16 / 100
1章 異色のメンバー
いつも負けてるけど!
しおりを挟む「どこに惚れたって言われると……優しい所、かな?それと、ずっと好きって言ってくれる所も安心するなって」
「ぷはっ!犬飼の奴、いつも茜ちゃん茜ちゃんて追い掛けてるもんな~。へー、そういう所がいいんだぁ?優しくて一途に想ってくれる人がいいんだぁ?」
「あ、秋山のタイプはどういう人なんだ?桐原と早川はタイプが違うだろ」
「俺ぇ?俺は俺が好きになった奴がタイプだな~。面倒くさくない奴だな」
「秋山らしいな。それなら桐原と早川以外でも好きになる可能性があるって事か」
「そりゃあるだろ。今はそんな気は全くねぇけどな」
「なるほどな」
「話戻すけどよ、犬飼からして来たのか?」
キスの話に戻すと、再び茜の顔が強張って頬を赤くしてた。やべー、茜の反応マジ面白ぇ♪
「そ、そうだけど」
「けど?茜も断らずにキスを受け入れた。てか犬飼の奴良くそれで済んだな……あ?もしかして襲われたりした?」
「バッ!襲われる訳ないだろ!犬飼は、これ以上はちゃんと付き合ったらにするって言ってくれたんだ」
嬉しそうに微笑む茜。ちゃんと付き合ったらって、犬飼の奴、茜と付き合えると思ってんのかよ。これでやっぱり彼氏の桃山がいるんでお断りしますなんて言われたら犬飼ちょっと可哀想だな。
「ふーん。あいつって意外と紳士だな。トモには俺を襲えとか命令する癖にな」
「そう言えばあったなそんな事」
「あれか、自分の好きな奴にはめちゃくちゃ甘くなるやつ。ツンデレのデレしか見せねぇ奴だあいつは」
「確かに、犬飼はいつも優しくしてくれるな。怒ったりするのかな?」
「するだろ!桃山に対していつも怒ってんじゃん!いつも負けてるけど!」
「……そうだな」
桃山の名前を出したからか茜は困ったように笑った。そうだよなー。桃山の事も嫌いな訳じゃなくて、むしろ変わらず好きなんだからそりゃ悩むわな~。
例えばよ?例えば、俺が桃山と犬飼どちらを好きになってどちらを選びますかって聞かれたら……犬飼かな?
危険度と面倒くささを考えてこの結果になった。
茜愛はどちらも同じぐらいあるように見えるけど、桃山の場合は普通じゃねぇからな。喧嘩っ早いし、目を離すと何しでかすか分からねぇし、安心感がねぇよな。
それに比べたら犬飼はまともだと思うんだ。見た目も申し分無い容姿をしてるし、周りをまとめるリーダー気質もあるし頭も良いらしいしな。好きな奴にはとことん甘いとか理想じゃん?
でも茜の場合、先に付き合っていたのは桃山だ。
ずっと側で見て来たけど、茜と桃山の組み合わせは異色でありながらもとても仲良くてバランスの取れたカップルだと思うんだ。
暴走しがちな自由奔放な桃山を、クソが付く程真面目な茜が制御して成り立つカップル。
伊織も空も俺の言う事聞かねぇ事あるから、そこは茜が羨ましいなと思っていた。
「桃山とは連絡は取ってるのか?」
「ああ、今日はメッセージを数件やり取りした。会いたいと言われたけど、昨日の犬飼との事もあったから断ってずっと家に引きこもっていたんだ」
「それ、何て言って断ったんだ?よくしつこく会いたがらなかったな」
「普通に体調が悪いって言ったんだよ。湊は気分屋だからな。元々向こうにも予定があったみたいだし、だからしつこくなかったんだと思う」
「じゃあ昨日のは何て言ったんだ?お好み焼き屋の後の事」
「家族で出掛けるって言ったよ。実際両親が出掛けてるからそれに付いて行った事にしたんだ。正直心が痛んだよ。湊は信じたか分からないけど、人に嘘をつくのは経験が無いから……」
「そっか。お前真面目だもんな~。まぁ桃山には言わなくていいと思うぜ?犬飼も言わないだろうし。後は茜がどうするかだな」
「…………」
茜は元気なさそうに俯いていた。
ゆっくり考えろって言いたいけど、多分それだと桃山が変な勘を働かせて犬飼との事を疑って来そうだ。
茜には幸せになってもらいたい。
茜が幸せになるのに俺が必要なら力は貸すつもりだ。ただ茜の気持ちがハッキリしないと動けねぇ。
てか今の茜って桃山と普通にしてられるのかぁ?
