【完結】取り柄は顔が良い事だけです

pino

文字の大きさ
50 / 72
4章 まさかの目覚め!?

49.本屋の後は甘い時間

しおりを挟む

 毎週土曜日のお決まりになった尚輝くんとのデート。今日は俺の提案で尚輝くんが普段行ってる所でデートしていた。
 そもそも俺は若者の事を勉強する為に尚輝くん達のような20歳の男とデートをしようと決めたんだ。
 好きだのゲイだの話が逸れたけど、ここでやっと原点に戻る事にした。


「本当に俺が良く行く場所でいいんですか?」

「全然良い♪てか行きたい♪」

「面白くないですよ?退屈しちゃうかも」

「それは俺が決めるから大丈夫♪」

「えー、嫌われないか不安だなぁ」


 嫌われるような場所ってどこよ?
 ちょっと面白かったけど、尚輝くんは真面目に言ってそうだだたから辞めておいた。

 まず尚輝くんが向かったのは本屋だった。そこそこ広い本屋で、本や雑誌以外にも文房具やCDなど、ちょっとしたおもちゃまで売っていた。
 

「ここの本屋にはたまに来るんです。いつもは大学の近くのを利用しています」

「へー、尚輝くん似合うね。何買うのー?」

「今日は買いません。でも少し見てもいいですか?ここ種類が多いので」

「いいよー♪俺付いてくね♪」


 さて、若者はどんな雑誌を読むのかな?
 小説かな?漫画かな?
 俺は全く本とか読まないけど、漫画とかなら読めるだろうし、何が流行ってるのか知っておいても損はないだろ。
 尚輝くんが向かった棚は経済系の難しい本が並ぶエリアだった。
 あの、俺にはちょっとハードル高いかな?


「やっぱりいつもの本屋さんよりたくさんあるー♪」

「良かったね。ゆっくり見ていいから」


 ちんぷんかんぷんな俺の横で目を輝かせている尚輝くん。かなり喜んでるみたいだけど、こういうのがたくさんあると嬉しいんだ?
 難しい本を読んでるのを知ると、本当に勉強してる学生なんだなぁって思うわ。


「じゃあお言葉に甘えて♪」


 そう言って尚輝くんは気になった本を取って中身を見ていた。たまに本棚に戻してまた違う本を取る。
 ひたすらその繰り返しで、隣でそれを見ている俺は、今何やってんだろー?って思っていた。

 その内尚輝くんは集中し出して、多分俺の存在忘れてるんじゃないかな?
 これなら楽なデートだからいいけど、尚輝くんにとっては勿体無いだろうな。
 もう30分近くもこうしているのに飽きた俺は尚輝くんの服の裾を引っ張って呼ぶ。


「尚輝くーん、気になるなら買えば?」

「あ!伊吹さん!ごめんなさいっ!」


 慌てて持っていた本を閉じて棚に戻す尚輝くん。
 いや、俺の方こそ邪魔しちゃってごめんね?って感じだよ。


「つまらなかったですよねっやっぱり俺の行きたい場所は辞めましょう!」

「つまらなくはないけど、本屋はもういいかな?他行こ?」

「そうですね!それじゃあ次行きましょう」


 うん、全く参考にならなかったな!
 たとえ俺が経済について詳しくなっても、そんな話をして誰が喜ぶのだろう?
 逆に面倒くせぇ金返せって言われそうだ。

 本屋を出た後、尚輝くんが向かったのは街の図書館だった……
 また本かよ……


「家での勉強に集中出来ない時とかに良く使うんです。でも今日は勉強はしないので中には入りません」

「あ、そうなの?」


 俺がホッとした顔をすると、尚輝くんはクスクス笑った。
 

「俺が勉強する場所は他にもあります。そこなら伊吹さんも心地良く過ごせると思いますよ」

「どこだろー?楽しみだなぁ」


 いや、勉強するのに楽しいなんて有り得ないだろ。また勉強かと内心はガッカリしてたけど、ニコニコして尚輝くんに付いて行く事にした。
 
 そして着いたのはチェーン店のカフェだった。なるほど~、俺も良く来るけど勉強してる学生とか見るもんな~。
 確かにここならコーヒーとか軽食とかあるからちょうどいいよな。


