ぼくのうた きみのこえ～発情期を抑えるために番になることは許されますか？～

32-8

「相良先生……。相良先生は……榛名さんのこと、好きだったんですか？」

「当たり前だろ。そうじゃなきゃ、色んなこと捨てて一緒にいようなんて思わないだろ」

　璃玖が質問をすると、相良は当たり前のことを聞くなという顔をしていた。

（本当は何も、わかっていないのに……）

　これ以上は踏み込んではいけないと頭ではわかってはいたが、璃玖はもう言葉を抑えることができなかった。

「それは……榛名さんの命が短いと知らなくても、本当にそうしましたか？」

「それ……どういう意味だ？」

「そのままの意味です。榛名さんに普通に出会っていたら、榛名さんを選んでましたか？」

「そんなの当たり前だろ……」

「じゃあ、運命の番が聖さんでも……榛名さんを選びましたか？」