上がった。
「きゃああああぁぁぁぁぁっぁッ!!?」
「な、何っ!? 何が起こったのっ!!?」
突如として挙がった水柱を見て芒野は悲鳴を上げてへたり込み、宗方さんはギョっと目を見開いた。
地底湖の水柱が上がった付近の水面を、巨大なナニカが通り過ぎていく。
「……あれは……何ですの……?」
「分からん。ただ、この地底湖にはとんでもなく巨大でヤバい奴が住んでいるってことだけは分かている」
鑑定のスキルで見ようにも、あの巨大な水棲生物はすぐに水面の奥深くに潜ってしまうせいで正体が全く分からない。
「見えるか? あの地底湖の真ん中に浮かんでいるのが……俺達が探し求めているルーン結晶だ」
俺が指さした先、地底湖の真ん中の中空には、緑色の結晶体が浮かんでいる。
「あれが……ルーン結晶という代物ですの?」
「なるほど……これはまた、厄介なところに浮かんでいますね。アレを取るためにはこの湖を何とかして渡っていかなければならないわけですか」
柿崎さんは広い地底湖を見つめ、すっと目を細めた。
「……冗談でしょ? あんな巨大なサメみたいな化け物が泳いでいる湖なんて渡るどころか、近づくのですら怖いんだけど」
「……どちらかといえば龍といった風貌でしたけれど。ただ、芒野さんのその意見には同意しますわ。少なくともこの湖を渡っていくのは論外ですわね」
「俺もそう思う。ただ、どうにかしてこの地底湖を攻略しなければ、あのルーン結晶は取れない」
俺のクラフティングのスキルであれば、湖を渡るためのボートなり、いかだなりをクラフトすることは可能だ。
ただ、あんな化け物が泳いでいる地底湖に無計画に入るのは、ほとんど自殺行為だ。
「それで黒羽君はどうするつもり? 私達に話した時には秘策がある、と言っていたけれど」
秘策と言うほどのものじゃない。
「単純な話……湖が危険であるならば、水に入らずにあのルーン結晶を取ればいい」
俺はそこで背後に控えているガーゴイル達を見た。
このガーゴイル達は空を飛ぶことのできる飛翔という特性を持っている。コイツらで湖の真上を飛んでいかせて、ルーン結晶を取れば良いとそう思ったのだが。
「ですが……もし、飛翔しているガーゴイルがあの巨大な水棲生物に攻撃されたら?」
「問題はそこだな。見た感じだと、あのモンスターの位階はガーゴイルなんて比べ物にならない」
あの水棲生物の威圧感から察するに、恐らくはあの岩盤竜よりもさらに位階が高いモンスターだと思う。
あくまでも推定だが、位階7か位階8。いや、あるいは……。
「場合によっては……位階9か位階10の可能性もあり得る」
「「「いっ――」」」
俺の言葉にその場にいた全員の表情が凍り付いた。
鑑定のスキルが発動できれば、あの化け物の素性も知れるのだが……。鑑定のスキルを発動させるためには最低でも数秒は相手の身体を視認しつづけなければならない。
「もし、その中で一番下の位階7だと仮定して……黒羽様はあの化け物と正面から戦って勝てると思いますか?」
柿崎さんが恐る恐る尋ねて来た。そんな彼女に俺は首を横に振った。
「まず、不可能だな」
少なくとも今の俺達の戦力では、真正面からやり合っても確実に負ける。それは、ゼクトールやグンダなどの全戦力を投入したところで変わらないだろう。
「ま、そのためのガーゴイル共だ。上手くいけばノーリスクでルーン結晶が手に入る。
万が一に襲撃されても失うのは自我の無いガーゴイルだ。大した痛手でもない」
「確かに……」
俺の言葉に柿崎さんが同意してくれる。
ガーゴイルの最大の特徴は、コイツらには自我が存在しないことだ。
その為、危険な場所に突っ込ませて情報を収集したり、捨て駒のような使い方ができる。その最大の特徴をさっそく生かしてみようじゃないか。
俺は背後に控えていたガーゴイルの内、二体に命令を下した。
俺の命令を受けた二体のガーゴイル達は翼をはためかせながら、地底湖の方に飛んでいく。
「…………っ」
地底湖の真上を飛翔するガーゴイル達は、地底湖の数メートル真上を飛翔しながら、真ん中に浮かぶルーン結晶へと近づいていく。
