秋山くんは中学生

pino

文字の大きさ
7 / 12
校外学習

俺が悪いのか!?何で!?

しおりを挟む

 二年になってからしばらくして、いつものように空き教室で昼寝をしてから教室に戻ると、こちらに向かって手を振る女がいた。


「あ、貴哉~!こっちこっち~!」

「ん?豚美?」


 豚美こと鮎川瑠美だ。今日も茶色い髪をくるくるにしている。
 呼ばれたから近付くと、そこにはもう一人女がいた。見た目も性格もうるさい豚美とは反対に黒髪ショート。化粧をしてないタレ目が特徴的な大人しげな女だ。


「何だよ?くだらない用だったらぶん殴るぞ」

「レディーに向かって乱暴な口聞くなってのっ!」

「レディー?どこにそんなのいるんだよ?あ、こいつの事か?」

「きゃっ!!?」


 豚美がふざけた事言うから、豚美といた黒髪の女の肩に手を置いてノッてやると、そいつは体をビクッとさせて悲鳴を上げた。
 え、俺のせい!?


「ちょっと!何触ってるの!それセクハラだから!」

「はぁ!?肩に手置いただけだろ!」

「もー、ひまり大丈夫~?怖かったでしょ~?」

「大丈夫……ビックリしちゃっただけ……」

「ひ、人を化け物みてぇに言いやがって!」


 ひまりと呼ばれた女は豚美に肩をさすられながら俺の事をチラチラと見て来た。顔を赤くさせて眉間に皺を寄せていた。怒ってんのか?俺に触られるのがそんなに嫌だったのかよ!

 俺が豚美達とそんなやり取りをしていると、楓が入って来た。


「どうした?何かあった?」

「楓~!こいつらが俺をいじめるんだ!」

「あんたがひまりにセクハラしたんでしょうが!」

「貴哉が向井さんにセクハラ?」

「してねぇよ!肩に手を置いただけだ!」

「ひまりはそれが嫌だったんだから似たようなものじゃない」

「そうかよ!そんじゃ二度と触りませんよ!」

「あ、あの、二人共……」


 俺と豚美で言い合ってると、ずっと下を向いて黙っていたひまりが小さな声を出した。


「なぁに?ひまり~♪」

「あ?んだよ」

「威嚇するなバカヤ!」

「声が小さくて聞こえねぇんだよ!」

「あんたがそんなだから話しにくいんでしょー!」

「俺は俺だ!文句あんなら話かけんな!」

「貴哉も鮎川さんも一回落ち着いて。向井さんの話を聞こう」

「はーい♪」

「ふんっ」


 楓の言う事に明るく返事をする豚美。こいつ、楓狙いだな?いつも楓くん楓くん言ってるから怪しいと思ってたんだ。
 でも楓はやらねぇよ?豚美に取られてたまるか!

 俺と豚美が大人しくなると、ひまりが相変わらず小さな声で話し始めた。


「秋山くんに肩を触られたのは本当にびっくりしただけなの。その、嫌とかセクハラだとか思ってない……から……えっと、すぐに言わなくてごめんなさいっ」


 話してる途中から再び顔が赤くなってった。あ?こいつ病気か?
 でもひまりの話を聞くと俺は悪くねぇよな?むしろ俺に濡れ衣着せて騒ぎ立てた豚美が悪いんじゃね?