「少し休憩して行きましょう♪」

「わーい♪俺小腹空いたから何か食べたい。いい?」

「いいですよ。好きな物をどうぞ♪」


 俺はキャラメルラテといちごのショートケーキ、尚輝くんはホットコーヒーを注文した。
 店内は混んでいてほとんどの席が埋まっていた。


「あ、俺がいつも勉強で使ってる席は空いてます。こっちです」


 尚輝くんが向かった先は窓際のカウンター席だった。


「確かにここなら外しか見えないし、集中出来そうだな」


 俺と尚輝くんはカウンター席に隣同士で座った。
 俺がケーキを食ってると、尚輝くんは機嫌良さそうに見ていた。見られてると食いづらいじゃん。


「伊吹さんは甘い物がお好きなんですか?」

「好き♪ケーキはモンブラン意外なら何でもイケる♪」

「モンブランは苦手なんですか?」

「苦手だね、尚輝くんは甘いの嫌い?」

「あまり食べません。どちらかと言うと苦手ですね」

「そんな感じするわ、そんじゃあーんはしてやれないな♪」

「えっ!」


 俺がフォークにショートケーキを乗せて見せて、いつものようにふざけた感じでニシシと冗談を言うと、ショックを受けたような反応を見せる尚輝くん。
 そのままパクッと自分の口に入れて美味しそうに食べてると、一生懸命な顔して訴えて来た。


「い、今好きになりました!甘い物が食べたいです!」

「冗談だし無理すんなって~」

「冗談、なんですか?」

「うっ……」


 見て分かるぐらいにしょんぼりする20歳の尚輝くん。
 5歳も年下の子を騙してるみてぇで凄ぇ気分悪いじゃん!
 んでも感情の変化が可愛いなとか思ったり?

 しょうがねぇ!一回ぐらいなら!

 俺は空になったフォークにもう一度ショートケーキを乗せて尚輝くんに差し出した。


「吐き出したりするなよ?ほらあーん」

「伊吹さん♡あーん♡」


 今度は嬉しそうにキラキラした目でニッコリ笑って、あーんと口を開いて俺からのショートケーキをパクッと口に入れた。

 か、可愛いーじゃねぇか!
 なんつーの?年の離れた弟いたらこんな感じ?
 もー大分デカくなっちまったけど、大好きなお兄ちゃんに懐いて何でもして欲しがる甘えん坊な弟みてぇで何かいい!

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン俳優は万年モブ役者の鬼門です

はねビト
BL
演技力には自信があるけれど、地味な役者の羽月眞也は、2年前に共演して以来、大人気イケメン俳優になった東城湊斗に懐かれていた。 自分にはない『華』のある東城に対するコンプレックスを抱えるものの、どうにも東城からのお願いには弱くて……。 ワンコ系年下イケメン俳優×地味顔モブ俳優の芸能人BL。 外伝完結、続編連載中です。

【完結】紅く染まる夜の静寂に ~吸血鬼はハンターに溺愛される~

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
BL
 吸血鬼を倒すハンターである青年は、美しい吸血鬼に魅せられ囚われる。  若きハンターは、己のルーツを求めて『吸血鬼の純血種』を探していた。たどり着いた古城で、美しい黒髪の青年と出会う。彼は自らを純血の吸血鬼王だと名乗るが……。  対峙するはずの吸血鬼に魅せられたハンターは、吸血鬼王に血と愛を捧げた。  ハンター×吸血鬼、R-15表現あり、BL、残酷描写・流血描写・吸血表現あり  ※印は性的表現あり 【重複投稿】エブリスタ、アルファポリス、小説家になろう 全89話+外伝3話、2019/11/29完

ブラック企業の寮で、同期とだけは恋に落ちないと決めていた~同室生活・過労案件・限界メンタル―それでも、唯一の味方が、隣にいる。

中岡 始
BL
「限界社畜、恋に落ちたら終わりだと思ってた――でも、一緒に辞めて起業しました。」 ブラック企業で出会った新卒ふたり。 職場は地獄、寮は同室、心は限界寸前。 “ちゃんとした社会人”を目指す白井と、マイペースに生き延びる藤宮。 恋なんてしない、期待なんてしない――そう思ってたはずなのに、 「お前がいたから、ここまで来られた」 気づけば手を取り、会社を辞め、仲間たちと“理不尽の外側”へと走り出す。 すれ違い、涙、ほうじ茶プリンとキスの夜。 これは、仕事と恋に潰れかけたふたりが、 一緒に人生を立て直していく、再起系BLラブコメディ!

