【完結済】キズモノオメガの幸せの見つけ方~番のいる俺がアイツを愛することなんて許されない~

つきよの

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これくらいのこと、慣れっこなんで

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 俺は東谷の言葉に、どうしようもなく切ない気持ちになったあと、怒りを覚えた。

「……! くそっ! こんな嫌がらせ、許されるはずがない。今までのも全部だ!」

 自分も学生時代や入社したばかりのころ、アルファらしくないと目立ってしまった。

 そのせいで、難癖をつけられたり、嫌がらせをされることもあった。

 けれど俺は、オメガだとバレてはいけないと、穏便に過ごすため受け流してきた。

 しかし、今まで感じたことのないような、胸がムカムカする湧き立つ怒り。

 俺はとても、抑えられそうになかった。

「ちょっと待ってろ」

 カフェオレが中で零れて湿ってしまった紙袋を、俺は自分のデスクに音を立てて置いた。

「俺が直接文句言ってくる!」

 喫煙所にまだいるであろう先輩たちへ、俺は文句を言いに行こうと息まき、東谷へ背を向けた。

「ま、待ってください!」

 だが、一歩踏み出したところで東谷に手首を掴まれ、止められてしまった。

「なんで止めるんだ、東谷!」

 俺は勢いよく振り向くと、東谷は真剣な顔で首を横に振っていた。

「いいんです。これくらいのこと、慣れっこなんで」

「慣れっこって……」

(それってどういう……)
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