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chapter.1
dunno
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気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
知らない人なのに。
皆はあの人の事をリシュだと言ったし、確かに、リシュとして接していた。
知らない誰かが、リシュとしてそこに存在して。
気持ち悪い。なんなんだ一体。
みんなもおかしいよ、なんでリシュじゃないのに気づかないの?
どうなっているのか分からない、気持ち悪い……
なんだか力が抜けてしまって、僕は近くの公園の芝生に座り込んだ。
エマ「どうしたらいいんだろう…」
ニャーン
エマ「猫…?」
顔を上げると黒い猫がこちらをじっと見ていた。
🐈⬛「…猫と言えば、猫だが」
エマ「う、うわ!?猫が喋った!??!」
🐈⬛「まあ、喋ったと言えば喋った」
エマ「うわああ!がっつり喋ってるよ!!」
夢でも見ているのかと、頬をつねる。
エマ「…痛い。」
🐈⬛「夢じゃないだろう?」
エマ「う、うん…」
🐈⬛「…それで、キミ、困ってるんじゃないの?」
エマ「!…そうなの。親友が、突然知らない人になってて…あ、いや…意味わからないと思うんだけど…」
🐈⬛「わかるよ、大丈夫。僕はキミを助けに来たんだ」
エマ「助けに…?」
🐈⬛「リシュにもう一度会いたいかい?」
エマ「…!!会いたいに決まってる!!!」
🐈⬛「そう言うと思ったよ。」
シエル「…エマ!!」
エマ「あ…シエル…。」
シエル「急に飛び出してって、探したよ」
シエルの息はとても乱れて、浅くなっていた。
エマ「…ごめん。」
シエル「いや…無事だったからそれでいいんだよ。…ところで、誰と喋ってたの?」
エマ「実は今ね、猫ちゃんが…あれ?」
気付くともう喋る黒猫の姿は無かった。
エマ「さっきまで猫ちゃんがいたんだけど…」
シエル「エマ、猫と喋ってたの?」
エマ「あ…うん。あはは、」
シエル「それで、どうして急に飛び出したりしたのさ。変なことも言ってたし、どうしたの?」
エマ「…一応聞くけど、皆で盛大なドッキリとか企画してたりする?」
シエル「いいや、全く。」
エマ「そうだよねぇ…。」
シエル「エマ、ちゃんと話して欲しいな。」
エマ「うー…あのね…きっと何言ってるか分からないと思うんだけど。」
シエル「うん」
エマ「…あの人、リシュじゃないよ」
僕はおかしなことなんて言ってないつもりだ。
けれど、さっきの病室での皆の反応を思い返すと自分がおかしいような気がした。
けれどシエルは、そっか、と言ったきり何も言わず、僕を変だと言わなかった。
エマ「…信じてくれるの?」
シエル「いや…うん…僕には正直リシュにしか見えないんだ」
エマ「…そうだよね」
シエル「…けど、エマがこんな時に冗談でそんなこと言わないのは、わかってる。」
エマ「うん」
シエル「…にわかには信じ難いけど、信じるよ。エマの言うこと、疑いたくない。」
エマ「シエル…ありがとう。」
親友の言葉に唇をぎゅっと噛み締めた。
2人で手を繋いで、太陽の沈んでいく空をしばらく眺めていた。
シエル「そろそろ、帰ろっか。おばさんも心配するだろうし」
エマ「うん、そうする。…あのね、もしかしたら、僕がおかしいのかもしれないし、明日もう一度病院に行ってみようと思うんだけど、その、」
シエル「もちろん、ついて行くよ。明日は休みだし、時間もたっぷりあるしね。…おかしいとは思ってないけど、もしかしたらリシュが事故にあった、っていう情報の衝撃が大きすぎて混乱しているだけかもしれないしね。」
エマ「そうだね、本当にありがとう、シエル。」
シエル「どういたしまして。それじゃあ、また明日ね」
家まで送ってくれたシエルと解散し、自分の部屋への階段を上る。
…本当にそうだったらいいな。
リシュじゃないなんて、意味わかんないし。
シエルの言う通り、混乱してただけかもしれないし。うん、きっとそうだ。
ふと、窓を叩く音がして顔を上げると、お昼の猫ちゃんがいた。
エマ「あ!!猫ちゃん!」
急いで窓を開けると、礼を言いながら部屋に入ってきた。
エマ「よく僕の家がわかったね」
🐈⬛「まあね。お邪魔するよ。」
エマ「こんな時間に寒かったでしょ。明日からうちにくる?」
🐈⬛「寒さには慣れてるから平気さ。その気持ちには感謝するよ。」
エマ「なんで急にいなくなっちゃったの?」
🐈⬛「…はて?そうだったかな?」
エマ「あー!!!」
🐈⬛「なんだい、急に大きな声出して」
エマ「名前!聞くの忘れてたの!!君、名前、ある?」
🐈⬛「…そうだな、レピと呼んでくれ」
エマ「レピ!素敵な名前ね!僕はエマ、よろしくね!」
🐈⬛「…あぁ、よろしく。」
エマ「それでお昼の続きなんだけど、レピはなんでリシュのこと知ってるの?もう1回リシュに会えるってどういうこと?病院にいるのはやっぱりリシュじゃないの?僕がおかしいんじゃないの?」
🐈⬛「ちょ、ちょっと。落ち着いてくれ。夜は長いんだからさ、ゆっくり話そう」
知らない人なのに。
皆はあの人の事をリシュだと言ったし、確かに、リシュとして接していた。
知らない誰かが、リシュとしてそこに存在して。
気持ち悪い。なんなんだ一体。
みんなもおかしいよ、なんでリシュじゃないのに気づかないの?
