緋色の月と破滅の炎

睦月夜風

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第一章 破滅の炎

第20話 宗古VS厄神

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僕と白波しらなは倒れた月龍つきりゅうを持ち上げた
「大丈夫!?」
「あ、ああ、くそ、ただでさえ出血したら駄目な時に···げほっ!」
「うわっ!?」
月龍つきりゅうは血を吐いた、吐いた血は僕の服についた
「ご、ごめん」
「いや、気にしないで、白波しらな取り敢えず中に入れよう!」
「そうだね!」
僕達は月龍つきりゅうを持ち上げたまま神社の中に入った


カン!
灼熱ひゃくねつ!」
私は厄神やくしんが放った炎を避け小刀を突き刺した
「なっ!?」
がん!」
私は大きな鳥を放った
ドーーーン!!
「ぐえ!」 
「えい!」
私はまた小刀を突き刺したが
「同じようにさせるかよ!」
腕を掴まれ
極炎ごくえん
炎が私を包み込んだ
「うっ!」
炎龍えんりゅう!」
「きゃあ!」
私は炎の龍で吹き飛ばされた
「おいおい、あの威勢はどうした?」
「っく···」
「まぁ、お前はもう詰んだけどな、人間がその炎に包まれたら死ぬしかないからな!たはは!」
「···私は···負けない···」
「何だ?そんなこと言ったってお前はもう詰んでいるんだぞ?」
はやぶさ 炎突!」
私は炎を纏いながら小刀を構えそのまま突っ込んだ
「うわぁ!?」
厄神やくしんは吹っ飛ばされて炎が移った
「ちっ!」
私は直ぐ様に弓矢を構え
朱雀すざく!」
炎の鳥に変わった矢放った
キュエエ!!!
「っく!」
バーーーーーン!!!!



凄まじい音が外から聞こえた
宗古そうこさん、大丈夫かな」
「分からないけど、助太刀した方が良いかな···」
「それより、月龍つきりゅうを取り敢えず安全な状態にしよう、このままじゃ、死んでしまうよ」
その時
「ゲホッ!」
月龍つきりゅうはまた血を吐いた
月龍つきりゅう···死なないよね?」
「うーん、怪しいね、吐血が激しいから、もしかしたら···」
「ダメだよ、月龍つきりゅう、死んだら、御姉様を生き返させるんでしょ?」
「あ、ああ、こんな···所でくたばってたまるか····ってか、宗古そうこは?」
宗古そうこさんは今、刺した奴と戦ってるよ」
厄神やくしんに!?」
「う、うん」
「アイツは災厄の炎の使い手だぞ!?うぐっ···」
「落ち着いて、貴方が死んだら駄目だから」
「うぐっ···」


土埃が舞うなか私は立ち上がった
「はぁ、はぁ(多分、これでも倒せてないよね、どうしよう、このまま結界術を展開されたら···)」
「はは、凄いね、君」
厄神やくしんは土埃から現れた
「くそ、やっぱり倒せてない··」
「何だ、驚かないのか」
「そりゃ、そうでしょ、お前がその程度で倒れる訳ないって分かりきっているよ」
「そうか、なら君に絶望をプレゼントしてやろう、地獄」
「っち!」
私は結界で覆われた


「!結界術だ!結界術を展開させれた!」
僕は妖気感じてそう叫んだ
「それって···どっちの?」
「多分···」
「「ごくり」」
厄神やくしんのだ」
「っ!まずい、あいつの結界術奥義は俺でも瀕死に追い込まれるほどだ!耐久力が俺より低いあいつなら···」


「あぐっ!熱い!熱い!」
私は両手を鎖で繋がれてそのまま焼かれていた
「ふははは!!!あの時と違って月龍つきりゅうは今、戦闘できない、君は死ぬしかないんだよ!」
「うぐっ!いやだ····まだ、死にたく···ない···」
「もう、遅いよ、あの時に僕に歯向かう事なんてしなかったら良かったのにね」
「···くそ」
「じゃあね、滅亡を与える炎」
凄まじい炎の塊が私を襲う
「···三奈みな···ごめんね」
その時外から2体のドラゴンの声が聞こえた、そして
キュウウウン!!!!
キュエエ!!!
凄まじいレーザーが結界を破りそのまま厄神やくしんに当てた後、青色の炎が厄神やくしんを襲った
「な、なんだ!?」
「この炎···ドラゴン?」
キュエエ!!!
後ろからやって来た白色のドラゴンが私を抱きついてきた
「ありがとう、えっと····」
キュエ?
「名前··つけてなかったね、名前はしろで良いかな?」
キュエエ
「ありがとうしろ本当に助かったよそれにガングリオンも」
ギャアア
月龍つきりゅう君に言われたの?」
ギャアギャア
「あ、成る程、しろと遊んでたのね、そしたら私を見たと」
ギャアギャアア!
「分かるよ、私もとっても憎い、恋人を二度も傷つけられたからね」
キュエエ?
「大丈夫だよ、しろ、そこまで怒ってないよ私だって」 
その時
「くっそ!邪魔が入った!」
鴉の惨殺からすのざんさつ!」
「うわぁぁ!!!」 
「まだまだ!」
煙幕えんまく!」
その時から厄神やくしん煙が大量に出てきた
「うわっ!?」
そして煙が消えると厄神やくしんは居なくなっていた
「しまった···逃した」
私はそう呟いた時
「あうっ!」
ギャア!
ギュエ!
ガングリオンとしろは私を支えてくれた
「ありがとう、二人とも」
その時襖が開き
「「大丈夫!?」」
静夜せいや君と白波しらなちゃんが出てきた
「あ、二人とも、うん、大丈夫···じゃない」
「だよね」
キュエ···
しろ··心配かけてごめんね」
ギュエ!
「よしよし」
キュエエ~
その時ガングリオンが二人に向かって
ギャア!ギャアギャア?
「え?何を言ってるの?」
月龍つきりゅう君は大丈夫?だって」
「ああ、うん、なんとかね」
「今は、まあ、元気?って状態だよ」
ギャア···
「ガングリオン大丈夫だよ、月龍つきりゅう君があの程度で死ぬわけないから」
ギャア
「うんうん」

そして私は神社の中に入り、月龍つきりゅう君に声をかけた
「大丈夫?」
「え?あ、ああ宗古そうこ···まぁ、うん、少しはましになった」
「そっか、なら良かった」
「お前は?」
「大丈夫ではないかな」
「まぁ、そりゃそうだよな、あいつの結界術奥義をくらって無事で済むわけがない」
「あはは、本当に死ぬかと思ったよ、ガングリオンとしろが居なかったら私、今頃死んでたよ」
ギャア
「あ、ガングリオン」
「ガングリオン、ちょっと来てくれ」
ギャア?(何?)
ガングリオンは月龍つきりゅう君の近くに来たそして月龍つきりゅう君はガングリオンの頭を撫でた
「よしよし、ありがとう、ガングリオン」
ギャア~(どういたしまして)
しろだっけ?遊んできていいぞ」
ギャアアー(分かった!)
そう言うとガングリオンはしろ
の所に行った
「暗黒龍が聖龍と遊ぶなんてな」
「まぁ、いいじゃん、二人とも仲良しなんだから」
「はは、そうだな、あーそれにしてとあん時は油断して妖気を抑えたのは間違いだったよ、心臓刺されてたらまじで死んでた」
「なに···やってるんだよお前は」
私は後ろを向いたそこにはかい君が居た
かい君!?傷は大丈夫なの!?」
「あ、ああ、うぐっ!」
かい君は右手で肩を抑えた
「大丈夫じゃないよ、ちゃんと寝ないと」
「大丈夫··それで、月龍つきりゅう··明日、遠出するって本当か?」
「ああ、どうしても生き返させたい人が居るんだ、だから···」 
「まぁ、別に良いけどさ、学校どうするんだよ」
「休むことになるな」
「はぁ、分かった、明日学校であったら花日はなひにそう伝えておくよ」
「頼む」
「じゃあな」
かい君はそう言うと襖を開けていってしまった
「···俺、寝るな」
「また添い寝していい?」
「ダメって言ってもするだろお前なら」
「ダメなら流石にやらないよ」
「へぇ····ルザルスだったらしてくるから何か以外だな」
「それで、良い?」
「良いよ別に」
私は布団に入るなり月龍つきりゅう君にくっついた
「しばらく、会えなくなるから少し寂しいね」
「まぁ、そうだな··でも、お前には大切な妹の三奈みなが居るだろ?」
「うん、私にとっての宝だよあの子は」
「宝か·····」

その時俺の記憶が掘り出される
『お兄ちゃん!あーそーぼー!』
『なぁ、夜風よかぜ、一緒にトランプしようぜ!』
それは、兄弟との楽しかった記憶そして襲いかかる、母さんとある学校でのいじめっこ達と最悪だった先生の悪夢
『貴方なんて死んでしまいなさいよ!生きる意味も無いゴミが!』
『何?話しかけてないでよ殺し屋、人殺し』
『あんたなんて、死ねばいいのにね』
『おい!荷物持ち、あ、そうじゃなかったな、人殺し!』
『お前なんてこの学校から出ていけ!お前はこの学校の汚点だ!』
そしてその悪夢に俺が刺した刃が写り、そして悲鳴が舞う
『ギャアアアアア!!!!!』
『人殺し!人殺しぃぃぃ!!!!』
『アアアアアア!!!!!』
『やめろ!やめろ!やめろぉぉぉ!!!!!』
『やめろ!やめないか!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!』
そして俺に目の前に写りナイフを渡してくる殺意の俺
『お前は···殺し屋だ、その事を忘れるな』
そして暖かく優しい手で俺を握ってくれている白馬はくば達、そして白馬はくばが死に際に俺に言ったことが蘇る
『貴方は1人じゃない、何処かで貴方を大切に思ってくれている人はたくさん居る、そして貴方の心にも守りたい人や大切に思っている人は居る、そしてそれは私もそう、貴方を最後まで守りたかった、助けてあげたかった、そして貴方は私を守る気持ちで一杯だった』
『う、うん』
『ありがとう、睦月むつき君、元気にしててね、さぁ、刺して良いよ』
『う、ううう!うわぁぁぁぁ!!!!!!!!!』
そして俺は刺した、峰打ちのつもりで刺したはずなのに白馬はくばは赤色の液体を流しながら動かなくなった
『ああああ!!!あああああああああ!!!!!!!!!!!!!』


私は月龍つきりゅう君が泣いている事に気が付いた
月龍つきりゅう君···」
私は月龍つきりゅう君の手を握りこう言った
「大丈夫、貴方は1人じゃないよ」
















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