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3章 年下の友達
青い髪?背の高い?
しおりを挟む「電話出れなくて悪かったな。俺に用なのか?」
「いえ、こうしてすぐに会えたので♪はい。報告がありまして。少しお時間いただけませんか?」
相変わらず人懐っこい笑顔してんなー。
うん。こいつと話してるとこっちまで元気になれるわ♪
双葉は俺といた空の事をチラッと見てペコリと頭を下げた。すると空は「あ」と声を出して何かを思い出したように喋り始めた。
「君、文化祭に来てた子じゃない?Switch欲しがってた」
「あ、覚えててくれたんですね。浅野双葉です。お兄さんの事も覚えてますよ。ボランティア部ってかっこいい人ばかりだなって思ったので」
「あ?知り合いなのか?んじゃ歩きながら話そうぜ~♪」
どうやら二人は文化祭で会ってるらしい。
それなら話をし易いだろうから、俺達は歩きながら話す事にした。
「俺は早川空~。確かもう一人いたよな?お友達が」
「相棒の事ですね」
「そういやあん時人探してるって言ってたもんな」
「確か貴哉の友達だって言ってたよな~?青い髪の、双葉くんと同じぐらい背の高い男の子」
「青い髪?背の高い?」
おいおい、まさかあいつじゃねぇよな?
空が言う俺の友達とやらの特徴を聞いて、ギクっとしちまう。あいつとは石原類の事だ。
そう言えば類も中三だったな。
えー、双葉って類のダチなのかー!?
「類の事ですね。元々類は貴哉と知り合いだったみたいですけど、俺と貴哉は文化祭で知り合いました」
「やっぱりあいつの事か!!」
双葉から類の名前が出て確信に変わった。
マジかよっ!双葉があの類とダチだったなんて……
こうなったら双葉には迂闊に話し出来ねぇな。
俺が声を荒げると、二人は目を丸くして驚いていた。
「その反応、類くんとはあまり仲良くないのか?」
「うーん……なぁ双葉、お前はあいつから何て聞いてんだ?」
「昔遊んだ事があるってだけですよ。だから文化祭に行ってみようってなったんです」
「それだけか?」
「はい。えっと、何かあるんですか?」
どうやら双葉は知らないみてぇだな。
俺が類の事苦手で避けてるって言ってもいいのかな?でも類にチクられたら面倒そうだしなぁ。
んんー、双葉とはあんま関わらない方がいいのかなぁ。
「いや、何もねぇよ!それよりお前の報告って何だ?」
「あ、俺城山を受験する事にしたんです。それを伝えたくて♪」
「おおー!そうか!んじゃ来年からよろしくな♪」
「まだ受かるか分かりませんけどね。もし入学出来たらよろしくお願いします♪」
「双葉くんなら受かりそうだよな~。貴哉でも入れたんだしぃ?」
「そうそう!俺でも受かるから安心しろ……って空!それ俺に失礼だぞ!」
「ギャハハ♪ほんと今でもどうやって受かったのか不思議だわ~!」
「あの、お二人はとても仲がいいんですね」
「おう、空には何を言っても平気だからな!お前と類が相棒ってんなら俺の相棒はこいつだ」
「貴哉の相棒♡それも悪くねぇな♡」
「いいなぁ、俺も貴哉ともっと仲良くなりたいです♪」
「ああ、それなら城山入ったらボラ部に来いよ。そうすりゃ学年違くても関われるだろ。なぁ、類も城山受けるのか?」
確認だ。念の為聞いてみた。
すると双葉は心配そうに俺を見て来た。
俺、類を意識してんの顔に出てたか?
「多分、受けると思います。貴哉は類の事あまり好きじゃないんですか?」
うう。こうなったら本当の事を話すか?
でも何て言う?てか相棒である双葉に類の事苦手なんだって言ったら嫌がるよな?
まぁ嫌がられたらそれまでで双葉とも関わりを断つ事になるか。
「好きじゃないってか、苦手なんだよ。出来れば会いたくねぇ」
「貴哉が苦手ぇ!?学年主任の他にもそんな相手がいるのか!?」
「いるわ!類は悪い奴じゃねぇんだ。でも俺とは合わねぇんだ。だから苦手」
「何があったのか聞いてもいいですか?」
双葉は少し悲しそうな顔をしていた。
そりゃそうだよな。相棒の事をそんな風に言われたら悲しくもなるよな。
俺は空と双葉に類の事が苦手な理由を話す事にした。
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