9 / 13
第9章
「色は明るく丁寧に」
しおりを挟む信也『‥‥今度は買い出しですか?』
アクター『そう、だから今日はお休み~♪っていつも休んでいるようなものだけどね(笑)
まぁ、買い出しっていうのは建前で、彼女のデータを収集してきてほしいんだ。』
信也『データでしたら‥‥普段の彼女に、HTTをつけていた方が‥‥』
アクター『ごめんごめん、データと言っても、数字としてじゃないんだ、彼女の隣にいて、他人と接している彼女の行動が普通の人間から『ごく普通の人間』かどうか、人に『溶け込んでいるか』を見てほしいんだよー!確認してほしいんだよー!』
信也『…それは‥必要ですか?以前から‥‥彼女は普通に買い物に出掛けてるのでは‥‥?なら』
アクター『うん、買い物は普通にできる、町の人間も彼女が屋敷の使用人だって事は知っているんだよー』
信也『?‥‥じゃあ、それなら余計に‥‥』
アクター『‥‥僕達は彼女がhumanoidと知っているからある意味、接する部分がある、それは(解っている)から。それではダメなんだ。彼女は『人間と同じ』でなくてはならない。それが完成形なんだ。『何も知らない赤の人間』に『人間』だと認識させなくてはならない。買い物は出来ても周りの人間に溶け込めなかったら意味がない。』
信也『‥‥。』
アクター『ふふ、何で俺が‥‥って顔だね(笑)いやー、僕は政府の設定上『屋敷の主人』なんだよー、主人と使用人が一緒に買い出しは難しいでしょ?それに大富豪設定になってるんだ(笑)』
信也『‥‥‥‥了解しました。任務なので。』
アクター『うん!やったぁーー!!あ‥一緒に行く2人はどうゆう設定にしよう‥‥友人?いや、おかしい‥‥同じ使用人‥‥‥‥‥‥あ!!!夫婦にしよう!!!』
信也『!?っ何をっ!』
アクター『ふふ、それが1番いいね!』
信也『いえ!それは‥‥使用人の方が傍から見ても普通に見えるので、それに、今から『夫婦』なんて慣れない態度に違和感が出ます!余計に怪しまれてします!彼女の方もすぐには‥‥っ役者みたいに切り替えることはっ!』
アクター『‥‥ふふ、あはは!そう?面白くていいと思ったんだけどなぁ‥‥君がそう言うなら』
信也『‥‥‥‥俺は庭師あたりや、荷物持ちなどが無難かと‥‥』
アクター『えーーー‥‥つまらないけど‥‥仕方ないか。』
信也『つまらないって‥‥』
アクター『じゃあそれで決定!服も変えなきゃね!‥‥君の服は使用人って服じゃないから。』
そう、俺のここでの普段の格好は軍服の上着を脱いだ格好‥‥
確かに使用人には見えないな。
アクター『服はあるからさ、部屋にカエデに持っていかせるから、着替えて出発して、町まで遠いから馬車を使って行ってもらうよ』
信也『使用人に馬車ですか?』
アクター『大金持ちだからね!』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
トントンっ
扉の叩く音、俺は複雑な感情のまま答えた。
カエデ『神木様?服をご用意致しました。』
信也『はい、どうぞ、』
ガチャ
カエデ『ありがとうございます。神木様、服のご用意をしました、サイズ等ありますので‥‥いくつかご用致しましたので、合わせて‥‥あ、失礼しますね、シャツにベストにパンツ‥‥えーっと‥‥これかなぁと。』
信也『…使用人見えたらいいのですが‥‥』
カエデ『っふふ、神木様はとても高貴な方だから‥‥服を変えてもわかってしまうでしょうね!』
信也『…そんな…全くもって高貴など‥‥戦いに身を置いてきたもので』
カエデ『‥‥そうですよね、戦場で‥‥あ!これがピッタリかな?‥‥じゃあパンツは‥‥‥‥‥‥あの‥‥少し、伺ってもいいですか?』
どこか楽しそうに俺の服を合わせていた彼女がふと聞いてきたのだ。
信也『‥‥はい。』
カエデ『神木様が‥‥楽しいと感じる時はどんな時ですか?』
信也『‥‥?』
カエデ『あ、すみません!!変な事を聞いてしまって‥‥』
信也『いえ‥‥』
カエデ『あぁ!このサイズで大丈夫そうですね!!』
聞いてはいけないと思ったのか、慌てている様子で話す彼女に…
信也『‥あるにはあるのですが‥‥』
カエデ『!』
信也『一つだけ‥‥』
カエデ『はい!!それはっ!』
信也『‥‥!‥‥大したことじゃないのですが‥‥‥‥出掛けるのとか‥‥外に出ていくことは楽しく感じます。』
カエデ『‥‥あ‥‥そう、なんですね!!ふふふ!今日は!楽しみましょうね!』
信也『‥‥そうですね。』
カエデ『では‥‥これが神木様の服です。私も着替えてまいります。‥20分程で用意ができますのでまた、お部屋に伺います!では!失礼致します!』
バタンっ
信也『‥‥。』
突然、ハリケーンの様に勢いよく反応する彼女に俺は‥‥また驚いた。
この前の彼女といい‥‥突然『人間』に近い部分を見せられると驚きと同時に‥‥何故か‥‥今の俺はどこか、ホッとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる