カラフルパレード

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二章 地上

64.スズvsトパーズ ※スズside

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 ※スズside

 僕は今、グレビリア国のドノフにある闘技場にて、選手として闘技場の上に立っていた。

 闘技場の事はずっと前から知っていた。面白そうだと思っていたけど、Liveに来る前の僕には自由なんて物は無かったから、行く事も見る事も許されなかった。

 それがどうだろう、元々敵だったLiveに入り同行すると自然と僕自身初めて経験する事が増え、今正に公式の場で戦う事を許されている状況。

 Live以外の研究所では強制的に、相手が超人だろうが一般人だろうが任務を与えられていた。
 言われた事しか許されない中でも僕は、比較的楽しめていたと思うんだ。

 Liveの前に所属していた研究所では結構頼りにされていた方で、あのLiveに単独潜入も任されたぐらいだ。僕専用の武器も与えてくれて、僕は張り切って任務に当たっていた。
 当時はそれだけでも良かったんだ。だって、他を知らないからそれ以外楽しい事なんてない。そう思っていたんだ。

 でも、ウルに出会い、Liveに入ってからは想像以上の刺激的な出会いに毎日が心躍った。
 Liveでは、超人でありながら、研究所でモルモットにされながら、みんなそれぞれが好きに生きていたからだ。

 同じく任務があって、トップには逆らってはダメだから、自由とはまた違うと思うけど、それでも僕から見たらみんな好きにやっているように思えた。
 そう、まるで自分達の意思でアキトに従っているかのように。

 僕は今、闘技場での参加資格が僕にしかないと言う事で出場するという任務を与えられたけど、これは強制では無かった。
 Liveのトップであるアキトに「やるかい?」といつものように世間話でもするかのように聞かれたんだ。
 勿論僕は「やる♪」と即答した。

 いつも受けていた任務とは違う、自分から楽しんでやりたいと思えた瞬間だった。

 さて、僕の対戦相手だけど、能力が力に関わるだけあって、体が大きくて筋肉質なおじさんだった。見るからに力自慢って感じがして、何となくレオを思い出す。
 「トパーズ」と呼ばれたおじさんは、司会の紹介の後、観客達にパフォーマンスなのか、自慢の筋肉を見せて喜ばせていた。
 生憎僕にはそんなパフォーマンスを出来る程の筋肉はない。大人しく試合が始まるのを待っているだけだった。


「おう坊主!いくらお子ちゃまだからって手加減はしねぇぜ!?」

「うん、僕も手加減しないつもり~。思い切りやり合おうよ♪」

「いいね~!元気のあるガキは好きだぜ!」

「好きか嫌いかを決めるならやり合ってからにしたら?終わった後僕の事嫌いになってるかもよー?」


 僕の言う事に、子供の言う事と言わんばかりにガハハと豪快に笑うトパーズ。
 そりゃおじさんからしたら子供だろうよ。でも俺は幾度となく違法な研究所でモルモットにされて来たからそこらの子供よりは能力を扱うのに自信があるんだよね。
 ちなみにその時に彫られた刺青は、地上では常に隠している。

 ただでさえ超人は嫌われ者なのに、その上違法研究所出身とあらば罵声を浴びせられ、処刑されかねないからな。

 その点ではライアンには感謝かな~。自分の城であるLiveに侵入しただけじゃなくて、研究所までぶっ壊したって言うのに、特にお咎めもなくこうして生かしてくれてるんだもん。

 だからって言う訳じゃないけど、僕も少しは役に立ちたいとか思っちゃうじゃん?


「意気の良い坊主に良い物見せてやる!よーく見とけ!?……うおおおおおおお!!!!!」

「!」


 おじさんはいきなり唸り出して、両手に拳を作り、両足は肩幅に開いてしっかりと踏み締め、力を込め始めた。
 何をする気だと見ていたら、次第に膨れ上がるおじさんの体。

 あ、筋肉か!トパーズは自分の筋肉を操って膨張させる事が出来るんだ。筋肉量が増えればその分力も増すもんな。
 へー、面白いじゃん♪

 ずっと黙って見ていたらおじさんは通常の2倍の大きさにまでなっていて、子供が喜びそうなパフォーマンスを見せた。


「さぁ行くぞ坊主!!」

「その筋肉伊達じゃないっての見せてよね!!」


 トパーズの準備が出来た所で僕は駆け寄り、目の前まで行くと、拳を作り右腕全体の筋肉を硬化させる。おじさんの体の大きさを考慮して足にも少し能力を使った。反動に耐えられる様にだ。

 おじさんも大きな拳を作って僕に打ってくる。

 ドゴォっとお互い大きな音を鳴らしてそれぞれの体に拳が突き刺さる。どちらも避けもせずに体で受けて一瞬時が止まったかのように静まり返った。
 当然、殴られるであろう箇所にも硬化を施していた僕は、硬化させた足でしっかりと立ち、なんらダメージもなく受け止める事が出来た。
 おじさんもニヤリと笑っている所を見ると、このぐらいなら平気そうだった。

 一瞬の静けさの後、僕達の迫力に湧き上がる歓声。


「なかなか良いパンチだ!能力は馬鹿力ってとこかぁ?」

「おじさんもやるじゃん♪今度は僕が良いもん見せてあげるよ♪」


 僕は、そのまま地面にしゃがんで拳を振り上げて思い切り闘技場の床を叩きつける。
 その衝撃で砕け散るコンクリートの破片。
 大、小、丸、鋭利な物、様々に砕けたコンクリートの破片達を素早く受け取ってそれをトパーズ目掛けて投げ付ける。
 至近距離で間髪入れず、休まずにそれを食らったトパーズは、砂埃が立ち込めて姿が見えなくなっていた。

 こんなのが効くとは思ってない。僕のパンチを食らっても笑ってられるぐらいの丈夫な体だもん。
 僕の狙いは目眩しさせる事。コンクリートの破片から身を守り、視界を奪わせて無防備になったトパーズにトドメの一撃を入れる為だ。
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