地底湖の方を注視しているが、今のところは何の変化もない。
これは……、
「いける……か……?」
俺がそう呟いたその時だった。
地底湖の奥底が、微かに振動したような気がした。
「っ……不味いっ!」
俺は慌ててガーゴイル達に指示を出そうとした。だが、それよりも早く地底湖の水面が大きく跳ね上がった。
今までに見たこともない程の巨大な水柱を噴き上げながら、その水柱の中から巨大な顎が出現した。
「ガーゴイルッ!!?」
叫んだ時にはもう遅かった。
水柱の中から出現した巨大な水棲生物の鋭い顎が、中空を飛翔しているガーゴイルを呑み込んだ。
一瞬。
まさに一瞬だった。
気が付いた時には、ガーゴイルの全身が巨大な水棲生物の顎に噛み砕かれ、断末魔の悲鳴を上げる間もなく口の中に消えていった。
巨大な水棲生物は、そのまま跳ねるように地底湖の中へと潜っていく。
「嘘……だ、ろ」
ガーゴイルはHPは元より防御力に秀でたモンスターだ。そのガーゴイルを、一噛みで噛み砕くなんて……。
「っ!!? ガーゴイルッ!! ルーン結晶を――ッ!!」
俺は我に返ると、慌てて残ったもう一匹のガーゴイルに指示を出そうとした。けれど、再び地底湖の水面に巨大な水柱が噴き上がり、真下から飛び出してきた水棲生物の顎によって、もう一匹のガーゴイルも水中へと引きずり込まれていってしまった。
「……ぁ……ぁぁ」
「冗談……でしょう……」
ガーゴイルが居なくなりすっかりと静かになってしまった地底湖を俺達はただただ茫然と見つめることしかできなかった。
確かに俺も、上手くいくとは思っていなかったが……しかし、これは……。
「ね、ねぇ……何の……あの、化け物……は……」
分からない。
先ほど、俺はあの巨大な水棲龍が岩盤竜よりも上位のモンスターだと言ったが、期せずしてそれを実証してしまった。
一瞬。
一瞬だけあの化け物の全貌が見えた。
その姿は巨大な海蛇のような細長い身体をしていた。しかもその身体の表面には、アリゲーターのような重厚な鱗がびっしりと生えていた。
その巨大な咢を持つ凶暴な顔は、まるで古代の獰猛な水棲恐竜を彷彿とさせる。
ほんの一瞬だけ、あの巨大な水棲龍と目が合ったが、その瞬間に俺の背筋にぞぞっと怖気が奔った。
やられていたのはガーゴイルの筈なのに、瞳を見ただけで俺は自分の身体が食い千切られる姿を幻視してしまった。
あれは、ヤバい。
どうやらこの地底湖に生息したのは、俺達の想像を数段超えるほどのとんでもない化け物だったらしい。
少なくとも今の俺では、あの化け物と戦うどころか傷一つすら付けられないと思う。それほどまでに彼我の実力に差があり過ぎる。
「皆……念のために、湖から距離を取れ」
あの大きさだから、あり得ないとは思うが、念のために俺達は地底湖から十分な距離を取る。
「しっかし……とんでもねぇ化け物だな」
サメなどの一種は時に獲物を仕留めるために海面から飛び上がり、獲物をその鋭い顎で捕食することがあるらしいが、あの巨大な水棲生物もまさにそれだ。
まさか、あの巨体で水面から飛び出してくるとは流石に想定していなかった。
未だに身体の震えが止まらない。
「く、黒羽君。ど、どうするの……?」
あの光景をまざまざと見せつけられて小刻みに震えながら宗方さんが尋ねてきた。
「どうするも何も、どうもできねぇだろ」
一応、まだこちらにはガーゴイルが二匹残っている。ただ、コイツらを向かわせたところで先の二の舞になることは目に見えている。
やはり、あの地底湖の真上に浮かぶルーン結晶を取る為には、あの巨大な化け物を先にどうにかする必要があるみたいだ。
「た、倒せってこと? あの巨大な化け物を……?」
「まあ、有り体に言えば、そういうことだな」
俺の言葉に芒野が即座に首を横に振った。
「そんなの無理に決まってんじゃんっ! 黒羽だって見たでしょ、あの巨大な姿をッ!!」
確かに……あの地底湖に潜む巨大な水棲生物は、俺が想定したよりも遥かに巨大な体躯を誇っていた。
それに、あの威圧感から岩盤竜などとは比べ物にならないほどに高位のモンスターであろうことも分かった。
「黒羽君。何か……他に策はないの?」
