【完結】どいつもこいつもかかって来やがれ5th season

pino

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1章 二学期中間テスト

※ お前今から顔出せるか?いや、出せよ

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 ※伊織side

 怜ちん達と何だかんだくっちゃべってたらあっという間に17時になってた。
 うし、そろそろ貴哉に帰って来てもらうかな。俺は貴哉に会う為に怜ちん達と別れてタクシーに乗ろうと駅まで向かう。

 途中で貴哉に電話を掛ける。が、出ない。
 何だろなー、胸騒ぎがするんだよな。
 貴哉が早川と会って何も無い訳がねぇ。友達とか言ってるけど、あの二人が今でも想い合ってるのは分かる。
 このペアリングを買うきっかけになったのは早川が言った事だけど、あれは嘘だと思う。貴哉まで早川の嘘に乗っかってたのにはショックだったな。
 誰もいない教室に二人がいて、早川が貴哉の手を握ったのを俺はハッキリと見た。その後貴哉は手を引いて俺の心配をしてるようだったけど、まさか早川の肩を持つなんてな。

 それでも俺は一条の言葉を信じるじゃないけど、貴哉の気持ちを尊重した。そして二人の嘘を本当にしてやろうと思った。
 幸い俺に出来ない事じゃなかったからな。
 俺の親は滅多に帰って来ない分、ほぼ一人暮らしの俺に不自由させまいと親名義のクレカを渡してくれてる。だから俺は好きな物が好きな時に買えてるんだけど、勿論履歴は残る訳で下手な物は買えない。俺もカードを使えるってだけで上限枠とかも知らねーから馬鹿高い物は買わないようにはしてる。
 昨日買ったペアリングはいつもの買い物からしたら高い方だけど、親からも連絡はないし、もし来ても大切な人が出来たと本当の事を話すつもりだ。
 いつかは自分で稼いだ金で買ってやりてぇけどな。

 さっき二人にも聞かれたけど、俺の欲しい物は"貴哉"だ。今は恋人同士という立場にこそなれたけど、貴哉の中にはまだ早川がいる。
 少しずつでもいいから俺だけを見ていって欲しいと思ってたけど、どうやらまた二人がくっ付いたらしい。
 早川は一回は貴哉に対して冷たく突き放していたようだけど、貴哉が早川を引き止めていた。

 知ってたよ。貴哉はそういう奴だって。
 貴哉と早川がまだ付き合ってる時からそうだったからな。貴哉は早川と付き合っていながら俺とも関係を持った。惹かれ合って何度も諦めようとしたけど、貴哉は俺を手離そうとしなかった。
 きっと欲しい物はどんな状況であっても欲しいと思うんだろう。周りを犠牲にしてでも、己の欲の為に自分の物にしておきたい。魔性の男だ。
 
 それでも俺は貴哉が好きで執着している。
 手放す気なんて無い。

 あの二人がどんなに想い合ってようが、貴哉が早川を選ぼうが、必ず引き裂いてやる。
 問題はやり方なんだよな~。
 俺は面と向かって言いたい事言うのが一番好きなんだけど、それだとダメなんだよな。
 貴哉の意見を聞き入れてなるべく好きにやらせる。んな事貴哉にやらせたら早川とヤリまくるだろ。前の俺と貴哉の関係みたいにな。

 そんな事をボーッと考えてると、スマホが鳴った。貴哉からだ。すぐに出ると、慌てた感じの声が聞こえて来た。


『電話出れなくて悪いな!俺今から帰るとこだけど、伊織は?』

「俺も帰るとこー。どこにいんの?迎えに行くから教えて」

『あ、じゃあ俺んち来れるか?んー、30分後に!』

「いや、すぐに会いたいからタクシーで向かう。場所教えて」

『……えっと、空んち』


 怒るな俺。電話で怒ったら貴哉が逃げて会えなくなるからな。


「早川んちな。瑛二って奴もいんの?」

『瑛二は……いない』


 予想通りかよ。貴哉も相変わらず馬鹿正直な奴だな。早川みてぇに咄嗟に上手く嘘吐きゃいいものを……
 せっかく怜ちん達と楽しく過ごしていた気分が遠い昔のように消え去ろうとしていた。

 俺は迷ったけど、落ち着いて話すよう心掛けて電話の向こうの貴哉に話しかけた。


「ふーん。とにかく迎えに行くわ。早川んち教えて?」

『伊織っ!俺っ……あ!空!?』


 電話の向こうで物音がして、貴哉の声が一瞬遠くなった。けど、確実に"空"って言っていた。
 はぁ、本当何してくれてんだよあいつら。


「おい貴哉、そこに早川いんの?出して?」

『いや、それは……』

「早く出せよ!」

『っ……』


 また貴哉の声が遠くなる。そして今度は指名した早川が電話に出た。


『電話代わりました』

「お前、貴哉に手出したのか?」

『いいえ。家には連れ込みましたけど、貴哉に嫌がられて終わりましたよ』

「お前は出そうとしたんだな?」

『はい。今の貴哉なら俺のとこ戻って来てくれるかなーって思ったから手を出そうとしました。でも駄目でした。貴哉は桐原さんを選ぶそうです』


 早川の後ろで貴哉の声がした。貴哉、怒ってる?て事は早川がまた嘘でもついてんのか。
 こりゃ一回マジで絞めねぇとだな。


「分かった。お前今から顔出せるか?いや、出せよ」

『……はい。行きますよ』


 そこで電話は切れた。その後早川からメッセージがあって、向こうから場所を指定された。ここからそう遠くはねぇショッピングモールだった。
 なるほどね、大勢の人前なら手は出せねぇって考えか。
 俺はすぐにタクシーを拾って指定されたショッピングモールに向かった。

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