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3章 波乱の腕相撲
やっぱり俺達……
しおりを挟む空は俺の顔を見てハッとした顔をして目を逸らした。俺が考えてる事が分かったのか?
「なぁ空、傷付けて悪かったよ」
「……うんっ」
「やっぱり俺達……」
別れようって俺が言おうとしたら空に右手を握られた。空の右手は自転車を持ってるから左手で強く、俺を引き寄せるようにして握って来た。
そして無理矢理作った笑顔でこう言った。
「絶対別れないからな!嫌だけど俺が我慢する!貴哉と別れるぐらいなら全然平気だし!」
「空……」
「てか俺の方が貴哉といっぱいキスなんかしてるし!それに男同士遊びでしたキスだろ?そんなの罰ゲームとかで良くやるやつじゃん!」
「お前、無理してるだろ?俺はお前の事が大切なんだよ。これ以上は本当に傷付けなくねぇんだ。我慢するとか言うなら別れた方がいいだろ」
「やだ!貴哉は俺と別れたいのか!?俺は別れたくねぇよ!だって、やっとまた付き合えたのにっまた別れるとか辛すぎるだろ……」
あ、とうとう泣いちゃった。
空の目からポロッと涙が溢れてまた胸が痛くなった。だから俺が見たいのはそんな顔じゃねぇんだって。俺といたら空はそんな顔しか出来ねぇじゃん。そんなの嫌なんだよ。
俺だって別れたくねぇよ。でも、空が傷付く顔はもう見たくない……
「貴哉頼むよ。もう誰と何をしても文句言わねぇから。頼むから別れるとか言わないでくれよ」
「何だよそれ、そんなのおかしいだろっ」
「おかしくねぇよ。俺は平気!貴哉の事誰よりも愛してるから耐えられる!」
「空……」
「あーもう!あの三人にも文句言いてぇけど辞めとくわ!さっきの聞かなかった事にする!一条さんが言ってた通りなんだ!」
「なぁでもそれって、お前は本当に俺を好きなままでいられるのか?また同じような事を繰り返すかもしれねぇんだぞ?」
「そしたら見て見ぬ振りするよ。貴哉も隠したままでいいから」
「いや、待てって」
それっておかしいだろ。そんなの付き合ってるって言わなくないか?
だって、やましい事して隠すのって浮気と変わらねぇじゃん。
空が一番嫌がりそうな事なのに、どうしてそこまでして俺と付き合っていたいとか言うんだよ。
俺は空の言う事が良く理解出来ずに、少し混乱していた。
そんな俺に空は手を握ったまま帰ろうと言った。
「そう言えばさー、今日生徒会の所に行ったんだけど、今忙しいらしくて応援頼めないか相談されたんだよな~。一番適任なのは賢い一条さんなんだろうけど、生徒会長の前田さんと相性が良くないだろ?だから部長の桐原さんかなぁって考えてるんだけど、貴哉はどう思う?」
「……どうでもいい」
「どうでもいいって、同じ部なんだから一緒に考えてくれよ~。あと空いてるのは数馬と怜ちんだけど……」
「んな事どうでもいいんだよ!俺は今お前の事しか考えられねぇよ!」
「…………」
俺が違う話題を出して無理に明るくしようとしてるのを見て、空の手を振り払って怒鳴ると、また苦しそうな顔をして見て来た。
「俺が何しても我慢するって、そんなの間違えてるだろ。そんなの付き合ってるって言わねぇよ」
「そうかな?好き同士付き合ってても我慢も大事だろ」
「違う!俺は空とそんな関係になりてぇんじゃねぇ!」
「じゃあなんだよ!俺がいいって言ってるのに何で別れる方向へ持って行こうとするんだよっ」
「そんなつもりじゃ……」
「貴哉は俺の事嫌いになったのか?今日キスした三人の誰かを好きになったのか?」
「違う!あれは好きでしたんじゃねぇ!」
「それならいいだろ。お前がモテるのは今に始まった事じゃねぇ。俺だってそれ覚悟でお前と付き合ってるんだ」
「……分かったよ」
なんかしっくり来なかったけど、これ以上は言い返せなかった。確かに空の事は誰よりも一番好きで、側にいたいと思ってる。
でも、傷付けてまで側にいるのは違うんじゃねぇのかな。
はぁ、紘夢と数馬もだけど俺も空と微妙な感じになっちまったぜ……
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