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1章 写真ばら撒き事件
何が何でも俺を復活させろ
しおりを挟む酔っ払ってる母ちゃんの事は瑛二の母ちゃんに押し付けて、俺と空と瑛二は二階の俺の部屋に逃げて来た。
母ちゃんいたら話進まねぇんだもん!
何だかんだ21時過ぎてんじゃねぇか。
「てかお前ら明日も学校だろ?早く帰った方が良いんじゃね?」
「俺は大丈夫ー♡」
「俺も、お母さんといるから大丈夫だよ」
「そうかよ。んじゃ黒幕とやらを教えてもらおうか?」
「……それは」
「まだ言えねぇのかよ!」
「貴哉、これを見て欲しい」
空が持ってた紙袋から見て欲しいと言う物を出した。
ずっと気になってたんだよなー。瑛二の母ちゃんが持ってた紙袋は手土産のお菓子だったけど、空はどんな手土産かなって♪
でも出て来たのは高そうなカメラだった。
え、俺いらねぇよこんなの。
「何これ?」
「一眼レフカメラ。数十万はするよ」
「嘘だろ!?そんなするのかよコレ!」
「倉持が黒幕に貰った物だよ。スマホなんかで盗撮してないでこれで綺麗に撮りなよって」
「はぁ?こんなの人にあげられるとかどんな金持ちだよ!」
「だよね。金持ちな人だよね。黒幕って」
「ん?金持ち……?」
ちょっと待て。金持ちって言えば同じクラスにいるじゃねぇか!
「戸塚かー!!」
「ちげぇよ!!」
「あ?じゃあ誰だよ。てか空も知ってんのかよ」
「うん。倉持の家で聞いたからね。これも俺が預かった。倉持が持っていたくないって言うから。明日証拠品として生徒会長に渡すよ」
うーん、思い当たる金持ちって戸塚ぐれぇじゃん?芽依も金持ちだけど、学校違うし。
あ!もう一人いんじゃん!スーパー金持ち!
「銀髪か!」
「正解」
「あの野郎、ふざけやがって!ぜってー許さねぇ!」
「はぁ、やっぱり一条さんと関わるべきじゃなかったんだよ。今日とか普通にしてたからねあの人。良く考えてみたら、倉持の事を犯人だって誘導するようなやり方してたし」
「俺番号知ってっから、電話して呼び出そうぜ。今すぐ謝らせてやる」
「やめろって!俺達が問い詰めても言い負かされて終わるに決まってんだろ」
「だったらどうしろってんだよ!舐められといて黙ってられるかよ!」
「明日俺と倉持で生徒会長に全部話す。それまでは待ってくれって」
「秋山くん、俺生徒会長に全部話すから、もう逃げたりしないよ!だから秋山くんは待ってて」
「チッ分かったよ!その代わり生徒会長に話してどうなったかはすぐに教えろよ。場合によっちゃ殴り込むからよ」
「貴哉、頼むから大人しくしててくれよ。別件で謹慎長くなったりしたら俺寂し過ぎておかしくなっちゃうからな!」
「分かってるよ!これ以上問題は起こさねぇようにする!お前も何が何でも生徒会長に動いてもらえよな!」
「任せろ♪生徒会長ってさ、実は良い人だったんだぜ~♪」
「へー、お前関わりたくねぇとか言ってたじゃん。餌付けでもされたか?」
「そんな事する人じゃねぇよ!……分かんねーけど」
俺と空のやり取りを見てて瑛二が笑った。
そういや普段いねぇ奴が部屋にいるとか変な感じだな。
「おい瑛二、何笑ってやがる」
「ごめん、でもあの二人をこんな間近で見れて凄いなぁって」
「あ?何だそりゃ」
変な事言う奴だなと思ってると、空がニヤニヤしながら俺に近付いて来た。
「貴哉~、倉持は貴哉の事が好きなんだって。楽しくて面白いから」
「好きって、ふーん。まぁ悪い気はしねぇな!」
「秋山くんには本当に悪い事をしたと思ってるよ。ごめんね」
「本当に悪いと思ってんだよな?」
「思ってるよ!」
疑ってなんかねぇけど、意地悪く言ってみると、瑛二は少し大きな声で答えた。
そして俺はニヤッと笑って瑛二に言ってやった。
「それなら何が何でも俺を復活させろ。空とか生徒会長を使ってでもな。お前の事信じてるぜ」
「秋山くんっ……うん!俺やるよ!」
「ほんと貴哉は貴哉だな~」
俺と瑛二を見て空はやれやれと笑ってた。
それぐらいしなきゃ俺のダチは勤まんねぇだろ。
それにしても銀髪か……
あいつヘラヘラして何やってくれてんだよ。
まぁ初めからおかしな奴だったけどよ。
敵……になったんだよな?
じゃあ俺が会議室に行く前に現れたのは何でだ?まるで助けるみたいに俺と伊織の間に入ってたよな。
頭のおかしい奴の考える事は分かんねぇなぁ。
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