策……か。
「一応、あるにはある」
ただ、その為にはまず確かめて見なければならないことがある。俺は地底湖の方に近づくと、その水面に手のひらを浸してみた。
「……なるほど」
水面を見つめていた俺は、何度か頷いた。
いける。
これなら……恐らく、あの巨大な生物を仕留めることができる。
できる、が……一つだけ問題がある。
「地底湖がどれほど広いかがまったく分からないってことか……」
俺がこれからやろうとする策は、この地底湖がどこにも繋がっていない閉じられた環境であることが前提条件だ。
もし、地下水脈などで外の湖などと繋がっていた場合は、前提条件から崩れ去る。
それに……。
俺は手のひらを振り、水滴を落としながら頭上を見上げた。俺の視線の先には天井付近にぽっかりと空いた穴があり、その向こうには青空が広がっている。
「…………」
俺はしばらく地底湖の天井に空いた穴を見つめて、頭を振ると、宗方さん達のところに戻った。
「あ、あの……?」
「あぁ、スマン。少し試したいことがあってな。
結論から言えば……可能だと思う。恐らくだが……この策が上手くいけば、あの化け物は殺せる」
俺の言葉に皆がギョっと目を見開いた。
「う、嘘ですわよね。あの巨大な生物を……殺せるですって?」
「あぁ、もちろん確実に断言できるわけじゃないが」
ただ、この策を実行するのは、かなりの抵抗がある。
確かに、この策ならばあの巨大な水棲生物を殺すことはできると思う。
「問題は……それをやると、あの巨大な水棲生物だけじゃなく。この地底湖の生態系を修復不可能なレベルでぶっ壊すことになる、ってことだな」
まだ試していないから何とも言えないが、この策を実行に移すと、ほぼ確実にこの地底湖を破壊し尽すことになる。
あの水棲龍は正真正銘の化け物だ。そんな化け物を確実に殺そうとするならば、一切の手加減ができない。
この策を実行すれば、確実に……この地底湖の環境を跡形もなく破壊し尽すことになると思う。
「嘘でしょ。地底湖を丸ごとぶっ壊すって……く、黒羽君って……」
芒野は俺の発言を聞いて、表情をヒクつかせている。何やら変に勘繰られてしまっているようなきがするが、まあ良いか。
ぶっ壊す、というのは何も物理的な意味ではないのだがな。
「…………」
俺は顎先に手を当てて、しばし黙考する。
あのルーン結晶はぜひとも欲しいが、この地底湖を跡形もなく破壊することで周囲の生態系にどんな悪影響が出るか分からない。
自然界と言うのは人間が考えているよりも遥かに複雑なサイクルを繰り返している。
場合によっては、この地底湖を破壊したせいで付近一帯の植物に悪影響が出てしまうかも知れないし、付近を流れる河川にどんな影響が出るかも分からない。
それに、今の俺で果たしてそこまで耐えられるのかという問題点もある。
「能力的にも少し不安があるな……何よりそこまで俺のMPが保つかどうか、だな」
俺の考えが正しければ、この策は一回しかチャンスがない。
その一回であの巨大な水棲龍を殺し切れなければ、恐らくあのルーン結晶は二度と手に入れられなくなってしまう。
この策を実行する場合は、絶対に失敗が許されない。
「増田さんに協力を仰ぐのは絶対条件だとしても……」
俺は顎先に手を当てて、成功率を考えて、静かに首を振った。
「ダメだな。今は……まだ実行に移す時じゃない」
今の俺の能力では成功するかどうかかなりギリギリのラインだ。一応はこの策を実行するのに必須のスキルを保有しているは、いるのだが……。
「帰ろう。今は大人しく退いた方が賢い」
今はこの地底湖のルーン結晶に固執するより、他の二つを攻略できないかを考える方が先決だと思う。
焦る必要はない。
ルーン結晶が逃げるわけじゃない。
ここは大人しく退いて、この策が確実に実行できるようになるまで俺自身を強化してから挑むべきだ。
俺の言葉に誰も異論をはさむことはなかった。俺は宗方さん達を連れて、地底湖を後にした。
応援ありがとうございます!
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