「ほう、ひまりは豚美が悪だと?」

「そうとは言ってないでしょ!」

「そもそも貴哉は何で向井さんの肩を触ったりしたんだよ?」

「え?ただなんとなくノリ?ほら、話しながらこんな感じで」


 その場にいなかった楓に質問されたから、俺は楓の肩に軽く手を置いて再現して見せた。


「なるほどな。今回は向井さんの好意で許してもらえたけど、今後は控えような?」

「えっ!俺が悪いのか!?何で!?」


 まさかの楓のセリフに俺は驚いた。そして豚美は喜んだ。豚美の笑顔がムカついたけど、俺は楓に味方してもらえなかった事のがショックだった。


「貴哉が悪いって訳じゃない。でも相手は女性だから、無闇に触るのは良くないかなって。今後は誤解されない為にも気を付けような?」

「やっぱり楓くんは凄いな~♪説得力ある~♪」

「う……分かったよ……ひまり、悪かったな」

「ううん……私もごめんなさい……」


 楓が言うんならそうなのかなって思っちまうじゃねぇか。俺がひまりに謝るとひまりも俺に謝って来た。
 このやり取りに対しては特に何も思わなかった。ただただ豚美の勝ち誇った笑顔がムカつくだけだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

親友二人に、男の先輩と付き合っているとノリで告白してしまいました

咲月千日月
BL
『今、先輩と…付き合ってるんだ』 ――親友二人に、話の流れで思わずカミングアウトしてしまった男子高校生の結。 その日から三人は、それぞれの思惑を持ち始め、関係は変わっていく。 親友関係の男子高校生三人の恋模様です。 わちゃわちゃかわいいお話になる予定…? なのですが……? *現代が舞台ですが、もちろんフィクションです。 *性的表現過多の回には、※マークがついています。

【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ6th season

pino
BL
秋山貴哉は口悪し頭悪しのヤンキーだ。 出席日数は崖っぷち、テストの順位は毎回最下位、学年主任からの呼び出しは日常の一部と、退学すれすれの学園生活を送るが、着々と襲い掛かる問題を乗り越えて行きとうとう冬休みに突入!が、ここでも貴哉にとって更なる難題が待ち受けていた。「お前最近周りから評価されてるようだか調子に乗り過ぎだ」まさかの親睦を深めたと思っていた担任からの言葉に貴哉はどう出るのか!? そしておかしな関係になってしまった元恋人達、伊織と空とは相変わらずな関係を続けているが、貴哉の事を好きなのは二人だけじゃなかった。迫り来るクリスマスに貴哉争奪戦が今始まる! 果たして貴哉は誰とクリスマスを過ごし、誰と年を越すのか? そもそも貴哉に冬休みは訪れるのか? 6th seasonスタートです! 基本コメディ多めですが、性的描写も有ります。 BLです。 今回の表紙は奇人変人男、桃山湊(5thのその後の後の姿)です。 こちらは6th seasonとなっております。 前作の続きとなっておりますので、より楽しみたい方は、完結している『どいつもこいつもかかって来やがれ』から『どいつもこいつもかかって来やがれ5thのその後』までを先にお読み下さい。 貴哉視点の話です。 ※印がついている話は貴哉以外の視点での話になってます。

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

百合豚、男子校に入る。

BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。 母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは―― 男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。 この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。 それでも眞辺は決意する。 生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。 立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。 さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。 百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。

BLゲームの脇役に転生したはずなのに

れい
BL
腐男子である牧野ひろは、ある日コンビニ帰りの事故で命を落としてしまう。 しかし次に目を覚ますと――そこは、生前夢中になっていた学園BLゲームの世界。 転生した先は、主人公の“最初の友達”として登場する脇役キャラ・アリエス。 恋愛の当事者ではなく安全圏のはず……だったのに、なぜか攻略対象たちの視線は主人公ではなく自分に向かっていて――。 脇役であるはずの彼が、気づけば物語の中心に巻き込まれていく。 これは、予定外の転生から始まる波乱万丈な学園生活の物語。 ⸻ 脇役くん総受け作品。 地雷の方はご注意ください。 随時更新中。

普通のβだった俺は

りん
BL
普通の大学生として過ごす白瀬凪が、αの先輩に絡まれる話 凪は普通の大学生だ。βで、容姿も中身も平均値ぐらいだと認識している。ある日、大学でもよく噂されている先輩に声をかけられる。先輩の独特の雰囲気と空気に、次第に巻き込まれていく凪。 書き殴り状態なので少しずつ修正するつもりですです…。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

処理中です...