【完結済】キズモノオメガの幸せの見つけ方~番のいる俺がアイツを愛することなんて許されない~

つきよの

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教育係である俺が、真っ先に気付くべきなのに……!

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「勇利先輩。ほら、大きく息を吸い込んで、吐き出してください」

「ッツ……すぅー……はぁー……」

 東谷に言われるがまま、俺は一度息を飲み込むと、大きく吸い込んで吐き出した。

「もう一度。今度はゆっくり吸い込んで……吐いてー……」

 背中を擦ってくれる東谷の手のスピードに、呼吸を合わせていく。

 俺は東谷のおかげで、ゆっくりと呼吸を整えることができた。

「もう、大丈夫ですかね? びっくりしましたよ。勇利先輩が走っているところなんて、初めて見たんで」

「俺だって、走ることくらい……」

「あっ。もしかして、俺にコーヒーを届けてくれようと必死になってくれたんですか?」

「ん……? そ、そうだ! コーヒー!」

 俺はコーヒーを買ったことも忘れて、階段を駆け上り、全速力で走ったことを思い出す。

 手元を確認すると、紙袋にカフェオレが染みてしまっていた。

「あ、東谷! 俺!」

 だが、そんなことより伝えたいことがあった。

 握り締めていた紙袋へ俺はさらに力を込めると、東谷に頭を下げた。

「えっ……? ゆ、勇利先輩? や、やめてくださいよ。一体どうしたっていうんですか?」

 俺の肩を掴んだ東谷の動揺が声で伝わってくるが、俺はそのまま頭を下げ続けた。

「俺が悪かった。教育係である俺が、真っ先に気付くべきなのに……!」

「……!」

 俺が何を言いたいのか察したように、東谷が息を飲んだのを感じた。
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