【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ7th season

pino

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おまけ

おまけ2 戸塚春樹

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 ゴンちゃんの授業の後、一人で教室へ向かっていると、前方に見覚えのある男を見つけた。
 

「おーい!戸塚の坊ちゃ~ん!」

「……秋山か」


 同じクラスの鉄仮面の戸塚だった。
 俺は駆け寄って戸塚の横に並ぶ。
 相変わらずの鉄仮面っぷりだけど、これが戸塚だから俺は気にせず並んで歩いていた。


「教頭先生の特別授業か。お前も頑張ってるな」

「まぁな!戸塚も生徒会頑張ってるみてぇだな」

「おかげさまでな」

「あー、もう少しでお前ともお別れだな~!なぁ覚えてっか?俺ら昼飯一緒に食ってたんだぜ?」

「俺の記憶力がお前よりも劣ってると思ってるのか?覚えてるに決まってるだろ。直登と早川も入れて四人で食べていたな」

「さっすが戸塚さん!いやー、今思うと面白ぇメンバーじゃん?懐かしいなーってさ」

「そうか?」

「そうだって!あの頃の戸塚マジで怖かったからね!俺の事見る度に睨んで来やがってよ~」

「まだ言うのか。今では睨んでないんだからもういいだろ。むしろ風呂で世話してやったんだからそれで許せよ」

「コラー!俺の黒歴史引っ張り出すなぁ!」

「黒歴史って……まぁいい、いろいろと話は聞くけどあれから順調なのか?」


 こいつはサラッと爆弾投げてくるなぁ!
 俺からしたらあの時の事は忘れたい過去なのに!
 思い出したら恥ずかしくなって来たぜ!

 戸塚は特に気にしてる様子もなく、俺の近況を聞いて来た。生徒会入りしてから忙しそうであまり教室にいないから少し気になってたのか?


「まぁ順調かな?空とは落ち着いてるし、あー、でも直登と数馬はちと面倒な事になってるかもな~」

「そう言えば広瀬のテストの順位が落ちたそうだな。何かあったのか?」

「んー、あの二人別れたんだけど、直登があからさまに数馬に冷たくしてんだよな~」

「直登らしいな」

「数馬も頑張ってるんだけど、元々気が弱いからすげぇ気にしてるんだ。ま、もう少しでクラスバラバラになるかもだし、それまでの辛抱だけどな~」

「……ところで来年度からクラス分けが大きく三つに分かれるのは知ってるか?」

「ああ、そんな話聞いたな!ガリ勉クラスと、普通のクラスと、あともう一個だよな?」

「そうだ。そのもう一個だけど、多分秋山と広瀬はそこのクラスになるぞ」

「えっマジ?あ、戸塚は生徒会だからもう知ってるのか」

「いや、生徒がどこのクラスへ配属されるかまでは知らないが、もう一個のクラスの事なら聞かされてるからな。秋山と広瀬はそこのクラスへ配属される条件を満たしてるんだ」

「そうなの?どんな条件よ?」


 俺が聞くと戸塚は、少し考えるような顔をしてからこう言った。


「何て言えばいいのか……問題児、いや、赤信号……うーん、とにかく秋山は今のまま頑張れよ」

「おい!なんだよその面倒くせぇから簡潔にまとめましたみたいなの!すげぇ気になるワード出してんだから最後まで分かりやすく教えてくれって!」

「おっと、秋山と話していたら随分遅れてしまった。早く教室へ行かないと」

「戸塚~!教えろって~!」


 俺がしつこく聞いても教えようとしない鉄仮面は先に歩いて行く。
 ハッキリ聞いたけど、問題児と赤信号。確かにどっちも心当たりのあるワードだけどよ!どちらにせよヤバいんじゃね?
 俺だけじゃなくて数馬もだろ?まぁ数馬も問題児っちゃ問題児だったよな。

 んでも戸塚の言う通りなら空と直登とは別のクラスになりそうだな。
 そんで戸塚は聞くまでもなくガリ勉クラスだろ?
 
 みんなバラバラか~。
 自分で言った事だけど、そう考えたら少し寂しくなるな。
 いつも俺の後ろの席でノートを写させてくれてたワガママ王子の直登、常にスマホと鏡を見てると思いきや学年トップクラスの成績を保持している空、クラスには途中参加で発言も少ないけど最近は頑張ってる数馬、そしていつも無表情で常に学年一位の成績の戸塚。
 
 こうして考えるとこの一年本当にいろいろあったな。
 笑い合ったり、喧嘩したり、いがみ合ったり、馬鹿し合ったり。
 初めの頃の俺はまともに学校に来てなかったからあんまクラスの奴らとは関わり無かったけど、毎日通うようになってからは自然と一緒に過ごす時間も増えていった。
 そして今ではその四人以外にも挨拶を交わす奴らも増えて、日常会話もする奴らもいる。

 俺は面倒くさがりで、学校とかダルいなって思っていたけだ、なんだかんだ言って今では悪くないかもと思えていたりもする。

 俺と戸塚の一年A組の教室が見えて来た所で先に歩いていた戸塚が振り返り、鉄仮面のまま俺に向けてこう言った。


「何はともあれ一年間お疲れ様。そして進級おめでとう」

「へ?あ、ああ、サンキュー?」

「俺は秋山の事は嫌いじゃない。だから二年になって何か困ったら声を掛けろよ。その時は手を貸す。お前に借りた借りを返させてくれ」

「はぁ?何それ?」

「ほら行くぞ、ホームルームが始まる」


 身に覚えのない貸し借りの話を出されて俺が頭にハテナを浮かべてると、鉄仮面は薄く笑った気がした。
 それが嬉しくて俺は戸塚に飛び付いて懐いてやった。


「……訳分かんねぇけど、俺も戸塚の事好きだぜ~♪」

「調子に乗るな!ったくお前は……」


 戸塚はめちゃくちゃ嫌がってたけど、今では睨まれる事がなくなって俺は戸塚の事が好きになっていた。
 ありがとうな戸塚。
 二年になって、もしまた退学だとか進級だとかヤバくなったら、お前の生徒会っての使わせて貰うわ♪

 そん時はよろしくな鉄仮面♪




✳︎✳︎✳︎おまけ2完✳︎✳︎✳︎


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