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sideアレンディオ
19.ショック
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兄上が病に伏して3年が経過した。容態は悪化するばかり、とうとう兄上ではなく僕を王太子に推す声が大きくなってきた。兄上がいよいよの時のために、僕とマーカスは帝王学の勉強をするように命じられた。
そもそも僕は、いずれ臣籍降下し、何かしらの爵位と領地を賜ろうと考えていたので、領地経営の勉強をしていた。大体、今から帝王学を学ぶというのは、まるでこのまま兄上の死を肯定してしまうように思えて気が進まないのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ある日、先触れもなく僕の執務室に訪問して来た者がいた。兄上の婚約者であるイザベラ公爵令嬢だった。僕の一歳上の従姉でもある。
「先触れもなく訪れてごめんなさいね」
「まったくだよ」
「相変わらずつれないこと」
「用件は?」
「せっかちね。まあ、いいわ。貴方を王太子に推している筆頭が、私のお父様だとは気が付いていると思うんだけど、私の婚約者をジュリアス様から貴方に変更させようと企んでいるわ」
「はぁぁ。何だよそれ。僕には、リアーナという婚約者がいるんだぞ!」
「もう、怒鳴らないでよ。貴方とリアーナ様を婚約解消させる王命を出させようと画策してるの。貴方のリアーナ様への執着を知っている陛下がそんな王命出すとは思えないけど、一応耳に入れにきたってわけよ」
「公爵は何考えてるんだ!そんなこと絶対にさせない!婚約解消になったら僕は一生独身だ!」
「私は、絶対貴方と結婚したくないわ。不幸になる未来しか考えられないもの。貴方と結婚するぐらいなら、修道院に入ったほうがまし!」
「意見が合ったな」
「そうね。一応伝えたわよ。では、お暇するわ」
イザベラが退室すると、
「はぁ、頭痛い‥‥」
大きなため息を吐く僕であった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
週1のお茶会で冗談で、
「リリ、婚約解消しようか」
と言ったら
「承知しました」
と、返された。
ショックだ。冗談でも言うんじゃなかった。
僕が王太子に押されている話は耳にしているはずだ。リリは王子妃として嫁ぐつもりだったのに、僕が王太子になったら『え、そんなこと聞いてない!』となるはずだ。気後れもするだろう。僕だって、王太子なんて負担でしかない。
リリを不安定な立場にしてしまった。守らないと。
そもそも僕は、いずれ臣籍降下し、何かしらの爵位と領地を賜ろうと考えていたので、領地経営の勉強をしていた。大体、今から帝王学を学ぶというのは、まるでこのまま兄上の死を肯定してしまうように思えて気が進まないのだ。
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ある日、先触れもなく僕の執務室に訪問して来た者がいた。兄上の婚約者であるイザベラ公爵令嬢だった。僕の一歳上の従姉でもある。
「先触れもなく訪れてごめんなさいね」
「まったくだよ」
「相変わらずつれないこと」
「用件は?」
「せっかちね。まあ、いいわ。貴方を王太子に推している筆頭が、私のお父様だとは気が付いていると思うんだけど、私の婚約者をジュリアス様から貴方に変更させようと企んでいるわ」
「はぁぁ。何だよそれ。僕には、リアーナという婚約者がいるんだぞ!」
「もう、怒鳴らないでよ。貴方とリアーナ様を婚約解消させる王命を出させようと画策してるの。貴方のリアーナ様への執着を知っている陛下がそんな王命出すとは思えないけど、一応耳に入れにきたってわけよ」
「公爵は何考えてるんだ!そんなこと絶対にさせない!婚約解消になったら僕は一生独身だ!」
「私は、絶対貴方と結婚したくないわ。不幸になる未来しか考えられないもの。貴方と結婚するぐらいなら、修道院に入ったほうがまし!」
「意見が合ったな」
「そうね。一応伝えたわよ。では、お暇するわ」
イザベラが退室すると、
「はぁ、頭痛い‥‥」
大きなため息を吐く僕であった。
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週1のお茶会で冗談で、
「リリ、婚約解消しようか」
と言ったら
「承知しました」
と、返された。
ショックだ。冗談でも言うんじゃなかった。
僕が王太子に押されている話は耳にしているはずだ。リリは王子妃として嫁ぐつもりだったのに、僕が王太子になったら『え、そんなこと聞いてない!』となるはずだ。気後れもするだろう。僕だって、王太子なんて負担でしかない。
リリを不安定な立場にしてしまった。守らないと。
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