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12 ハーフエルフ②
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ハーフエルフの男性、名前はトンガラッタさん。
美形で中性的な顔立ちをしている。本人から「男性だよ」と言われたので、性別は間違いない。
……自分のことを「男性」だと言う辺り、中性的な顔立ちで何かと苦労があったのかな。
ちょっと想像したけど、碌なことではないだろうな。
「ねえ、トンガラッタさん」
「なんだい、アンコ君」
「トンガラッタさんはハーフエルフだよね。やっぱり人よりも寿命が長いの?」
一般的にエルフの寿命は280から300歳と言われている。
人間の血が混じっているハーフエルフは、その半分ぐらいかなと思うのだけど。
「そうだね、エルフと変らないかな」
「ハーフエルフなのに?」
「ハーフエルフは人の血よりもエルフの血が濃いんだ。逆に、エルフの血より人の血が濃い場合、そもそもハーフエルフにはならない」
つまり、人間とエルフの子どもが必ずしもハーフエルフになるわけじゃないのか。
「ちなみに、トンガラッタさんは何歳なの?」
「僕かい? 僕は150歳さ」
「おお、全然見えない」
18歳の見た目だ。
摩訶不思議のアンチエイジングでも通っていたと言われても納得してしまう肌艶だぞ。
……女性だと自己紹介されても違和感がないぞ。
あれ? そんなに長生きだったら、相応の知識を持っているのでは?
俺はタベレナ、モンスさんと同じ内容の話をトンガラッタさんに話してみた。
「なるほど。確かに創るだけじゃダメだね。生産性がないと」
「うん。だから、今回はモンスさんがお金払っても満足できる絵を描こうと思って」
「それはいいことだ」
「それで絵をいくつか書こうと思うんだけど、色を付けたいんだ」
「色があったほうが絵が綺麗だしね」
「でも、色をどうやって付ければいいのか分からないんだ」
前世なら絵具というものがあるんだけど、この世界にもあるのか分からないし。
「トンガラッタさん、何かいい方法知らない」
「知っているとも。私を誰だと思っているんだい、ハーフエルフさんだぞ」
「おお!」
決め顔が似合うイケメンだ。
「私の里でも趣味で絵を描くものがいた」
「エルフの里?」
「ああ。生まれは人の国なんだが、50歳まではエルフの里に住んでいたんだ。叔父の家に世話になっていてね、そのとき勉強の一環として絵を描いたものだ」
そういえば、小学生の夏休みの宿題で絵の提出があったな。
あれは、勉強の一つとしてエルフは捉えているんだな。
「そのとき、染料の作り方を教わった。君にも教えよう」
「ええ。いいの?」
「構わないさ。代わりといってはなんだが、君が言っていた木の板を僕にもくれないかい?」
「木の板を?」
「ああ。叔父のお土産にしようと思う。叔父も絵が大好きだからね」
「うん。分かった」
良い人だな~。逆にこっちが申し訳なくなっちゃうよ。
その日の夕飯の時間帯、トンガラッタさんのおかずが一品増えた。
アスパラガスに似た野菜、みどりツクシに薄切りにしたゴブリン豚を巻いて焼いた、アスパラガスの豚肉巻きモドキ。塩で軽く味調整も欠かせない。
俺からのサービスにトンガラッタさんは喜んでくれた。味の方もバッチリだったようで、目を輝かせながら美味しそうに食べてくれた。
美形で中性的な顔立ちをしている。本人から「男性だよ」と言われたので、性別は間違いない。
……自分のことを「男性」だと言う辺り、中性的な顔立ちで何かと苦労があったのかな。
ちょっと想像したけど、碌なことではないだろうな。
「ねえ、トンガラッタさん」
「なんだい、アンコ君」
「トンガラッタさんはハーフエルフだよね。やっぱり人よりも寿命が長いの?」
一般的にエルフの寿命は280から300歳と言われている。
人間の血が混じっているハーフエルフは、その半分ぐらいかなと思うのだけど。
「そうだね、エルフと変らないかな」
「ハーフエルフなのに?」
「ハーフエルフは人の血よりもエルフの血が濃いんだ。逆に、エルフの血より人の血が濃い場合、そもそもハーフエルフにはならない」
つまり、人間とエルフの子どもが必ずしもハーフエルフになるわけじゃないのか。
「ちなみに、トンガラッタさんは何歳なの?」
「僕かい? 僕は150歳さ」
「おお、全然見えない」
18歳の見た目だ。
摩訶不思議のアンチエイジングでも通っていたと言われても納得してしまう肌艶だぞ。
……女性だと自己紹介されても違和感がないぞ。
あれ? そんなに長生きだったら、相応の知識を持っているのでは?
俺はタベレナ、モンスさんと同じ内容の話をトンガラッタさんに話してみた。
「なるほど。確かに創るだけじゃダメだね。生産性がないと」
「うん。だから、今回はモンスさんがお金払っても満足できる絵を描こうと思って」
「それはいいことだ」
「それで絵をいくつか書こうと思うんだけど、色を付けたいんだ」
「色があったほうが絵が綺麗だしね」
「でも、色をどうやって付ければいいのか分からないんだ」
前世なら絵具というものがあるんだけど、この世界にもあるのか分からないし。
「トンガラッタさん、何かいい方法知らない」
「知っているとも。私を誰だと思っているんだい、ハーフエルフさんだぞ」
「おお!」
決め顔が似合うイケメンだ。
「私の里でも趣味で絵を描くものがいた」
「エルフの里?」
「ああ。生まれは人の国なんだが、50歳まではエルフの里に住んでいたんだ。叔父の家に世話になっていてね、そのとき勉強の一環として絵を描いたものだ」
そういえば、小学生の夏休みの宿題で絵の提出があったな。
あれは、勉強の一つとしてエルフは捉えているんだな。
「そのとき、染料の作り方を教わった。君にも教えよう」
「ええ。いいの?」
「構わないさ。代わりといってはなんだが、君が言っていた木の板を僕にもくれないかい?」
「木の板を?」
「ああ。叔父のお土産にしようと思う。叔父も絵が大好きだからね」
「うん。分かった」
良い人だな~。逆にこっちが申し訳なくなっちゃうよ。
その日の夕飯の時間帯、トンガラッタさんのおかずが一品増えた。
アスパラガスに似た野菜、みどりツクシに薄切りにしたゴブリン豚を巻いて焼いた、アスパラガスの豚肉巻きモドキ。塩で軽く味調整も欠かせない。
俺からのサービスにトンガラッタさんは喜んでくれた。味の方もバッチリだったようで、目を輝かせながら美味しそうに食べてくれた。
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