どうなっているのか分からない、気持ち悪い……
なんだか力が抜けてしまって、僕は近くの公園の芝生に座り込んだ。
エマ「どうしたらいいんだろう…」
ニャーン
エマ「猫…?」
顔を上げると黒い猫がこちらをじっと見ていた。
🐈⬛「…猫と言えば、猫だが」
エマ「う、うわ!?猫が喋った!??!」
🐈⬛「まあ、喋ったと言えば喋った」
エマ「うわああ!がっつり喋ってるよ!!」
夢でも見ているのかと、頬をつねる。
エマ「…痛い。」
🐈⬛「夢じゃないだろう?」
エマ「う、うん…」
🐈⬛「…それで、キミ、困ってるんじゃないの?」
エマ「!…そうなの。親友が、突然知らない人になってて…あ、いや…意味わからないと思うんだけど…」
🐈⬛「わかるよ、大丈夫。僕はキミを助けに来たんだ」
エマ「助けに…?」
🐈⬛「リシュにもう一度会いたいかい?」
エマ「…!!会いたいに決まってる!!!」
🐈⬛「そう言うと思ったよ。」
シエル「…エマ!!」
エマ「あ…シエル…。」
シエル「急に飛び出してって、探したよ」
シエルの息はとても乱れて、浅くなっていた。
エマ「…ごめん。」
シエル「いや…無事だったからそれでいいんだよ。…ところで、誰と喋ってたの?」
エマ「実は今ね、猫ちゃんが…あれ?」
気付くともう喋る黒猫の姿は無かった。
エマ「さっきまで猫ちゃんがいたんだけど…」
シエル「エマ、猫と喋ってたの?」
エマ「あ…うん。あはは、」
シエル「それで、どうして急に飛び出したりしたのさ。変なことも言ってたし、どうしたの?」
エマ「…一応聞くけど、皆で盛大なドッキリとか企画してたりする?」
シエル「いいや、全く。」
エマ「そうだよねぇ…。」
シエル「エマ、ちゃんと話して欲しいな。」
エマ「うー…あのね…きっと何言ってるか分からないと思うんだけど。」
シエル「うん」
エマ「…あの人、リシュじゃないよ」
僕はおかしなことなんて言ってないつもりだ。
けれど、さっきの病室での皆の反応を思い返すと自分がおかしいような気がした。
けれどシエルは、そっか、と言ったきり何も言わず、僕を変だと言わなかった。
エマ「…信じてくれるの?」
シエル「いや…うん…僕には正直リシュにしか見えないんだ」
エマ「…そうだよね」
シエル「…けど、エマがこんな時に冗談でそんなこと言わないのは、わかってる。」
エマ「うん」
シエル「…にわかには信じ難いけど、信じるよ。エマの言うこと、疑いたくない。」
エマ「シエル…ありがとう。」
親友の言葉に唇をぎゅっと噛み締めた。
2人で手を繋いで、太陽の沈んでいく空をしばらく眺めていた。
シエル「そろそろ、帰ろっか。おばさんも心配するだろうし」
エマ「うん、そうする。…あのね、もしかしたら、僕がおかしいのかもしれないし、明日もう一度病院に行ってみようと思うんだけど、その、」
シエル「もちろん、ついて行くよ。明日は休みだし、時間もたっぷりあるしね。…おかしいとは思ってないけど、もしかしたらリシュが事故にあった、っていう情報の衝撃が大きすぎて混乱しているだけかもしれないしね。」
エマ「そうだね、本当にありがとう、シエル。」
シエル「どういたしまして。それじゃあ、また明日ね」
家まで送ってくれたシエルと解散し、自分の部屋への階段を上る。
…本当にそうだったらいいな。
リシュじゃないなんて、意味わかんないし。
シエルの言う通り、混乱してただけかもしれないし。うん、きっとそうだ。
ふと、窓を叩く音がして顔を上げると、お昼の猫ちゃんがいた。
エマ「あ!!猫ちゃん!」
急いで窓を開けると、礼を言いながら部屋に入ってきた。
エマ「よく僕の家がわかったね」
🐈⬛「まあね。お邪魔するよ。」
エマ「こんな時間に寒かったでしょ。明日からうちにくる?」
🐈⬛「寒さには慣れてるから平気さ。その気持ちには感謝するよ。」
エマ「なんで急にいなくなっちゃったの?」
🐈⬛「…はて?そうだったかな?」
エマ「あー!!!」
🐈⬛「なんだい、急に大きな声出して」
エマ「名前!聞くの忘れてたの!!君、名前、ある?」
🐈⬛「…そうだな、レピと呼んでくれ」
エマ「レピ!素敵な名前ね!僕はエマ、よろしくね!」
🐈⬛「…あぁ、よろしく。」
エマ「それでお昼の続きなんだけど、レピはなんでリシュのこと知ってるの?もう1回リシュに会えるってどういうこと?病院にいるのはやっぱりリシュじゃないの?僕がおかしいんじゃないの?」
🐈⬛「ちょ、ちょっと。落ち着いてくれ。夜は長いんだからさ、ゆっくり話そう」
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