【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ 5thのその後

pino

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3章 年下の友達

青い髪?背の高い?

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「電話出れなくて悪かったな。俺に用なのか?」

「いえ、こうしてすぐに会えたので♪はい。報告がありまして。少しお時間いただけませんか?」


 相変わらず人懐っこい笑顔してんなー。
 うん。こいつと話してるとこっちまで元気になれるわ♪
 双葉は俺といた空の事をチラッと見てペコリと頭を下げた。すると空は「あ」と声を出して何かを思い出したように喋り始めた。


「君、文化祭に来てた子じゃない?Switch欲しがってた」

「あ、覚えててくれたんですね。浅野双葉です。お兄さんの事も覚えてますよ。ボランティア部ってかっこいい人ばかりだなって思ったので」

「あ?知り合いなのか?んじゃ歩きながら話そうぜ~♪」


 どうやら二人は文化祭で会ってるらしい。
 それなら話をし易いだろうから、俺達は歩きながら話す事にした。


「俺は早川空~。確かもう一人いたよな?お友達が」

「相棒の事ですね」

「そういやあん時人探してるって言ってたもんな」

「確か貴哉の友達だって言ってたよな~?青い髪の、双葉くんと同じぐらい背の高い男の子」

「青い髪?背の高い?」


 おいおい、まさかあいつじゃねぇよな?
 空が言う俺の友達とやらの特徴を聞いて、ギクっとしちまう。あいつとは石原類の事だ。
 そう言えば類も中三だったな。
 えー、双葉って類のダチなのかー!?


「類の事ですね。元々類は貴哉と知り合いだったみたいですけど、俺と貴哉は文化祭で知り合いました」

「やっぱりあいつの事か!!」


 双葉から類の名前が出て確信に変わった。
 マジかよっ!双葉があの類とダチだったなんて……
 こうなったら双葉には迂闊に話し出来ねぇな。

 俺が声を荒げると、二人は目を丸くして驚いていた。


「その反応、類くんとはあまり仲良くないのか?」

「うーん……なぁ双葉、お前はあいつから何て聞いてんだ?」

「昔遊んだ事があるってだけですよ。だから文化祭に行ってみようってなったんです」

「それだけか?」

「はい。えっと、何かあるんですか?」


 どうやら双葉は知らないみてぇだな。
 俺が類の事苦手で避けてるって言ってもいいのかな?でも類にチクられたら面倒そうだしなぁ。
 んんー、双葉とはあんま関わらない方がいいのかなぁ。


「いや、何もねぇよ!それよりお前の報告って何だ?」

「あ、俺城山を受験する事にしたんです。それを伝えたくて♪」

「おおー!そうか!んじゃ来年からよろしくな♪」

「まだ受かるか分かりませんけどね。もし入学出来たらよろしくお願いします♪」

「双葉くんなら受かりそうだよな~。貴哉でも入れたんだしぃ?」

「そうそう!俺でも受かるから安心しろ……って空!それ俺に失礼だぞ!」

「ギャハハ♪ほんと今でもどうやって受かったのか不思議だわ~!」

「あの、お二人はとても仲がいいんですね」

「おう、空には何を言っても平気だからな!お前と類が相棒ってんなら俺の相棒はこいつだ」

「貴哉の相棒♡それも悪くねぇな♡」

「いいなぁ、俺も貴哉ともっと仲良くなりたいです♪」

「ああ、それなら城山入ったらボラ部に来いよ。そうすりゃ学年違くても関われるだろ。なぁ、類も城山受けるのか?」


 確認だ。念の為聞いてみた。
 すると双葉は心配そうに俺を見て来た。
 俺、類を意識してんの顔に出てたか?


「多分、受けると思います。貴哉は類の事あまり好きじゃないんですか?」


 うう。こうなったら本当の事を話すか?
 でも何て言う?てか相棒である双葉に類の事苦手なんだって言ったら嫌がるよな?
 まぁ嫌がられたらそれまでで双葉とも関わりを断つ事になるか。


「好きじゃないってか、苦手なんだよ。出来れば会いたくねぇ」

「貴哉が苦手ぇ!?学年主任の他にもそんな相手がいるのか!?」

「いるわ!類は悪い奴じゃねぇんだ。でも俺とは合わねぇんだ。だから苦手」

「何があったのか聞いてもいいですか?」


 双葉は少し悲しそうな顔をしていた。
 そりゃそうだよな。相棒の事をそんな風に言われたら悲しくもなるよな。

 俺は空と双葉に類の事が苦手な理由を話す事にした。

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