秋山くんは中学生

pino

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親友で相棒

だから何?

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 蓮田が向かった先は屋上だった。ここは普段は立入禁止で、あまり人がいない。だから不良の溜まり場になっていて、こういう喧嘩などやる場合はここを使う事が多い。
 今は俺と蓮田だけだった。


「おい秋山」

「ん?」

「俺は三年になった」

「だから何?」

「この学校で俺より強い奴はいねぇ。この意味分かるよな?」

「あ?楓がいるだろ」

「野崎は別だ!あいつはお前が絡んでなきゃやる気出さねぇだろ!」

「それって喧嘩が強い事に変わりなくね?」

「いいから!野崎は頭数にいれんな!」

「あーはいはい。で?何が言いたいんだよ」


 蓮田の言う事がいまいち納得いかなくて言い返すと余計に長くなりそうだった。だから適当に流しておく事にした。
 蓮田は腕を組みながら俺を見て笑っていた。


「こう見えて俺は、お前の事を認めてんだ」

「いきなりどした?やる前から負けを認めるとからしくねぇじゃん」

「負けを認めた訳じゃねぇよ!お前は何でいつも少しズレてんだ!」

「もー何!?いいから何が言いたいのかはっきり言えよ!」


 殴り合う訳でもなくただ話してるだけとか時間の無駄だからやめてもらいてぇ。
 サボるなら蓮田となんか過ごしたくねぇし、さっさと寝たい。
 
 俺が痺れを切らしたように言うと、蓮田はニッと口の端を上げてとても偉そうにこう言った。


「今じゃこの学校では俺がトップだ。そこで秋山は二年だけど、俺の右腕にしてやろうかと思ってんだ」

「……はぁぁぁ?」

「悪い話じゃないだろ?これからは俺達二人で仕切ろうぜ?」


 こいつ突然どうした?
 さも自分が一番強いと思ってる事もだけど、俺をテメェの右腕にするだぁ?想像以上に舐められてるみてぇだな。
 しかも自分の仲間の三年じゃなくて二年の俺にそんな事言うとか頭沸いてんじゃね?
 この時俺は確信した。こいつは俺よりも馬鹿だってな。


「いや、断る」

「何でだよ?二番手だからってこき使おうとか考えてねぇぞ?」

「俺仕切るとか興味ない。それと何よりお前と組むのが無理。何、タメに友達いねぇの?可哀想な奴~」

「何だと!?せっかく人が誘ってやってんのに!後悔するぞ!」

「その上からってのもムカつく。ごちゃごちゃ言ってねぇでさっさとやろうぜ?」

「上からなのは俺のが年上なんだからいいだろうが!それと俺はお前とはやり合いたくねぇ、手を組みてぇんだ」

「だから嫌だってば。てか俺の相棒はもういるし」

「……野崎か」

「楓の他なんて考えらんねぇな。一緒に暴れててあんなに楽しいのないもん♪」

「なぁ、お前らってさ……」

「え?何?」


 蓮田が何かを聞こうとしてるけど、聞き取れなくて聞き返す。すると蓮田は首を横に振って「なんでもない」と言った。
 だったらしゃべるんじゃねぇよ。


「てか喧嘩しねぇの?それなら俺寝たいんだけど」

「秋山、実は俺……」


 まだ何かあるのかよぉ!
 いい加減にしてくんねぇかな。俺がイライラし始めてると、誰かが乱暴に屋上のドアを開けて入って来た。


「貴哉!大丈夫か!?」

「あ!楓~♪」

「くっ……野崎かよ……」


 俺の相棒楓の登場で、焦り出す蓮田。
 楓は何も言わずに俺達の傍まで歩いて来てそのまま蓮田の目の前に立つ。三年の蓮田よりも背の高い楓は、黙ったまま睨みつけてるようだった。


「あ、秋山!今日のところはこの辺にしとく!また話そう!」

「あれっマジでやらねぇの?」


 さっきまでの勢いはどこへやら。蓮田は楓の登場で終始慌てていた。
 そりゃそうだろ。蓮田は楓に勝った事がないもんな。

 楓から逃げるように離れて、そのまま屋上から出て行った。

 
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