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5章 学期末テストに挑む
やっぱり数馬の母ちゃんか!
しおりを挟む俺はやっと門の中に入れるとワクワクして数馬の父ちゃんに近付いた。
相変わらず仏頂面で目付きが悪いから怒ってるように見えるけど、普通にさっきまで父ちゃんと話してたからか、怖さは消えた。
「貴哉くん、何もお構いは出来ないが、入りなさい」
「はーい♪お邪魔しまーす」
「…………」
「あ、風呂入りたい!夕飯は食ったけど、風呂はまだなんだよ」
「た、貴哉っ!!」
ふと俺がいつも通りに喋ると数馬が慌てて俺を呼び止めて、数馬の父ちゃんはピタッと足を止めた。
風呂に入りたいって言ったらダメなのか?まさかこんな豪邸に住んでて風呂貸さないとかあるのか?
数馬の父ちゃんはゆっくり俺を見て鋭い目付きで見て来た。
「ん?まだ風呂洗ってねぇとか?」
「付いて来なさい」
何だ、普通に入っていいんじゃん。
数馬も入るのかと思ったけど、下を向いて途中であった分岐点で俺達とは別の道を歩いて行った。
庭に別の道があるとか面白いな。
俺は風呂に入りたかったから、そのまま数馬の父ちゃんに付いて行く事にした。
「なぁ数馬はどこへ行くんだ?」
「部屋だろう」
「部屋!?あ、そう言えば庭の離れにあるとか言ってたな!」
「離れと言えば離れだが、本宅の隣にあるぞ。門からならあの道でも辿り着くんだ」
「すげぇよな!自分の部屋が別にあるってさ♪羨ま~」
「…………」
数馬の父ちゃんはチラッと俺を見てその後は何も言わずに歩いていた。
庭は想像通りにデカくて、いろんな木が至る所に生えていて、大きな謎の岩とかも置いてあった。数馬が歩いて行った方には池なんかも見えたから、明日明るくなったらまた探検しようと俺はワクワクしていた。
そして本宅とやらに辿り着くと、これまたどデカい横開きっぽい玄関の扉があった。そこをカラカラと右にずらして開けて、やっと家の中に入れた。
どっかの旅館ですかってぐらいに広くて綺麗な和風の玄関は、俺の部屋ぐらいあった。
「上がりなさい」
「うす!お邪魔しまーす♪」
数馬の父ちゃんにスリッパを用意されて、遠慮なく上がると、廊下の奥から一人のおばさんが出て来た。
スリッパなんて履き慣れないから転ばねぇようにしねぇとな。
ちゃんと玄関で靴を脱ぐ所は紘夢んちとは違うな。
「あら、どちら様ですか?」
「ああ、数馬の友人の秋山くんだ。今日は家で預かる事にした」
「え……数馬の?」
「風呂に入りたいそうだ。諸々準備をしてくれるか?風呂へは私が案内する」
「分かりました」
出て来たおばさんとそんな話をしてる数馬の父ちゃんは、そのまま廊下を歩いて行った。
おばさんが俺をジーッと見てたから、ペコッと頭を下げると、ニコッと笑ってくれた。
母ちゃんよりひと回りぐらい上の、ちょっとキツい目付きの落ち着いたワンピースを着た女の人。髪は後ろでまとめて団子にしていて、清潔感があった。どことなく目元が数馬に似てるような~?
「いらっしゃい。数馬の母です」
「やっぱり数馬の母ちゃんか!」
俺が大きな声で言うと、数馬の父ちゃんは足を止めて振り向いてジロリと俺を見た。やべ!怒らせた?
数馬の母ちゃんはニッコリと笑ったまま俺に頭を下げた。
「数馬がいつもお世話になってます。秋山くん、お夕飯は?」
「あ、食って来た!数馬も俺んちで食ったから」
「まぁ、それは数馬がご迷惑を」
「明日神楽が来る日だったな、その時に別で礼を用意しておくように」
「手配しておきます」
数馬の母ちゃんが軽く驚いて焦った後、数馬の父ちゃんが「神楽」と言ってそう指示すると、また笑顔になって頭を下げた。
神楽ってどっかで聞いたな?思い出せねぇからいっか~。
「礼なんていいのに~。数馬の他にもいつも夕飯ぐらい食ってく奴いるぜ?そいつらは礼なんて用意した事ねぇけど?俺もな」
「…………」
俺が教えてやると、数馬の父ちゃんが俺をジーッと見た。
いや、いちいち無言で見られるの何?ちょっと慣れたけど、怒ってんのかそうじゃないのか分からねぇから怖いって。
礼を断るんじゃねぇってか?
「まぁ貰えるもんは貰うけど~」
「風呂はこっちだ」
「あ、はーい」
再び俺に背中を向けて歩いて行く数馬の父ちゃん。
ふーん、数馬んちってこんな感じなんだな~。
なんつーか、家はデカくて綺麗だけど、きっちりし過ぎててちょっと窮屈な感じ?
てか数馬は来ねぇのかよ?
あいつ、俺と言う友達が来てんのに放置とか度胸あんな~!
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