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第一章 戦士帰還編
第三話 一人と一機
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エルナ達が出ていった後の砦。バートは押し込まれた『仮設本部』の中は、現在バートとユッタの二人きりだった。
さっきまでは数人の男の姿があったが、味方が後退してくるという電信が入ってすぐに戦闘準備のため出ていった。
そして、バートは起きてからというものずっと鈍い痛みが支配している胸に意識を集中して、静かに遠くの戦況を感じ取っていた。
「また味方が一機やられた……なぁ、一体お前らのあれ、えっと……」
「……ノウストレータ、ですか?」
突然の質問に驚きながら、扉近くに立っていたユッタは確認した。
「そうそれだ、でそのノウストレータってのはレヴォグラディオとは違うのか? まったく敵に歯が立ってないように見えるんだけど……」
「ノウストレータはレヴォグラディオをもとに私たちの国が開発した『電気』で動く大型兵器です。ただ、レヴォグラディオに比べてかなり性能は劣っているのが現状です……。でも、見える、ってどういう……」
ユッタはバートの質問に疑問を抱いた。バートは目覚めてからずっとこの砦の中にいるため、ノウストレータの戦闘を目にしていないはずだ。先ほどのエルナとの会話から考えるに先日目覚める前にどこかで見ていたという可能性も低いだろう。しかし、彼はいま戦場が見えているかのように話している。
しかし、バートはそんなユッタの疑問ではなくまったく別の単語に食いついた。
「電気? なんだ、それ?」
「え……?」
ユッタはバートに驚きの視線を向ける。
少なくとも現在この大陸において、人が住む地域でこれを知らない者はいないだろう。しかし目の前の青年は本気で首を傾げている。
「で、電気、知らないんですか……?」
「あぁ、悪いけど聞いたことないな。できれば詳しく聞きたいところなんだけど、敵に隊長機クラスのが出てきた、ちょっとこれはまずいんじゃないか?」
「え、どういうことですか?」
「戦況がどんどん悪化してるってことだ」
バートの言葉にユッタは疑いと困惑の混ざった眼差しを向ける。
「一体何を言ってるんですか? あなたには、戦場が見えてるみたい、なのですが……」
「見えてるっていうか、感じてるっていうか……んと、説明するのがちょっと難しいな……」
バートはそう言って頭を掻いていたが、すぐにその目は真剣そのものに変わった。
「説明は後にして、俺に行かせてほしい」
「そ、それは……」
バートの言葉に、ユッタは言葉を詰まらせた。
目の前の青年の言葉は容易に信じられるものではない。それに、彼女は上司であるエルナからバートを出すなというように命令されていた。そう簡単に命令に背くわけにはいかない。
しかし、バートは先ほどよりも焦りを濃くした声で続ける。
「今こうしている間にも二機やられた。時間がない。このままだと全滅もあり得る」
「そ、そんな……」
その言葉に、ユッタは最悪の光景を思い浮かべる。だがすぐにさっきまでとは違う強い視線をバートに向ける。
「どうやって、あなたを信じろっていうんですか?」
「確かに、今は証拠なんてない。だけど、俺ならこの状況を何とかできる」
両者は互いに視線を逸らさず、相手の目を見つめる。
「あなたに、その力があると?」
「あぁ、約束する」
室内は静寂に包まれていた。
互いの視線が交差する中、遂に折れたのはユッタの方だった。
表情を普段の柔らかなものに戻すと、ユッタは静寂を破った。
