【完結済】キズモノオメガの幸せの見つけ方~番のいる俺がアイツを愛することなんて許されない~

つきよの

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*俺が東谷を気持ちよくするから……

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「勇利先輩……」

 愛おしそうに名前を呼ばれると、東谷の舌先はどんどん下腹部へ這わされていく。

(だ、ダメだこのままじゃ……)

「ま、待った……」

 屹立した俺のものを舐められたら、何もできなくなってしまう。

 そう思った俺は、慌てて上半身を起こした。

「だ、大丈夫。俺にはなにもしなくて……。俺が……俺が東谷を気持ちよくするから……」

(そうだよ。東谷に気持ちよくなってもらわないと、ダメだろ。そうでないと……)

 途中で飽きて終わってしまうかもしれないと焦った俺は、東谷を押し倒そうと肩を掴んだ。

 だが、肩を掴んだ手に東谷の手が重ねられると、静かに首を横に振られた。

「ダメです。俺がしたいんです」

 重ねられた手を握られると、指先の第二関節あたりに、そっと唇が落とされた。

 俺にはその行為が、愛おしいものを愛でているように思えた。

(東谷……)

 そんなことをされたら、俺は自分が愛され、大切にされているように錯覚してしまう。

「東谷ぁ……」

 求めるように名前を呼ぶと、東谷は何かを感じ取ったように俺へ顔を近づけて唇を重ねてきた。

(好きだ……)

 決して言葉にしてはいけない気持ち。

 俺は唇の感触を確かめるように、ゆっくりと目を閉じながら心の中で囁いた。
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