18 / 55
第18話『七連詠唱です』
しおりを挟む
「あやつ、こんなところで超極大魔法じゃとっ!!??」
「アイツも、相当イカれてっからな」
空中に巨大な魔法陣が。しかも複数。アイツがなぜ、大魔法を使えるのかはあと回しだ。 今はこの魔方陣をうち消すことだけを考えろ。発動を許したらシャレにならない。王都に暮らす多くの人間が、死ぬ。
「七連詠唱です。発動までにすこし時間がありますよ。雑談でもしてみましょうか。それにしてもやっかいですね。クロノさんと一緒の方は神話級の魔族とおみうけしました。吸血鬼の王。女性ですのでさしずめ吸血姫。といったところでしょうか」
「……教会の人間としては見過せませんよ。すこしばかり本気をだしてみましょうか。ヘブンリーヘル、ホーリーテンペスト、セイクリッドカース、ドリーミーディストピア、ジェノサイドファンタズマ、ペインフルリザレクション、マーシレスエンド、ソウルコンタミネーション」
「失礼しました。詠唱に夢中になりすぎて魔力制御に失敗しました。このままだと王都のみなさんと心中になってしまいますねクロノさん地獄で一人ぼっちにならなくてすみそうです。よかったですね。さあクロノさんどうしますか。このままだと王都は地獄絵図になりますよ」
「一瞬で。しかたのないことです。あきらめましょう。さて七連詠唱と言いましたが実は8つ陣を展開していました。お気づきになられましたでしょうか。末広がりで縁起がいいですからね。八連詠唱です」
――どうする。魔法陣は全て離れた位置に展開されている。本体を叩きのめしても、術式は消えない。 時間経過で術者が死んでも自動的に発動するからだ。
優先すべきはアイツをブチのめすことではない。 展開された全ての魔方陣の術式を破壊することだ。 展開されているのはすべて大魔法。一つたりとも残してはいけない。
雷術〈魔力操作〉で術式を触れれば破壊することはできる。 だが、魔力操作による術式破壊には数秒かかる。 すべての陣を破壊することができるか?
魔法陣の数は8つ。不確定要素が多すぎる。賭けていいのは自分の命までだ。――だが。
「あるじ様、魔法には反魔法! エンチャント・アンチマジックなのじゃ!」
ルルが俺に手をかざす。 反魔法の力が体に流れこむ。 触れさえすれば術式を破壊する力。 これならば、いける!
「サンキュー、ルル。たすかった!」
黒のローブに隠したナイフを取り出し、投げる。 ただの投げナイフじゃない。仕掛け武器だ。
「糸を伝い、すべての術式を砕け! 雷術〈魔力伝播〉!」
すべてのナイフの柄には糸を括っている。 ただの糸じゃない。鉄粉をあみこんだ特殊糸。 この糸は鋭利で、頑丈で、よく電気を通す。 アンチマジックが糸を伝い魔法陣に流れ込む。 魔法陣はガラスのように砕け散った。
「物騒な魔法陣はすべて破壊させてもらった」
「アイツも、相当イカれてっからな」
空中に巨大な魔法陣が。しかも複数。アイツがなぜ、大魔法を使えるのかはあと回しだ。 今はこの魔方陣をうち消すことだけを考えろ。発動を許したらシャレにならない。王都に暮らす多くの人間が、死ぬ。
「七連詠唱です。発動までにすこし時間がありますよ。雑談でもしてみましょうか。それにしてもやっかいですね。クロノさんと一緒の方は神話級の魔族とおみうけしました。吸血鬼の王。女性ですのでさしずめ吸血姫。といったところでしょうか」
「……教会の人間としては見過せませんよ。すこしばかり本気をだしてみましょうか。ヘブンリーヘル、ホーリーテンペスト、セイクリッドカース、ドリーミーディストピア、ジェノサイドファンタズマ、ペインフルリザレクション、マーシレスエンド、ソウルコンタミネーション」
「失礼しました。詠唱に夢中になりすぎて魔力制御に失敗しました。このままだと王都のみなさんと心中になってしまいますねクロノさん地獄で一人ぼっちにならなくてすみそうです。よかったですね。さあクロノさんどうしますか。このままだと王都は地獄絵図になりますよ」
「一瞬で。しかたのないことです。あきらめましょう。さて七連詠唱と言いましたが実は8つ陣を展開していました。お気づきになられましたでしょうか。末広がりで縁起がいいですからね。八連詠唱です」
――どうする。魔法陣は全て離れた位置に展開されている。本体を叩きのめしても、術式は消えない。 時間経過で術者が死んでも自動的に発動するからだ。
優先すべきはアイツをブチのめすことではない。 展開された全ての魔方陣の術式を破壊することだ。 展開されているのはすべて大魔法。一つたりとも残してはいけない。
雷術〈魔力操作〉で術式を触れれば破壊することはできる。 だが、魔力操作による術式破壊には数秒かかる。 すべての陣を破壊することができるか?
魔法陣の数は8つ。不確定要素が多すぎる。賭けていいのは自分の命までだ。――だが。
「あるじ様、魔法には反魔法! エンチャント・アンチマジックなのじゃ!」
ルルが俺に手をかざす。 反魔法の力が体に流れこむ。 触れさえすれば術式を破壊する力。 これならば、いける!
「サンキュー、ルル。たすかった!」
黒のローブに隠したナイフを取り出し、投げる。 ただの投げナイフじゃない。仕掛け武器だ。
「糸を伝い、すべての術式を砕け! 雷術〈魔力伝播〉!」
すべてのナイフの柄には糸を括っている。 ただの糸じゃない。鉄粉をあみこんだ特殊糸。 この糸は鋭利で、頑丈で、よく電気を通す。 アンチマジックが糸を伝い魔法陣に流れ込む。 魔法陣はガラスのように砕け散った。
「物騒な魔法陣はすべて破壊させてもらった」
21
あなたにおすすめの小説
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~
軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。
そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。
クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。
一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる