【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ7th season

pino

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4章 友の為にいざ出陣

お前の変装なら絶対バレねぇから安心しろよ

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 紘夢の運転で何とか工場ってとこに辿り着くと、工場の外にチャラ男号が乗り捨ててあった。
 工場は思ってたよりも小さい物で、入口にはロープが張られていて見るからに潰れてそうな感じだった。ここに楓がいるのか。
 

「あ、紘夢もマスクすっか?さっきコンビニで買ったんだ。あと何枚か入ってるからやるよ」

「貰おうかな~。絶対身バレしたくないからね」

「お前の変装なら絶対バレねぇから安心しろよ」


 さっきコンビニで買った白いマスクを一枚渡すと、早速付けていた。ぷっ!サングラスにマスクにちぐはぐな訳分かんない格好とか変態過ぎてヤバい!こりゃ城山の奴でも中身が紘夢だって分かんねぇよ!


「さて行こうか」

「やば、その格好で普通に歩いてるし……」

「出来れば貴ちゃんには手を出して欲しくないんだ。暴れるのは桃に任せて、出来るだけ見てるだけにして?万が一貴ちゃんに何かあったら嫌だからさ」

「んー、それは約束出来ねぇな、楓の状況次第では桃山に頼らず俺がやりてぇし」

「楓くんって貴ちゃんの幼馴染だよね?気持ちは分かるけど、今の貴ちゃんは自分の事を優先してもらいたい。俺も出来る限り貴ちゃんが城山に残れるように協力はするけど、葵くんがいない今限界があるって事を忘れないで欲しいんだ」

「わーってるよ!ここまで生き残れたのは俺一人の力じゃねぇって常に頭にある。だから俺も何度も面倒くせぇなって思ったけど、やって来れたんだ。絶対に無駄にしねぇからよ」

「うん。信じてるよ」


 サングラスの下の目が真っ直ぐ俺を見ているのが薄っすら見えて、ニッと笑ってやった。
 そして二人で工場の大きなシャッターの横にある入口っぽいドアまで行き、ドアノブを捻ってみる。すると、鍵が開いていてガチャッと普通に開いた。
 えー、こういう時って鍵とか掛けるんじゃねぇの?
 俺と紘夢は顔を見合わせてマジかと同じような反応をしていると、中からドカッと何かがぶつかるような鈍い音が聞こえて、数人の話し声が聞こえて来た。

 ま、まさか楓がやられたのか!?
 それか桃山が命令を無視して楓をやっちまってるとか!?
 ふとそんな事が頭によぎって俺は、慌ててドアを開けて工場の中に飛び込んだ。


「コラー!!テメェ人の事置いてってんじゃねぇ!!お陰で迷っちまったじゃねぇかぁ!!」

「遅いぞ~♪あ、ひろむんも来たんだ」

「馬鹿野郎!!名前は呼ぶなって言っただろ!!」


 桃山の動きを止めようと、俺が工場内に響き渡るような大きな声で言うと、桃山がゆらりと立ってこちらを見て嬉しそうに言った。
 早速注意した事を破る桃山に紘夢も大きな声で怒っていた。
 桃山の奴、良くこの光陽の学ランを着たダサいヤンキーが紘夢だって分かったな。

 そして俺と紘夢は工場の中を見て状況を確認する。桃山の近くに大柄の男が蹲りながら倒れていて、少し離れた所に楓と二人の男、そして地面に倒れてる男が一人。
 聞いていたより人数が少ないけど、どこかに隠れてるのか?


「って、もうあらかた片付いてる感じ?」

「なんだ、聞いてたより楽そうじゃん」


 周りを警戒しながら工事の中を進んで桃山の近くで倒れている大柄の男を横目で見ながら通り過ぎて楓の所まで行く。
 右手で左腕を押さえていて、表情も余裕が無いように見えた。こりゃ危なかったみてぇだな。
 でも楓が無事で良かった♪


「よう、元気そうじゃん」

「ああ、なんとかな」

「一人で四人相手に頑張ったな」

「油断してやられそうになったけどな」

「お前が弱ってるなんて珍しいもんな~」


 楓と喋りながら近くに鉄パイプを持って立ってる男を見て俺が少し動くと、いきなり大声を出された。


「お前なんなんだよ!誰だよ!」

「教える訳ねぇだろ。楓をやったのお前?」

「っ……」

「違う。俺を殴ったのはそこで倒れてる奴だ」

「えっ!もしかしてあいつがやっちゃったのか!?」


 黙り込む男の代わりに楓が言う男を見ると地面に倒れている奴の事だった。
 既に桃山がやっちまったのか!
 俺はなんか悔しくなって、楓の側にいた男を睨む。男が持つ鉄パイプが震えているように見えた。道具なんて使って卑怯な奴らだな。


「くそー!じゃあお前でいいや!おい鉄パイプ野郎!かかって来やがれ!」

「おい貴……」

「ピンク頭はジッとしてろ♪」

「…………」


 ヤケクソで俺が鉄パイプ野郎を指名すると、楓が心配したのか俺の名前を呼ぼうとしていた。
 俺は楓に向かって口元に人差し指を立てて「名前は呼ぶな」と伝えてみる。さすがは俺の相棒だ。すぐに理解したのか黙って口を閉じた。

 さて俺も暴れてやりますか!
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