本気になった幼なじみがメロすぎます!

文月あお
BL
同じマンションに住む年下の幼なじみ・玲央は、イケメンで、生意気だけど根はいいやつだし、とてもモテる。 俺は失恋するたびに「玲央みたいな男に生まれたかったなぁ」なんて思う。 いいなぁ玲央は。きっと俺より経験豊富なんだろうな――と、つい出来心で聞いてしまったんだ。 「やっぱ唇ってさ、やわらけーの?」 その軽率な質問が、俺と玲央の幼なじみライフを、まるっと変えてしまった。 「忘れないでよ、今日のこと」 「唯くんは俺の隣しかだめだから」 「なんで邪魔してたか、わかんねーの?」 俺と玲央は幼なじみで。男同士で。生まれたときからずっと一緒で。 俺の恋の相手は女の子のはずだし、玲央の恋の相手は、もっと素敵な人であるはずなのに。 「素数でも数えてなきゃ、俺はふつーにこうなんだよ、唯くんといたら」 そんな必死な顔で迫ってくんなよ……メロすぎんだろーが……! 【攻め】倉田玲央(高一)×【受け】五十嵐唯(高三)

【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜

星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; ) ――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ―― “隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け” 音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。 イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――

恭介&圭吾シリーズ

芹澤柚衣
BL
高校二年の土屋恭介は、お祓い屋を生業として生活をたてていた。相棒の物の怪犬神と、二歳年下で有能アルバイトの圭吾にフォローしてもらい、どうにか依頼をこなす毎日を送っている。こっそり圭吾に片想いしながら平穏な毎日を過ごしていた恭介だったが、彼には誰にも話せない秘密があった。

【BL】『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとでした

圭琴子
BL
 この世界は、αとβとΩで出来てる。  生まれながらにエリートのαや、人口の大多数を占める『普通』のβにはさして意識するほどの事でもないだろうけど、俺たちΩにとっては、この世界はけして優しくはなかった。  今日も寝坊した。二学期の初め、転校初日だったけど、ワクワクもドキドキも、期待に胸を膨らませる事もない。何故なら、高校三年生にして、もう七度目の転校だったから。    βの両親から生まれてしまったΩの一人息子の行く末を心配して、若かった父さんと母さんは、一つの罪を犯した。  小学校に入る時に義務付けられている血液検査日に、俺の血液と父さんの血液をすり替えるという罪を。  従って俺は戸籍上、β籍になっている。  あとは、一度吐(つ)いてしまった嘘がバレないよう、嘘を上塗りするばかりだった。  俺がΩとバレそうになる度に転校を繰り返し、流れ流れていつの間にか、東京の一大エスカレーター式私立校、小鳥遊(たかなし)学園に通う事になっていた。  今まで、俺に『好き』と言った連中は、みんなΩの発情期に当てられた奴らばかりだった。  だから『好き』と言われて、ピンときたことはない。  だけど。優しいキスに、心が動いて、いつの間にかそのひとを『好き』になっていた。  学園の事実上のトップで、生まれた時から許嫁が居て、俺のことを遊びだと言い切るあいつを。  どんなに酷いことをされても、一度愛したあのひとを、忘れることは出来なかった。  『Ωである俺』に居場所をくれたのは、貴男が初めてのひとだったから。

過去のやらかしと野営飯

琉斗六
BL
◎あらすじ かつて「指導官ランスロット」は、冒険者見習いだった少年に言った。 「一級になったら、また一緒に冒険しような」 ──その約束を、九年後に本当に果たしに来るやつがいるとは思わなかった。 美形・高スペック・最強格の一級冒険者ユーリイは、かつて教えを受けたランスに執着し、今や完全に「推しのために人生を捧げるモード」突入済み。 それなのに、肝心のランスは四十目前のとほほおっさん。 昔より体力も腰もガタガタで、今は新人指導や野営飯を作る生活に満足していたのに──。 「討伐依頼? サポート指名? 俺、三級なんだが??」 寝床、飯、パンツ、ついでに心まで脱がされる、 執着わんこ攻め × おっさん受けの野営BLファンタジー! ◎その他 この物語は、複数のサイトに投稿されています。

処理中です...