10
あなたにおすすめの小説
俺がこんなにモテるのはおかしいだろ!? 〜魔法と弟を愛でたいだけなのに、なぜそんなに執着してくるんだ!!!〜
小屋瀬
BL
「兄さんは僕に守られてればいい。ずっと、僕の側にいたらいい。」
魔法高等学校入学式。自覚ありのブラコン、レイ−クレシスは、今日入学してくる大好きな弟との再会に心を踊らせていた。“これからは毎日弟を愛でながら、大好きな魔法制作に明け暮れる日々を過ごせる”そう思っていたレイに待ち受けていたのは、波乱万丈な毎日で―――
義弟からの激しい束縛、王子からの謎の執着、親友からの重い愛⋯俺はただ、普通に過ごしたいだけなのにーーー!!!
うちの家族が過保護すぎるので不良になろうと思います。
春雨
BL
前世を思い出した俺。
外の世界を知りたい俺は過保護な親兄弟から自由を求めるために逃げまくるけど失敗しまくる話。
愛が重すぎて俺どうすればいい??
もう不良になっちゃおうか!
少しおばかな主人公とそれを溺愛する家族にお付き合い頂けたらと思います。
説明は初めの方に詰め込んでます。
えろは作者の気分…多分おいおい入ってきます。
初投稿ですので矛盾や誤字脱字見逃している所があると思いますが暖かい目で見守って頂けたら幸いです。
※(ある日)が付いている話はサイドストーリーのようなもので作者がただ書いてみたかった話を書いていますので飛ばして頂いても大丈夫だと……思います(?)
※度々言い回しや誤字の修正などが入りますが内容に影響はないです。
もし内容に影響を及ぼす場合はその都度報告致します。
なるべく全ての感想に返信させていただいてます。
感想とてもとても嬉しいです、いつもありがとうございます!
5/25
お久しぶりです。
書ける環境になりそうなので少しずつ更新していきます。
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
義兄が溺愛してきます
ゆう
BL
桜木恋(16)は交通事故に遭う。
その翌日からだ。
義兄である桜木翔(17)が過保護になったのは。
翔は恋に好意を寄せているのだった。
本人はその事を知るよしもない。
その様子を見ていた友人の凛から告白され、戸惑う恋。
成り行きで惚れさせる宣言をした凛と一週間付き合う(仮)になった。
翔は色々と思う所があり、距離を置こうと彼女(偽)をつくる。
すれ違う思いは交わるのか─────。
学校一のイケメンとひとつ屋根の下
おもちDX
BL
高校二年生の瑞は、母親の再婚で連れ子の同級生と家族になるらしい。顔合わせの時、そこにいたのはボソボソと喋る陰気な男の子。しかしよくよく名前を聞いてみれば、学校一のイケメンと名高い逢坂だった!
学校との激しいギャップに驚きつつも距離を縮めようとする瑞だが、逢坂からの印象は最悪なようで……?
キラキライケメンなのに家ではジメジメ!?なギャップ男子 × 地味グループ所属の能天気な男の子
立場の全く違う二人が家族となり、やがて特別な感情が芽生えるラブストーリー。
全年齢
【完結済】虚な森の主と、世界から逃げた僕〜転生したら甘すぎる独占欲に囚われました〜
キノア9g
BL
「貴族の僕が異世界で出会ったのは、愛が重すぎる“森の主”でした。」
平凡なサラリーマンだった蓮は、気づけばひ弱で美しい貴族の青年として異世界に転生していた。しかし、待ち受けていたのは窮屈な貴族社会と、政略結婚という重すぎる現実。
そんな日常から逃げ出すように迷い込んだ「禁忌の森」で、蓮が出会ったのは──全てが虚ろで無感情な“森の主”ゼルフィードだった。
彼の周囲は生命を吸い尽くし、あらゆるものを枯らすという。だけど、蓮だけはなぜかゼルフィードの影響を受けない、唯一の存在。
「お前だけが、俺の世界に色をくれた」
蓮の存在が、ゼルフィードにとってかけがえのない「特異点」だと気づいた瞬間、無感情だった主の瞳に、激しいまでの独占欲と溺愛が宿る。
甘く、そしてどこまでも深い溺愛に包まれる、異世界ファンタジー
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる