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第三章 凍てつく大地
第9話 力
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「王様、終わりました」
「おお!よくやった、してアイスグーガは?」
「今は中庭に縛りつけております」
「そうか、では、君達はベザットの部屋で休みなさい、疲れただろう?」
「まぁ、はい」
「私はアイスグーガと話をしてくるからな」
そして私達はベザットちゃんの部屋に戻った
「···」
「どうした?」
「何でも無いよ」
「そ、そうか?何かずっと悩んでるけど」
「うん、大丈夫だよ」
「どうかしたの?」
「あ、王女様、ベザットは?」
「あの子は今はお風呂に入ってるわよ」
「そうですか」
「それで、どうしたの?宗古さん」
「あ、いや、何でも無いです」
「ほんとに?」
「それより、さん付けはやめてください、呼び捨てでいいです」
「あらそう、なら宗古ちゃんって呼ぶわね」
「は、はい」
「月龍ちゃんは何か知らないの?」
「ちゃん付けは止めてくださいよ、それと宗古、もしかしてだけどお前、変わるべきか変わらないべきじゃないかで悩んでるんじゃないか?」
「····うん」
「お前はどう思っているんだ?」
「···分からない」
「···まぁ、そりゃそうか」
「何があったのか知らないけど私は変わらない方が良いと思うわよ」
「何でですか?」
「急に自分を変えちゃったら自分が誰か分からなくなるかもだし、本当の自分を失くす事になるかもしれないからね」
「···成る程、月龍君は?」
「俺はさっきも言ったけどそのままで良いと思う」
「···」
「まぁ、最終的に決めるのはお前なんだけどな、どうする?」
「····変わらないでおくよ」
「なら、そうしな」
「うん、何か気が楽になったよ、ありがとう」
「そっか」
「···二人とも、私、さっきから思ったんだけど」
「何ですか?」
「貴方達って、何か祖先が凄い人なの?」
「何でですか?」
「いや、二人とも禁忌を解放してるって聞いたから、禁忌の解放条件は祖先からの引き継がれる、もしくは血反吐がでるほど頑張って、そして大事な人を守るという気持ちが物凄く高くなったら解放できるから」
「俺は祖先から引き継がれた禁忌ですね」
「私は多分、後者です月龍君達を守りたいって強く思って使ったら解放できました」
「貴女は月龍君が大好きなのね」
「はい、大好きです」
「月龍君は?」
「もちろん、大好きです」
「あらー、二人とも恋人同士なのね」
「は、はい」
「キスとかしたの?」
「き、今日の昼間しました」
「その前に俺はヤバイことされたけど」
「い、言わないでよ!」
「ヤバイこと?宗古ちゃんが?」
「いや、宗古がわざとしたんじゃ無くて、ヤンデレ化の薬を飲まされてそれで···」
「あらあら」
「うう、やめてぇ」
「ごめんごめん」
「それで、その時にキスしたの?」
「キスしたのは薬の効果が切れた時に」
「あら、そうなの」
「は、はい、な、何か今しなかったら後悔しそうだなって思って」
「ふむふむ、それで?」
「月龍君と友達の子が気絶しました」
「あはは!それ本当?」
「はい」
「何故か意識が飛んだんだよな···」
「本当に何でなの?」
「知らん」
「あはは、あ、それで、話戻すけど、月龍君のご先祖様の名字は?」「睦月」
「睦月家···確かに元々最強だった一家だけどだんだん弱くなっていった一族ね」
「はい、そうです、んで、どうやら俺が歴代の中で先祖の怒りと優しさを引き継いだのですが···」
「ですが?どうかしたの?」
「俺が知らない間に怒りと優しさは混じりあったみたいで」
「え?」
「それで、俺はいつの間にか殺意というのが身に着きました」
「殺意?聞いたことがないわね、そんな力··あ、宗古ちゃんは?」
「私は···よくわかりません、私の一族は何かと変なので」
「変?」
「禁忌を解放した者に厄王の仮面を被せるといった事をするのです」
「···貴女って禁忌を解放してるわよね?」
「はい」
「宗古ちゃん、日頃から用心しておきなさい、いつ襲われるか分からないからね」
「はい」
「それで、貴女の力を見たいから、そこでじっとしててくれる?」
「は、はい」
私はその場で止まった
女王様は私の胸辺りに手をあてた、すると
ポワ~
綺麗な空色の謎の魂?みたいな物が出てきた
「な、何ですか?これ」
「貴女の力よ···これは···一杯混ざってるわね」
「そうなのですか?」
「元気 優しさ 慈悲 悲しみ···これらを感じ取ったわ、貴女の力は戦いには向いてないかもしれないし、そうでもないかもしれないわ」
「そうですか、それじゃ、月龍君は?」
「試してみましょうか」
女王様は同じように月龍君の胸に手をあてたすると
バチバチ!
赤色と黒色が混じりあって禍々しい色をした力が現れた
「こ、これは 憎しみ 恨み 悲しみ 怒り 寂しさ 殺戮 が感じられる···」
「え?月龍君」
「···実はさ俺、緋色月の術を使って最近気づいたんだけど、この術を使うたびに何か憎しみとかがこみ上げてくるんだ、まるで何か新たに人格者が現れている感覚に」
「ね、ねぇ、どうして、言ってくれなかったの?」
「皆が心配すると思って」
私はその言葉を聞いたとき、少し涙を流して言った
「貴方が皆を心配するのと同時に皆も貴方を心配してるのよ!?」
「···分かってる」
「なのに、何で···何で教えてくれなかったの!」
「···それは」
「月龍君の馬鹿!」
私は泣きながら、部屋から走って出た
「あ、待って宗古ちゃん!」
「···だって···だって、それで術を使うのを止めたら、皆を救えなくなるかもしれないだろ」
俺は涙を流しながらそう言った
「はぁ、はぁ、う、うう!」
私はいつの間にかベランダのソファーに座っていた
「どうして、どうしてよ····馬鹿」
「あ、居た居た、こんなところに居たのね」
女王様が来て隣に座った
「女王様···」
「宗古ちゃんは本当に大好きなのね月龍君を」
「···うん」
「でもさ、月龍君も宗古ちゃんの事が大好きなのよ、それで···心配かけたら困るって思ったのでしょうね、あの子は優しいから」
「で、でも、せめて一言いってくれないと余計心配しちゃうよ」
「ええ、そうね」
「月龍君は優しいし、強いけど、優しすぎるから···だから··」
「月龍君が皆に言わなかった理由教えてあげようか?」
「え?知っているのですか?」
「ええ、あの子が言わなかった理由は止められるからだって」
「術を使うのを?」
「ええ、そしたらあの子は守りたいものを守れなくなる···それがいやらしいよ」
「···そ、そうだったのですか?」
「ええ」
「救えなくなるから···」
その時
ズドーーーン!!
凄まじい地響きが聞こえた
「な、なに?」
地面から大きな蛇が現れた
シャー!!!
「これは··カブリ?」
その時蛇は尻尾を付き出してきた
「しまっ!」
私は尻尾でぐるぐる巻きにされた
「きゃあ!」
「宗古ちゃん!」
「うぐっ、あがっ···た、助けて···」
「今いくからね!フレイム!」
ボオオオ!!
女王様は炎の宝玉をとりだしたすると宝玉から炎が飛び出した、しかし蛇にはあんまり効果は無かった
「は、離して···く、苦しい」
「くっ!どうすれば···」
その時
「緋色の斬撃」
ザン!
斬撃が飛んできて尻尾を切った
「きゃあ!」
ガチッ
私は前をみた、私の手をつないでいたのは
「··振り落とされるなよ」
月龍君だった
「月龍君···」
シャ!?
「地獄!」
ボオオオ!!!
凄まじい炎が蛇を襲いそして炎は蛇の体は燃え始め、そして燃え尽きた
「よし、終わった」
月龍君は私を抱き抱えたまた降り、私をおろした
「大丈夫か?」
「···月龍君···ごめんなさい,私、貴方が皆に心配されないようにと思って隠してたのだと思ってたの」
「まぁ、それもあるけど本命はそっちじゃないな」
「貴方は皆が守れなくなるから言わなかったのでしょ?」
「うん」
「···さっき馬鹿とか言ったけど私の方が馬鹿だね、恋人に心配かけさせた挙げ句のはてに迷惑まで···」
私は涙を落とした、その時、月龍君は昼間のように抱き締めてくれた
「泣くなよ···そんなに」
「でも···」
「宗古」
「何?」
月龍君は私にキスをした
「あ/////」
「あはは昼間のお返しだ」
「···月龍君···大好き」
「··俺もだよ宗古」
「おお!よくやった、してアイスグーガは?」
「今は中庭に縛りつけております」
「そうか、では、君達はベザットの部屋で休みなさい、疲れただろう?」
「まぁ、はい」
「私はアイスグーガと話をしてくるからな」
そして私達はベザットちゃんの部屋に戻った
「···」
「どうした?」
「何でも無いよ」
「そ、そうか?何かずっと悩んでるけど」
「うん、大丈夫だよ」
「どうかしたの?」
「あ、王女様、ベザットは?」
「あの子は今はお風呂に入ってるわよ」
「そうですか」
「それで、どうしたの?宗古さん」
「あ、いや、何でも無いです」
「ほんとに?」
「それより、さん付けはやめてください、呼び捨てでいいです」
「あらそう、なら宗古ちゃんって呼ぶわね」
「は、はい」
「月龍ちゃんは何か知らないの?」
「ちゃん付けは止めてくださいよ、それと宗古、もしかしてだけどお前、変わるべきか変わらないべきじゃないかで悩んでるんじゃないか?」
「····うん」
「お前はどう思っているんだ?」
「···分からない」
「···まぁ、そりゃそうか」
「何があったのか知らないけど私は変わらない方が良いと思うわよ」
「何でですか?」
「急に自分を変えちゃったら自分が誰か分からなくなるかもだし、本当の自分を失くす事になるかもしれないからね」
「···成る程、月龍君は?」
「俺はさっきも言ったけどそのままで良いと思う」
「···」
「まぁ、最終的に決めるのはお前なんだけどな、どうする?」
「····変わらないでおくよ」
「なら、そうしな」
「うん、何か気が楽になったよ、ありがとう」
「そっか」
「···二人とも、私、さっきから思ったんだけど」
「何ですか?」
「貴方達って、何か祖先が凄い人なの?」
「何でですか?」
「いや、二人とも禁忌を解放してるって聞いたから、禁忌の解放条件は祖先からの引き継がれる、もしくは血反吐がでるほど頑張って、そして大事な人を守るという気持ちが物凄く高くなったら解放できるから」
「俺は祖先から引き継がれた禁忌ですね」
「私は多分、後者です月龍君達を守りたいって強く思って使ったら解放できました」
「貴女は月龍君が大好きなのね」
「はい、大好きです」
「月龍君は?」
「もちろん、大好きです」
「あらー、二人とも恋人同士なのね」
「は、はい」
「キスとかしたの?」
「き、今日の昼間しました」
「その前に俺はヤバイことされたけど」
「い、言わないでよ!」
「ヤバイこと?宗古ちゃんが?」
「いや、宗古がわざとしたんじゃ無くて、ヤンデレ化の薬を飲まされてそれで···」
「あらあら」
「うう、やめてぇ」
「ごめんごめん」
「それで、その時にキスしたの?」
「キスしたのは薬の効果が切れた時に」
「あら、そうなの」
「は、はい、な、何か今しなかったら後悔しそうだなって思って」
「ふむふむ、それで?」
「月龍君と友達の子が気絶しました」
「あはは!それ本当?」
「はい」
「何故か意識が飛んだんだよな···」
「本当に何でなの?」
「知らん」
「あはは、あ、それで、話戻すけど、月龍君のご先祖様の名字は?」「睦月」
「睦月家···確かに元々最強だった一家だけどだんだん弱くなっていった一族ね」
「はい、そうです、んで、どうやら俺が歴代の中で先祖の怒りと優しさを引き継いだのですが···」
「ですが?どうかしたの?」
「俺が知らない間に怒りと優しさは混じりあったみたいで」
「え?」
「それで、俺はいつの間にか殺意というのが身に着きました」
「殺意?聞いたことがないわね、そんな力··あ、宗古ちゃんは?」
「私は···よくわかりません、私の一族は何かと変なので」
「変?」
「禁忌を解放した者に厄王の仮面を被せるといった事をするのです」
「···貴女って禁忌を解放してるわよね?」
「はい」
「宗古ちゃん、日頃から用心しておきなさい、いつ襲われるか分からないからね」
「はい」
「それで、貴女の力を見たいから、そこでじっとしててくれる?」
「は、はい」
私はその場で止まった
女王様は私の胸辺りに手をあてた、すると
ポワ~
綺麗な空色の謎の魂?みたいな物が出てきた
「な、何ですか?これ」
「貴女の力よ···これは···一杯混ざってるわね」
「そうなのですか?」
「元気 優しさ 慈悲 悲しみ···これらを感じ取ったわ、貴女の力は戦いには向いてないかもしれないし、そうでもないかもしれないわ」
「そうですか、それじゃ、月龍君は?」
「試してみましょうか」
女王様は同じように月龍君の胸に手をあてたすると
バチバチ!
赤色と黒色が混じりあって禍々しい色をした力が現れた
「こ、これは 憎しみ 恨み 悲しみ 怒り 寂しさ 殺戮 が感じられる···」
「え?月龍君」
「···実はさ俺、緋色月の術を使って最近気づいたんだけど、この術を使うたびに何か憎しみとかがこみ上げてくるんだ、まるで何か新たに人格者が現れている感覚に」
「ね、ねぇ、どうして、言ってくれなかったの?」
「皆が心配すると思って」
私はその言葉を聞いたとき、少し涙を流して言った
「貴方が皆を心配するのと同時に皆も貴方を心配してるのよ!?」
「···分かってる」
「なのに、何で···何で教えてくれなかったの!」
「···それは」
「月龍君の馬鹿!」
私は泣きながら、部屋から走って出た
「あ、待って宗古ちゃん!」
「···だって···だって、それで術を使うのを止めたら、皆を救えなくなるかもしれないだろ」
俺は涙を流しながらそう言った
「はぁ、はぁ、う、うう!」
私はいつの間にかベランダのソファーに座っていた
「どうして、どうしてよ····馬鹿」
「あ、居た居た、こんなところに居たのね」
女王様が来て隣に座った
「女王様···」
「宗古ちゃんは本当に大好きなのね月龍君を」
「···うん」
「でもさ、月龍君も宗古ちゃんの事が大好きなのよ、それで···心配かけたら困るって思ったのでしょうね、あの子は優しいから」
「で、でも、せめて一言いってくれないと余計心配しちゃうよ」
「ええ、そうね」
「月龍君は優しいし、強いけど、優しすぎるから···だから··」
「月龍君が皆に言わなかった理由教えてあげようか?」
「え?知っているのですか?」
「ええ、あの子が言わなかった理由は止められるからだって」
「術を使うのを?」
「ええ、そしたらあの子は守りたいものを守れなくなる···それがいやらしいよ」
「···そ、そうだったのですか?」
「ええ」
「救えなくなるから···」
その時
ズドーーーン!!
凄まじい地響きが聞こえた
「な、なに?」
地面から大きな蛇が現れた
シャー!!!
「これは··カブリ?」
その時蛇は尻尾を付き出してきた
「しまっ!」
私は尻尾でぐるぐる巻きにされた
「きゃあ!」
「宗古ちゃん!」
「うぐっ、あがっ···た、助けて···」
「今いくからね!フレイム!」
ボオオオ!!
女王様は炎の宝玉をとりだしたすると宝玉から炎が飛び出した、しかし蛇にはあんまり効果は無かった
「は、離して···く、苦しい」
「くっ!どうすれば···」
その時
「緋色の斬撃」
ザン!
斬撃が飛んできて尻尾を切った
「きゃあ!」
ガチッ
私は前をみた、私の手をつないでいたのは
「··振り落とされるなよ」
月龍君だった
「月龍君···」
シャ!?
「地獄!」
ボオオオ!!!
凄まじい炎が蛇を襲いそして炎は蛇の体は燃え始め、そして燃え尽きた
「よし、終わった」
月龍君は私を抱き抱えたまた降り、私をおろした
「大丈夫か?」
「···月龍君···ごめんなさい,私、貴方が皆に心配されないようにと思って隠してたのだと思ってたの」
「まぁ、それもあるけど本命はそっちじゃないな」
「貴方は皆が守れなくなるから言わなかったのでしょ?」
「うん」
「···さっき馬鹿とか言ったけど私の方が馬鹿だね、恋人に心配かけさせた挙げ句のはてに迷惑まで···」
私は涙を落とした、その時、月龍君は昼間のように抱き締めてくれた
「泣くなよ···そんなに」
「でも···」
「宗古」
「何?」
月龍君は私にキスをした
「あ/////」
「あはは昼間のお返しだ」
「···月龍君···大好き」
「··俺もだよ宗古」
応援ありがとうございます!
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