【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?

咲雪

文字の大きさ
18 / 23

18.作戦

しおりを挟む

私たちの戸籍問題をクリアするための作戦はこうだった。


「キヨラが王族との結婚を回避する方法は、"純潔"じゃなくなることだ。托卵の問題が生じるから。相手が大聖女だったとしても例外じゃないはずだ」

「例外的に結婚とかなるかもよ」

「そこはキヨラの演技力?にかかってる。結婚にならないようにこちらのペースで話を進めるんだ。被害者の多くは弱者となるが、強者にもなれる。兎に角、いかに理不尽なことをされているか、何度も何度も強調するんだ。そしたら、相手は良心の呵責に苛まれるだろう、良心を持ち合わせてない奴もいるかもしれんが。その辺は、あの陛下だったら心配しなくていいと思う」

「私に演技力なんてないけど、願いを叶えるためだったら頑張れると思う。ヒールになったつもりで押し切ってみせる!」

「その意気だ。時には冷徹にならざるを得ないことがある、後ろめたく感じるが。我儘や傲慢に見られるかもしれない、キヨラにとって不本意かもしれない。耐えられるか?」

「その点は我慢するから、クリスは気にしなくて大丈夫だよ。それにしても、私たちって自己中だよね」

「結婚抜きにしても、戸籍問題は解消しなければならないんだ、気にしなくていい」


私たちは、交渉を有利に進めるためにあらゆることを想定をし、シミュレーションを行った。

私とクリスの繋がりを知っているカロンさんのことはどうしようかと迷った。大金を渡して口止めするのか、それとも陛下や大神官様にありのままを話すのか。

結局、カロンさんについてはありのまま話すことにした。下手に誤魔化すとボロが出るかもしれないので。

話し合いが終わった。


クリスが真剣な顔で私を見つめ、手を握った。

「結婚してからキヨラの初めてをもらうつもりだったけど、こんな形で婚前交渉することになってしまうが、キヨラは本当にそれでもいいか?後悔しないか?」

「大丈夫だよ。初めては結婚後にしたかったけど、事実婚でも結婚は結婚だもん。問題ない。それに、私が育った国は、今では婚前交渉はそんなに忌避されてないんだ。後悔なんてしないよ」

「教会で結婚の宣誓はできないけど、結婚指輪の交換をしよう。早速買いに行こう」

「うん!」


私たちは街に出て指輪をオーダーし、後日受け取った。

結婚式は教会で挙げられないから、以前行ったホテルで食事をし、指輪の交換、お互い幸せにすることを誓い、そのまま宿泊することになった。(宿泊やレストランの予約のキャンセルがあったらしく、運良く宿泊することができた。(都合良すぎでしょ)キャンセルが発生するとはツイている。まるで神様が私たちの結婚を祝福してくれてるように感じた)

客室でシャワーを浴びた後、私たちは向かい合ってベッドに座った。

「いよいよ初夜だな。怖いか?」

「初めてだけど、あ、あの、知識はあるから平気だよ。初めてがクリスで良かった」

「そう言ってくれて嬉しいよ。なるべく優しくするから安心して体を委ねてくれ」

クリスは額に触れるだけのキスをし、

「キヨラ、俺の可愛い奥さん。愛してる」

「クリス、私のかっこいい旦那さま。愛してる」

私もクリスに触れるだけのキスを額にした。

そして体を重ねた。


初めてはちょっぴり痛かったけど、クリスが優しくしてくれたので、2回目以降は全然平気だった。

とっても幸せな時間だった。


そして2日後、神殿に乗り込んだのだった。(流石に初夜の次の日はキツかった)




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


清良に隠れて、ランディック家の力を行使し、指輪を超特急で作らせたクリスフォードは悪い奴です。


※本日は19:00にもう1話更新します。
よろしくお願いします。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです

籠の中のうさぎ
恋愛
 日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。 「はー、何もかも投げだしたぁい……」  直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。  十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。  王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。  聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。  そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。 「では、私の愛人はいかがでしょう」

私の婚約者は誰?

しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ライラは、2歳年上の伯爵令息ケントと婚約していた。 ところが、ケントが失踪(駆け落ち)してしまう。 その情報を聞き、ライラは意識を失ってしまった。 翌日ライラが目覚めるとケントのことはすっかり忘れており、自分の婚約者がケントの父、伯爵だと思っていた。 婚約者との結婚に向けて突き進むライラと、勘違いを正したい両親&伯爵のお話です。

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

貧乏伯爵令嬢は従姉に代わって公爵令嬢として結婚します。

しゃーりん
恋愛
貧乏伯爵令嬢ソレーユは伯父であるタフレット公爵の温情により、公爵家から学園に通っていた。 ソレーユは結婚を諦めて王宮で侍女になるために学園を卒業することは必須であった。 同い年の従姉であるローザリンデは、王宮で侍女になるよりも公爵家に嫁ぐ自分の侍女になればいいと嫌がらせのように侍女の仕事を与えようとする。 しかし、家族や人前では従妹に優しい令嬢を演じているため、横暴なことはしてこなかった。 だが、侍女になるつもりのソレーユに王太子の側妃になる話が上がったことを知ったローザリンデは自分よりも上の立場になるソレーユが許せなくて。 立場を入れ替えようと画策したローザリンデよりソレーユの方が幸せになるお話です。

聖女になりたいのでしたら、どうぞどうぞ

しゃーりん
恋愛
聖女が代替わりするとき、魔力の多い年頃の令嬢十人の中から一人選ばれる。 選ばれる基準は定かではなく、伝聞もない。 ひと月の間、毎日のように聖堂に通い、祈りを捧げたり、奉仕活動をしたり。 十人の中の一人に選ばれたラヴェンナは聖女になりたくなかった。 不真面目に見えるラヴェンナに腹を立てる聖女候補がいたり、聖女にならなければ婚約解消だと言われる聖女候補がいたり。 「聖女になりたいならどうぞ?」と言いたいけれど聖女を決めるのは聖女様。 そしていよいよ次期聖女が決まったが、ラヴェンナは自分ではなくてホッとする。 ラヴェンナは聖堂を去る前に、聖女様からこの国に聖女が誕生した秘話を聞かされるというお話です。

従姉の子を義母から守るために婚約しました。

しゃーりん
恋愛
ジェットには6歳年上の従姉チェルシーがいた。 しかし、彼女は事故で亡くなってしまった。まだ小さい娘を残して。 再婚した従姉の夫ウォルトは娘シャルロッテの立場が不安になり、娘をジェットの家に預けてきた。婚約者として。 シャルロッテが15歳になるまでは、婚約者でいる必要があるらしい。 ところが、シャルロッテが13歳の時、公爵家に帰ることになった。 当然、婚約は白紙に戻ると思っていたジェットだが、シャルロッテの気持ち次第となって… 歳の差13歳のジェットとシャルロッテのお話です。

居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤

しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。 父親は怒り、修道院に入れようとする。 そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。 学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。 ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。

振られたから諦めるつもりだったのに…

しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ヴィッテは公爵令息ディートに告白して振られた。 自分の意に沿わない婚約を結ぶ前のダメ元での告白だった。 その後、相手しか得のない婚約を結ぶことになった。 一方、ディートは告白からヴィッテを目で追うようになって…   婚約を解消したいヴィッテとヴィッテが気になりだしたディートのお話です。

処理中です...