不幸だった少年が異世界で最強になり強敵を倒しつつ楽しく過ごす物語

にゃーにゃ

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最終章8  『獅子身中の狂猫』

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 ソロモン72柱序列71位のダンダリオンの
 レメゲトンソロモンの鍵の究極魔法――ゴエティア Goetia

 その魔法によって、本来は直接転移する事の
 不可能なる領域への転移を可能にする。

 ――それが、この悪魔的な意匠が施された荘厳なる門である。
 
 カグラと、猫箱暴きの魔女デュパンは二人で、
 左右の取っ手を握り、観音開きの扉を開く。

 そして、開かれた門はまばゆい万華鏡の光を放ち、
 二人を別の空間へ転移させる。

 ――そこは異端審問官ハインリヒ・クラ―マーの旗艦内部。
 つまりは、敵の懐に潜りこんでいた。

「おい、デュパン――クラーマーの居場所は分かるか?」

「くんくん。こっちの方からあいつの腐臭がするにゃ」

(……どんな嗅覚をしているんだ……犬かよ)

 道中、当然ながら無数の強敵と思わしき敵とすれ違うも、
 デュパンが拳を敵の顔面に振るうと首がぐるりと、
 数回転してねじ切れ、ぼとりと首が落ち、即死。

 猫箱暴きの魔女デュパンの背後には、
 首の無い死骸の山が築きあげられた。

(こりゃあ……本格的に俺の出番が無さそうだなぁ)

 現在のカグラの近接格闘の能力が、デュパンに遅れを
 取るということではない。

 だが、単純な身体能力――つまり速度はやはり、
 猫科の獣人のそれには、一歩劣る。

 斥候《せっこう》をデュパンが勤め、殿《しんがり》をカグラが務める。
 近接格闘に特化したツーマンセルの組み合わせ。

 もっとも今のカグラは、中距離、遠距離での戦いは可能。
 セレネとソレイユによって超強化されたソードオフガンを
 駆使する事によって、弓兵や、銃兵等の距離の離れた敵をを撃ち殺す。
 そして、後方から攻める敵を鏖殺おうさつする。

 今のカグラのソードオフはただの銃ではない。
 超小型のリニアレールガン。

 そして、弾丸はソレイユの魔術の施された特別製。
 10 cmごとに二つに分裂し、その二つに分裂
 した弾丸は更に10 cm進むごとに分裂する。

 一発放てば、超加速された鉛玉が、
 数千発、距離によっては数万発
 弾丸が射出されることになる。

 異端審問官ハインリヒ・クラ―マーの
 旗艦の船員は超一級の戦闘員である。

 当然、防御結界の展開も、身体能力強化の
 魔法の詠唱も可能な者たちである。

 ――だがこの科学と魔法の粋であるソードオフガンの前には全くの無力

 当たれば、防御結界を砕き、蜂の巣にはならず、
 まるで内部から爆発したからのように吹き飛ぶ。
 そういう類いの超破壊力の兵器だ。

 だが、その形状はカグラの意志を尊重した結果、
 ウィンチェスターベースの銃の形状を維持している。

 装填そうてんも、レバー&コック式を採用。
 もっとも、クルリクルリとスピンコックをしても、
 弾丸がジャムることのないような仕様に改良されているが。

「ひゃー。それにしてもカグラのその銃は化け物みたいな威力にゃ。適当に乱射していたら、それだけでこの船を落とすことが出来そうだな」

「10 cmごとに、二つに分裂、更に10 cmで二つが四つに分かれ、更に10 cmで16発。制御が効かないのが厄介だけど、恐ろしい兵器だよ」

「まったくにゃ。そんな兵器を複製されたら、戦争の在り方自体を歪めてゆがめてしまうにゃ。この戦いが終わったら封印指定の武器とさせてもらうにゃ」

「まぁ、それが妥当だろうな」

(……こんな武器が異端審問官とかの敵に渡ったらとんでもない事になるだろう)

 斥候をデュパンが薙ぎ倒しなぎたおし、後方から迫る敵を
 カグラのソードオフガンが鏖殺おうさつする。

 目指すは、異端審問官ハインリヒ・クラ―マーの控える、司令室。
 カグラたちの目の前に、扉が仕掛けられていた。
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