「わかりました、あなたの出撃を許可します」
「本当かっ? じゃあすぐに……」
「待ってください」
部屋を飛び出そうとしたバートに、ユッタが待ったをかけた。
「なんだよ?」
「行く前に、一つ約束してください」
ユッタは真直ぐにバートの瞳を見つめる。
「必ず、みんなとここに戻ってきてください」
彼女の言葉に、バートは遠い昔の光景を思い出す。
「……あぁ、当たり前だ」
拳を強く握り、バートは絞りだすように答える。
「俺はもう、約束を破ったりなんかしねぇよ」
静かに答えたバートにユッタが頷くと、二人は部屋から出る。
「彼を出撃させますっ! 開門準備してくださいっ!」
「い、いいのですか?」
部屋の外に控えていた男が驚きの声をあげた。
「全責任は私が負います。私は、この人に賭けますっ!」
言い終えると二人は砦内中央広場の隅へと走る。
そこには、回収されたマグナモールの姿があった。
バートは浅黄色の機体を見上げる。
「ガスタン……お前のマグナモール、もうちょっと借りるぞ」
小さく機体に語り掛けると、バートは機体の外装に取り付けられた取っ手に足をかけ登り始める。
「発見してから何もメンテナンスしてませんが、大丈夫ですか?」
心配そうに眼下から問いかけるユッタの声に、バートは笑って答えた。
「当たり前だ、こいつは『レヴォグラディオ』だぜ」
言い切るとバートは開いたままのコックピットに滑り込む。
コックピット内部の無数の機器を素早く点検すると、バートはマグナモールの炉を起動させる。
ゴォォォ、という騒々しい音を立て炉が稼働し、機体全体にエネルギーが送られていく。それと同時に、バートの胸には先ほどと比べ物にならないほどの激痛が走り始めた。
「ッ……ほぅら、どこも不調はなしっとッ……」
バートは胸の痛みに顔を顰めつつもハッチを閉じると、頭上に設置されていた外界視認装置をおろし頭にかぶる。
それから、機体をゆっくりと立ち上がらせ、一緒に回収されていた巨大な槌を拾い上げた。
砦内では、突如立ち上がった謎の巨人に驚きの声が上がっている。
しかし、そんなものは気にもせず、バートは開門準備を済ませた扉へ向かう。
「それじゃあよろしく頼むぜ、マグナモールッ!」
開門と同時に、恐ろしい速度でマグナモールが地を蹴る。瞬く間に加速した機体はすぐに小さくなり見えなくなった。
ユッタはその背中を見送り、小声で呟いた。
「どうか、ダリウスさんを、みんなをお願いします……」
◇
現場に到着したバートは今まさにエルナの乗る機体に凶器を振り下ろさんとしていた敵機を殴り飛ばし、倒れるエルナ機の前に立った。
「……よぉ、お前等……。千年ぶりだなぁッ!」
バートは一声吼えると次の獲物へと肉薄し、手にした巨槌を振り下ろす。
轟音と粉砕された鉄片が宙を舞い、次々と巨人の骸が積みあがっていく。
「な、なんなんだ、あの機体は……」
生き残っていたヴェルラトールの操士たちは呆気に取られて立ち尽くす。それを尻目にバートは瞬く間に敵を殲滅していく。
だが、コックピットの中のバートは苦い笑みを浮かべていた。
「くそッ、消耗が早いなッ……」
バートは激しく痛む胸を押さえる。いつの間にかバートの心臓の辺りが光を発し、皮膚からは鋼の様な膜が浮き始めていた。視界も段々と霞み、操縦桿を握る腕も震えてきている。
「やっぱり、抗剤無しで本気出すには、限界がある、かッ!」
毒づきながらも武器を振るい、一機、また一機と敵を撃破していく。
そんな中、バートはある異変に気付いた。
(こいつら、以前よりも行動が複雑になってる……。集団戦法、か……?)
彼の記憶の中にある敵は、ただひたすら一塊になって押し寄せてくるだけであったが、目の前の敵は以前よりも数を活かして動いているように見えた。
しかし、若干首を捻ったもののバートは変わらずに殲滅を続ける。
「あと、一機ッ!」
躱す暇も与えずに最後の一機を地面に叩きつけたとき、バートの視界が揺れた。
「ちくしょ、う……だが、まぁ、目的達成、か……」
バートの意識が再び闇に吸い込まれるのと同時に、マグナモールもその膝を着いた。
その頭上、さっきまで空を覆っていた灰色の雲が割け、夕刻の斜陽が浅黄色の機体を赤々と照らしている。
「そんな……たった一機で、この数を……」
残されたエルナ達は、暫くその光景を見つめ黙していた。
さっきまでは数人の男の姿があったが、味方が後退してくるという電信が入ってすぐに戦闘準備のため出ていった。
そして、バートは起きてからというものずっと鈍い痛みが支配している胸に意識を集中して、静かに遠くの戦況を感じ取っていた。
「また味方が一機やられた……なぁ、一体お前らのあれ、えっと……」
「……ノウストレータ、ですか?」
突然の質問に驚きながら、扉近くに立っていたユッタは確認した。
「そうそれだ、でそのノウストレータってのはレヴォグラディオとは違うのか? まったく敵に歯が立ってないように見えるんだけど……」
「ノウストレータはレヴォグラディオをもとに私たちの国が開発した『電気』で動く大型兵器です。ただ、レヴォグラディオに比べてかなり性能は劣っているのが現状です……。でも、見える、ってどういう……」
ユッタはバートの質問に疑問を抱いた。バートは目覚めてからずっとこの砦の中にいるため、ノウストレータの戦闘を目にしていないはずだ。先ほどのエルナとの会話から考えるに先日目覚める前にどこかで見ていたという可能性も低いだろう。しかし、彼はいま戦場が見えているかのように話している。
しかし、バートはそんなユッタの疑問ではなくまったく別の単語に食いついた。
「電気? なんだ、それ?」
「え……?」
ユッタはバートに驚きの視線を向ける。
少なくとも現在この大陸において、人が住む地域でこれを知らない者はいないだろう。しかし目の前の青年は本気で首を傾げている。
「で、電気、知らないんですか……?」
「あぁ、悪いけど聞いたことないな。できれば詳しく聞きたいところなんだけど、敵に隊長機クラスのが出てきた、ちょっとこれはまずいんじゃないか?」
「え、どういうことですか?」
「戦況がどんどん悪化してるってことだ」
バートの言葉にユッタは疑いと困惑の混ざった眼差しを向ける。
「一体何を言ってるんですか? あなたには、戦場が見えてるみたい、なのですが……」
「見えてるっていうか、感じてるっていうか……んと、説明するのがちょっと難しいな……」
バートはそう言って頭を掻いていたが、すぐにその目は真剣そのものに変わった。
「説明は後にして、俺に行かせてほしい」
「そ、それは……」
バートの言葉に、ユッタは言葉を詰まらせた。
目の前の青年の言葉は容易に信じられるものではない。それに、彼女は上司であるエルナからバートを出すなというように命令されていた。そう簡単に命令に背くわけにはいかない。
しかし、バートは先ほどよりも焦りを濃くした声で続ける。
「今こうしている間にも二機やられた。時間がない。このままだと全滅もあり得る」
「そ、そんな……」
その言葉に、ユッタは最悪の光景を思い浮かべる。だがすぐにさっきまでとは違う強い視線をバートに向ける。
「どうやって、あなたを信じろっていうんですか?」
「確かに、今は証拠なんてない。だけど、俺ならこの状況を何とかできる」
両者は互いに視線を逸らさず、相手の目を見つめる。
「あなたに、その力があると?」
「あぁ、約束する」
室内は静寂に包まれていた。
互いの視線が交差する中、遂に折れたのはユッタの方だった。
表情を普段の柔らかなものに戻すと、ユッタは静寂を破った。
「わかりました、あなたの出撃を許可します」
「本当かっ? じゃあすぐに……」
「待ってください」
部屋を飛び出そうとしたバートに、ユッタが待ったをかけた。
「なんだよ?」
「行く前に、一つ約束してください」
