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第一章 礼服の男・ジョン
エーベック
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次の朝ジョンは日がまだ出て来ない時から目を覚まし、日課のトレーニングと武器の手入れをする、二十二本目のナイフを手入れをしている時に日は上がり、三十本目のナイフを手入れしている時にミランダが起きて来る
「あら、早いわねぇ、お腹は空いているかい? ご飯にしましょうかね」
「お構いなく」
「別に良いんだよ、昨日手伝って貰った恩もあるしこれは只の残り物なんだから」
「そう言ってくれるんなら良いんだがね」
「あと今日買い出しに行こうと思うんだけれどジョンも行くかい?」
「勿論行かせて貰う、近くに村でもあるのか?」
「あるわよ、エーベックって名前なの」
「エーベックねぇ、婆さん行き成りで悪いが変な事を言うぞ」
「なんだい?」朝食の準備をしているミランダがジョンに振り向く
「俺がここから違う別の世界から来た或いは未来の世界から来たと言ったら信用するか?」
「……ジョンがそう言うなら信用しようか」
「それは有難いな、それじゃあ質問させて貰う俺をここに連れて来たのはあんたか?」
ミランダは笑う
「私は別の世界から人を連れて来れるような魔法も未来から人を連れて来れるような魔法も使えないよ」
ジョンの目の前に居る老婆はジョンが行き成り家に現れても特に取り乱した様子も無くジョンを受け入れた。しかしどんな人間だって家に知らない人が現れたら取り乱すのが人間の常
取り乱さないとしたらそれは精神コントロールのスペシャリストか完璧に呆けてしまっているか予めそうなると知っていた者しか居ないというジョンの推理しかし出来ないと言われてしまったらそれまでそれ以上追及しても無駄だと察したジョンは質問を切り替える事にした。
「そうか、なら元の世界に帰るにはどうしたらいいか分かるか? それか知り合いで知っていそうな人物に心当たりは無いか?」
「帰る方法なんて見当が付かないね、でも知っていそうな人になら心当たりがあるよ」
「誰だ?」
「村に行ってから教えようかね、今は食事を優先しようじゃないか」
「おいおい、焦らすね、まるで会話のスペシャリストだ」
朝食を食べ、早速村に行こうとジョンは言うが準備がいるとミランダが言いさっきまで横に有った太陽が真上になる頃ようやくミランダの準備が終わる
「どんだけオシャレに時間掛けてるんだ」
「でもオシャレしなきゃ恥ずかしいじゃないか」
「あんまし変わってない様に見えるが?」
「そうかい? 髪型とか変わってるじゃないか」
「そうか? まぁいい、早く行こう、村まで遠くないんだろ?」
「夜には着くよ」
顔を顰めるジョン
「真夜中に森を通って帰るのか?」
「いいや、今日はあっちに泊まるよ」
「オシャレの時間が無ければ帰れたんじゃないか? 花に水もやれないぜ?」
「今日は雨が降る水は要らないよ」
「分かるのか?」
「伊達に長く生きてないよ」
村に向けて出発する二人、太陽の光が木漏れ日を生み、小鳥が囁く平和の中、旅が続く
ミランダは手さげかごにあの家では一級品であろうドレスを着て歳を取っているが杖は使わない歩く速度も遅すぎないぐらいの速さ
「此処は良いだろう? 静かでとても落ち着く」
「そうか? ちらほら肉を喰い散らかされてる動物の死体が転がってるが」
「だから静かなんだろうねぇ、危険な所というのは案外静かなものだよ」
「そんな危険な所に一人で住んでるのか? あんたは」
「そんな危険な所でもないんだけれどねぇ、住むにはちょっとしたコツが必要なだけで」
「コツってのは何だ?」
「ナ・イ・ショ」
と言って片目を瞑り、口に人差し指を当てるミランダ、それを見てまたジョンは顔を顰め頭を掻く
それから会話も無く黙々と二人は歩く、鳥も囀りも川のせせらぎも消え葉が風に揺られ波打つ音が聞こえるのみ
村に着いたのは暗闇に視界を遮られすぐ目の前も見えなくなる頃
「今日は泊まって明日お買い物をして帰ろうか」
とミランダが提案したのでジョンもそれに従い宿屋に向かう
宿屋に着く他の家は既に暗く明かりも灯っていないが宿屋だけは薄い光が窓から漏れていた。
宿屋に入るとそこの宿主であろう女性が
「あぁ、ミランダさんいらっしゃい、そろそろ来る頃だと思ったよ」
と赤い髪をした女性が笑顔でそう接客する
「世話になるよ」
「あれ? ミランダさん、そちらは?」
とジョンを見て赤髪の彼女は言う
「この子はジョン私の弟子だよ、ジョンこの人はアットル、この宿の主だよ」
といった感じでお互いの紹介を済ませ二人は部屋へと向かう、部屋は一つしか空いてなくジョンとミランダは相部屋という事になる「冗談じゃない、俺は野宿するぞ」と言っていたジョンだがその頃には豪雨が降っており泣く泣く相部屋という事で同意、晩御飯を済ませ、各々明日の準備をしていた。
ジョンは最近調子の悪い靴に仕掛けている隠しナイフの調整を行っている時だった。ミランダは行き成り着替えると言い出しその場で服を脱ぎだす事態が発生唖然とするジョン、仕舞いにミランダは「いやぁん見ないで」言い放ち、ジョンは呆れ顔そのまま調整を再開する
ミランダも寝巻に着替え終わりいよいよ寝ようとした時
「ジョンはベッドの左側でいいかい?」
この部屋のベッドは大きいのだが一つしか置いてないのでミランダは二人一緒のベッドで寝ようと提案したのである
「馬鹿言わないでくれ、俺は此処で寝る」
ジョンは床に座り壁に寄りかかったまま寝ると言う
「そんな寝方してたら腰を壊すよ」
「そのベッドで婆さんと寝たら俺の心が壊れる、それよりマシだ」
「あらぁ酷い事言うわね」
「それは失敬それで? 元の世界に戻る手段を知っている知り合いってのは誰だ? 村に着いたら教えるって約束だろ?」
「今日は疲れた明日でいいかい?」
「過労死されても困るからな、まぁいい」
「それじゃあ蝋燭消すわよ」
そうして一日は終わる
「あら、早いわねぇ、お腹は空いているかい? ご飯にしましょうかね」
「お構いなく」
「別に良いんだよ、昨日手伝って貰った恩もあるしこれは只の残り物なんだから」
「そう言ってくれるんなら良いんだがね」
「あと今日買い出しに行こうと思うんだけれどジョンも行くかい?」
「勿論行かせて貰う、近くに村でもあるのか?」
「あるわよ、エーベックって名前なの」
「エーベックねぇ、婆さん行き成りで悪いが変な事を言うぞ」
「なんだい?」朝食の準備をしているミランダがジョンに振り向く
「俺がここから違う別の世界から来た或いは未来の世界から来たと言ったら信用するか?」
「……ジョンがそう言うなら信用しようか」
「それは有難いな、それじゃあ質問させて貰う俺をここに連れて来たのはあんたか?」
ミランダは笑う
「私は別の世界から人を連れて来れるような魔法も未来から人を連れて来れるような魔法も使えないよ」
ジョンの目の前に居る老婆はジョンが行き成り家に現れても特に取り乱した様子も無くジョンを受け入れた。しかしどんな人間だって家に知らない人が現れたら取り乱すのが人間の常
取り乱さないとしたらそれは精神コントロールのスペシャリストか完璧に呆けてしまっているか予めそうなると知っていた者しか居ないというジョンの推理しかし出来ないと言われてしまったらそれまでそれ以上追及しても無駄だと察したジョンは質問を切り替える事にした。
「そうか、なら元の世界に帰るにはどうしたらいいか分かるか? それか知り合いで知っていそうな人物に心当たりは無いか?」
「帰る方法なんて見当が付かないね、でも知っていそうな人になら心当たりがあるよ」
「誰だ?」
「村に行ってから教えようかね、今は食事を優先しようじゃないか」