ユッタは真直ぐにバートの瞳を見つめる。
「必ず、みんなとここに戻ってきてください」
彼女の言葉に、バートは遠い昔の光景を思い出す。
「……あぁ、当たり前だ」
拳を強く握り、バートは絞りだすように答える。
「俺はもう、約束を破ったりなんかしねぇよ」
静かに答えたバートにユッタが頷くと、二人は部屋から出る。
「彼を出撃させますっ! 開門準備してくださいっ!」
「い、いいのですか?」
部屋の外に控えていた男が驚きの声をあげた。
「全責任は私が負います。私は、この人に賭けますっ!」
言い終えると二人は砦内中央広場の隅へと走る。
そこには、回収されたマグナモールの姿があった。
バートは浅黄色の機体を見上げる。
「ガスタン……お前のマグナモール、もうちょっと借りるぞ」
小さく機体に語り掛けると、バートは機体の外装に取り付けられた取っ手に足をかけ登り始める。
「発見してから何もメンテナンスしてませんが、大丈夫ですか?」
心配そうに眼下から問いかけるユッタの声に、バートは笑って答えた。
「当たり前だ、こいつは『レヴォグラディオ』だぜ」
言い切るとバートは開いたままのコックピットに滑り込む。
コックピット内部の無数の機器を素早く点検すると、バートはマグナモールの炉を起動させる。
ゴォォォ、という騒々しい音を立て炉が稼働し、機体全体にエネルギーが送られていく。それと同時に、バートの胸には先ほどと比べ物にならないほどの激痛が走り始めた。
「ッ……ほぅら、どこも不調はなしっとッ……」
バートは胸の痛みに顔を顰めつつもハッチを閉じると、頭上に設置されていた外界視認装置をおろし頭にかぶる。
それから、機体をゆっくりと立ち上がらせ、一緒に回収されていた巨大な槌を拾い上げた。
砦内では、突如立ち上がった謎の巨人に驚きの声が上がっている。
しかし、そんなものは気にもせず、バートは開門準備を済ませた扉へ向かう。
「それじゃあよろしく頼むぜ、マグナモールッ!」
開門と同時に、恐ろしい速度でマグナモールが地を蹴る。瞬く間に加速した機体はすぐに小さくなり見えなくなった。
ユッタはその背中を見送り、小声で呟いた。
「どうか、ダリウスさんを、みんなをお願いします……」
◇
現場に到着したバートは今まさにエルナの乗る機体に凶器を振り下ろさんとしていた敵機を殴り飛ばし、倒れるエルナ機の前に立った。
「……よぉ、お前等……。千年ぶりだなぁッ!」
バートは一声吼えると次の獲物へと肉薄し、手にした巨槌を振り下ろす。
轟音と粉砕された鉄片が宙を舞い、次々と巨人の骸が積みあがっていく。
「な、なんなんだ、あの機体は……」
生き残っていたヴェルラトールの操士たちは呆気に取られて立ち尽くす。それを尻目にバートは瞬く間に敵を殲滅していく。
だが、コックピットの中のバートは苦い笑みを浮かべていた。
「くそッ、消耗が早いなッ……」
バートは激しく痛む胸を押さえる。いつの間にかバートの心臓の辺りが光を発し、皮膚からは鋼の様な膜が浮き始めていた。視界も段々と霞み、操縦桿を握る腕も震えてきている。
「やっぱり、抗剤無しで本気出すには、限界がある、かッ!」
毒づきながらも武器を振るい、一機、また一機と敵を撃破していく。
そんな中、バートはある異変に気付いた。
(こいつら、以前よりも行動が複雑になってる……。集団戦法、か……?)
彼の記憶の中にある敵は、ただひたすら一塊になって押し寄せてくるだけであったが、目の前の敵は以前よりも数を活かして動いているように見えた。
しかし、若干首を捻ったもののバートは変わらずに殲滅を続ける。
「あと、一機ッ!」
躱す暇も与えずに最後の一機を地面に叩きつけたとき、バートの視界が揺れた。
「ちくしょ、う……だが、まぁ、目的達成、か……」
バートの意識が再び闇に吸い込まれるのと同時に、マグナモールもその膝を着いた。
その頭上、さっきまで空を覆っていた灰色の雲が割け、夕刻の斜陽が浅黄色の機体を赤々と照らしている。
「そんな……たった一機で、この数を……」
残されたエルナ達は、暫くその光景を見つめ黙していた。
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