「おいおい、焦らすね、まるで会話のスペシャリストだ」
朝食を食べ、早速村に行こうとジョンは言うが準備がいるとミランダが言いさっきまで横に有った太陽が真上になる頃ようやくミランダの準備が終わる
「どんだけオシャレに時間掛けてるんだ」
「でもオシャレしなきゃ恥ずかしいじゃないか」
「あんまし変わってない様に見えるが?」
「そうかい? 髪型とか変わってるじゃないか」
「そうか? まぁいい、早く行こう、村まで遠くないんだろ?」
「夜には着くよ」
顔を顰めるジョン
「真夜中に森を通って帰るのか?」
「いいや、今日はあっちに泊まるよ」
「オシャレの時間が無ければ帰れたんじゃないか? 花に水もやれないぜ?」
「今日は雨が降る水は要らないよ」
「分かるのか?」
「伊達に長く生きてないよ」
村に向けて出発する二人、太陽の光が木漏れ日を生み、小鳥が囁く平和の中、旅が続く
ミランダは手さげかごにあの家では一級品であろうドレスを着て歳を取っているが杖は使わない歩く速度も遅すぎないぐらいの速さ
「此処は良いだろう? 静かでとても落ち着く」
「そうか? ちらほら肉を喰い散らかされてる動物の死体が転がってるが」
「だから静かなんだろうねぇ、危険な所というのは案外静かなものだよ」
「そんな危険な所に一人で住んでるのか? あんたは」
「そんな危険な所でもないんだけれどねぇ、住むにはちょっとしたコツが必要なだけで」
「コツってのは何だ?」
「ナ・イ・ショ」
と言って片目を瞑り、口に人差し指を当てるミランダ、それを見てまたジョンは顔を顰め頭を掻く
それから会話も無く黙々と二人は歩く、鳥も囀りも川のせせらぎも消え葉が風に揺られ波打つ音が聞こえるのみ
村に着いたのは暗闇に視界を遮られすぐ目の前も見えなくなる頃
「今日は泊まって明日お買い物をして帰ろうか」
とミランダが提案したのでジョンもそれに従い宿屋に向かう
宿屋に着く他の家は既に暗く明かりも灯っていないが宿屋だけは薄い光が窓から漏れていた。
宿屋に入るとそこの宿主であろう女性が
「あぁ、ミランダさんいらっしゃい、そろそろ来る頃だと思ったよ」
と赤い髪をした女性が笑顔でそう接客する
「世話になるよ」
「あれ? ミランダさん、そちらは?」
とジョンを見て赤髪の彼女は言う
「この子はジョン私の弟子だよ、ジョンこの人はアットル、この宿の主だよ」
といった感じでお互いの紹介を済ませ二人は部屋へと向かう、部屋は一つしか空いてなくジョンとミランダは相部屋という事になる「冗談じゃない、俺は野宿するぞ」と言っていたジョンだがその頃には豪雨が降っており泣く泣く相部屋という事で同意、晩御飯を済ませ、各々明日の準備をしていた。
ジョンは最近調子の悪い靴に仕掛けている隠しナイフの調整を行っている時だった。ミランダは行き成り着替えると言い出しその場で服を脱ぎだす事態が発生唖然とするジョン、仕舞いにミランダは「いやぁん見ないで」言い放ち、ジョンは呆れ顔そのまま調整を再開する
ミランダも寝巻に着替え終わりいよいよ寝ようとした時
「ジョンはベッドの左側でいいかい?」
この部屋のベッドは大きいのだが一つしか置いてないのでミランダは二人一緒のベッドで寝ようと提案したのである
「馬鹿言わないでくれ、俺は此処で寝る」
ジョンは床に座り壁に寄りかかったまま寝ると言う
「そんな寝方してたら腰を壊すよ」
「そのベッドで婆さんと寝たら俺の心が壊れる、それよりマシだ」
「あらぁ酷い事言うわね」
「それは失敬それで? 元の世界に戻る手段を知っている知り合いってのは誰だ? 村に着いたら教えるって約束だろ?」
「今日は疲れた明日でいいかい?」
「過労死されても困るからな、まぁいい」
「それじゃあ蝋燭消すわよ」
そうして一日は終わる
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